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5月の日本旅程1日目(熊本県)

5月の日本旅程1日目(熊本県)

(5月17日 火曜日)

 

目次

1、青井阿蘇神社

2、老神神社・人吉城跡

3、岩屋熊野座神社

4、橋梁、線路

5、願成寺

6、釜田醸造所・立山商店

7、人吉鉄道ミュージアム・人吉駅

8、山田大王神社

 

1、青井阿蘇神社

5月17日(火)から2泊3日で熊本県を旅行しました。

まず、羽田空港から鹿児島空港へ飛びました。私が利用した飛行機は以下の通りです。

羽田空港7:40発 ANA2471便 鹿児島空港9:30着

鹿児島空港に到着するとバス停前近くに、「おやっとさぁ」という足湯がありました。「おやっとさぁ」の素晴らしさは車椅子の方も車椅子に乗りながら足湯を利用できることです。素晴らしい取り組みだと思います。

おやっとさ

人吉市にはリムジンバスで行きました。私が利用したリムジンバスは以下の通りです。なお、人吉市に行くには熊本空港よりも鹿児島空港が圧倒的に近いので、私は鹿児島空港を利用しました。

鹿児島空港9:45発 人吉IC10:37着 運賃1,420円

人吉市内に到着後、昼食を食べ、自転車を借り人吉市内を観光しました。人吉駅横にある「くま川鉄道本社」で借りたレンタサイクルの料金は1日500円と格安でした。

人吉市内観光で一番最初に青井阿蘇神社を訪問しました。青井阿蘇神社は806年に創建されました。現存の本殿、廊、幣殿、拝殿と楼門の計5棟は1610年から1613年にかけて造営されたものです。人吉藩初代藩主相良長毎とその重臣相良清兵衛の発起によって建造されました。一連の社殿がすべて同時期の造営ということは日本全体でも珍しく、大変貴重なものです。屋根の棟が高く勾配が急な萱葺き屋根が一番の特徴です。こうした建築方式は人吉球磨地方独特のものです。

青井阿蘇神社

青井阿蘇神社

青井阿蘇神社は2008年に国宝に指定されました。青井阿蘇神社は茅葺の社寺建造物として初めての国宝指定で熊本県唯一の国宝建造物でもあります。なお、九州の神社では大分県宇佐八幡宮本殿に次いで2件目の国宝となります。

青井神社

青井阿蘇神社は令和2年7月豪雨災害(2020年)には国宝の拝殿が床上浸水し、禊橋は欄干が損壊するなどの被害が出ました。欄干は現在も修理中です。

青井阿蘇神社

私は茅葺の楼門の素晴らしさに感動しました。高さ12メートルの禅宗様式と桃山様式が見事に調和した建造物です。経年による一部彩色に剥落があるものの、往時の見事な色彩を今に伝えています。

青井阿蘇神社

青井阿蘇神社

青井阿蘇神社

 

2、老神神社・人吉城跡

青井阿蘇神社の次に、自転車で5分程度の場所にある老神神社(おいかみじんじゃ)に行きました。老神神社は国の重要文化財です。

老神神社

老神神社は807年に創建された神社です。現在の社殿は1628年に人吉藩初代藩主の相良長毎によって建造されたