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5月の日本旅程1日目(熊本県 食事編)

5月の日本旅程1日目(熊本県 食事編)

(5月17日 火曜日)

 

目次

1、上村うなぎ屋

2、繊月酒造

3、人吉旅館

 

1、上村うなぎ屋

今回の熊本旅行の最初の食事は「上村うなぎ屋」で頂きました。「上村うなぎ屋」は1908年創業で100年以上の歴史をもつ老舗鰻屋です。「食べログ100名店」にも選ばれています。人吉市で唯一の「食べログ100名店」です。店は10時開店と開店時間がとても早いです。私は11時に入店しましたが、既にお客さんが何組も席に座っていました。

上村うなぎ屋

私は「上村うなぎ屋」で「うざく」(800円)、「鰻の肝」(1,000円)、「鰻重(小)」(3,200円)を注文しました。「うざく」の味は平均以上の水準でしたが、「鰻の肝」と「鰻重」は絶品でした。

上村うなぎ屋

「鰻の肝」は写真で分かるように、鰻20匹分はあるのではないかというくらいのボリュームでした。私は鰻好きで鰻の肝も大好きなのですが、こんなに多くの鰻の肝を食べたのは人生で初めてだと思います。

鰻の肝

「上村うなぎ屋」では鰻を5~10日ほど真水の中で泳がせて、身の引き締まったものを注文を受けてから捌き、炭火で焼き上げ、秘伝のタレをつけて「鰻重」や「鰻丼」を提供しています。真水の中で泳がせることから、全く臭みがありません。球磨川で鰻が獲れたため、人吉市には「うなぎ屋」が多くあります。「食べログ」に登録されている「うなぎ屋」の数は人吉市だけで5軒あります。なお、現在は球磨川の天然鰻の漁獲量が減ったため、「上村うなぎ屋」では鹿児島県の鰻を使っているようです。

上村うなぎ屋

私が「上村うなぎ屋」を出た12時頃には店内に空席待ちの客の行列ができていました。私が人吉市で最も人を多く見たのは間違いなく「上村うなぎ屋」でした。

 

2、繊月酒造

人吉市観光を終え、繊月酒造で米焼酎の試飲をしました。繊月酒造は1903年創業の老舗米焼酎メーカーです。

繊月酒造

人吉市では約500年の米焼酎の歴史があります。1546年には「日本では米焼酎を飲んでいる」とフランシスコ・ザビエルに報告された記録があるようです。一方、芋焼酎の生産は1782年以降です。そのため、日本最古の焼酎は米焼酎と言われています。

人吉藩の藩主相良氏は東南アジアや大陸と活発に交易をしており、蒸留技術が持ち込まれたことが焼酎造りのきっかけになったと言われています。現在も人吉地方には27の蔵元があります。人吉盆地で生産される米焼酎は「球磨焼酎」と呼ばれ、世界貿易機関のTRIPS協定(知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)に基づく産地表示の保護指定を受けています。産地表示の保護指定を受けている酒類はスコッチウイスキー、ボルドーワインなど数少なく、「球磨焼酎」は世界的に認められたブランドです。

なお、同じ米を原料とする米焼酎と日本酒のもっとも大きな違いは、「蒸留酒か、醸造酒か」という点です。日本酒は原料であるお米を発酵して造られる醸造酒です。一方、米焼酎は醸造されたお酒に蒸留という工程が加わる「蒸留酒」です。米焼酎と日本酒ではアルコール度数も異なります。アルコール度数は日本酒が22度以下、米焼酎は45度以下です。

米どころであった人吉盆地では温暖な気候が日本酒造りに適しておらず、日本酒ではなく米焼酎を作ったと推定されています。日本酒では「寒造り」という言葉があるように、最も酒造りに適しているのは12月~2月頃までの寒い季節と言われています。温暖な九州や沖縄で日本酒生産量が少ないのはこのような理由です。

繊月酒造

真偽のほどは分かりませんが、人吉盆地で米焼酎が多く生産された理由は人吉藩が幕府の検地を回避して、実際の石高が名目石高を大きく上回っており、貴重な米を米焼酎造りに回せたからだと言われています。人吉藩の石高は2万2000石でしたが、実際は10万石だったようです。これは人吉盆地はひょうたん型で、幕府の検地が行われる土地のさらに奥に広い盆地が広がって米を生産していたためと言われています。従って、人吉藩のみ余った米で米焼酎を生産できましたが、九州の他藩は「粕取り焼酎」といわれる酒粕を使った焼酎を生産していました。私もこうした話を今回の人吉旅行で2回も地元の方に聞きました。

このように、人吉盆地における米焼酎の歴史の長さや思い入れは強く、国宝の青井阿蘇神社でも米焼酎が奉納されています。

青井阿蘇神社

繊月酒造の試飲に話は戻ります。繊月酒造では20種類ほどの米焼酎を無料で試飲できます。今まで飲んだことがあった米焼酎とは全く違う味の米焼酎もあり、様々な発見がありました。また、プロスキーヤーの三浦雄一郎さんが繊月酒造の米焼酎が好きで、エベレスト登頂の際に山頂で米焼酎を飲んだというエピソードも展示してありました。人吉市出身だったプロ野球巨人軍の川上哲治にちなんだ「川上哲治 赤バット焼酎」も売っていました。

私は試飲して気に入った「無言」を買い、夜に「人吉旅館」で飲みました。味も色も焼酎と言うよりはウィスキーではないかと勘違いするくらい今まで飲んだことがある米焼酎とは別物でした。

繊月酒造

 

3、人吉旅館

繊月酒造で試飲を楽しんだ後、夕食は宿泊した「人吉旅館」でいただきました。「人吉旅館」の夕食は郷土料理中心の贅沢な食事で大満足でした。

まず、前菜は「筍と烏賊の木の芽和え」や「フキの白和え」など綺麗に盛り付けられた小鉢でした。全て美味しかったのですが、特に、人吉市近隣の五木村の郷土料理である「山雲丹豆腐」は絶品でした。

人吉旅館

「山女(ヤマメ)洗い(刺身)」と「山女塩焼き」も最高の美味しさでした。山女とはサクラマスのうち、一生を河川で過ごす河川残留型(陸封型)の魚です。山女はその美しさから「渓流の女王」とよばれています。

山女

「里芋饅頭ゆば餡掛け」、「茶碗蒸し」、「筍薄衣揚げ・山菜天ぷら」などもとても美味しく、大満足のまま、鍋料理を頂きました。

人吉旅館

人吉旅館

人吉旅館

鍋料理は「球磨の黒豚」と「たもぎ茸」でした。「たもぎ茸」はヒラタケの仲間のキノコです。鮮やかな黄色の傘があり、老化を抑制するエルゴチオネイン(抗酸化成分)を多く含む特徴があります。「たもぎ茸」は中国や台湾でも「珊瑚菇」や「玉米菇」と呼ばれて食べられているようです。日本では「たもぎ茸」の主な生産地は北海道や東北ですが、人吉市近隣の熊本県あさぎり町でも生産されています。鍋には熊本駅 – 人吉駅間で走っていた「SL人吉」にちなんだ絵が描かれていました。「SL人吉」は令和2年7月豪雨により、現在は熊本駅 – 鳥栖駅間でのみ運行しています。

人吉旅館人吉旅館

食事の最後は「地鶏と茸と薄揚げの釜めし」と「つぼん汁」でした。「つぼん汁」は、鶏肉、かまぼこ、里芋、ごぼう、人参、大根などが入った具だくさんの汁ものです。球磨地域に伝わる郷土料理で、農林水産省が選定する熊本県の「うちの郷土料理」にも掲載されています。「釜めし」も「つぼん汁」もとても美味しい料理でした。

釜めし

つぼん汁

デザートは「洋梨のソルベと球磨栗のモンブラン最中仕立て」でした。このデザートはケーキ屋やカフェで売りだしたら、かなり話題になるだろうと思わせるくらいレベルが高いと思いました。本当に絶品でした。

人吉旅館

「人吉旅館」の料理は全て美味しく、大満足で夕食会場を後にしました。また、「人吉旅館」の夕食では女将が各テーブルをあいさつ回りをし、女中さんたちも愛想よく気持ちのいいサービスで心が安らぎました。

なお、「人吉旅館」は国登録有形文化財の宿です。「人吉旅館」は令和2年7月豪雨で甚大な被害を受けましたが全面復旧し、今年5月に全館再開しました。今では全く災害の跡もなく、「人吉旅館」の復興の力を見ることができ良かったです。

人吉旅館

人吉旅館

人吉旅館

人吉旅館

人吉旅館

 

(注:文中に掲載している交通機関の出発・到着時間や運賃、入場料、食事の料金などはBLOG執筆時のものです。今後変更する可能性がありますので、旅行に行く際にご自身でご確認ください。)

 

 

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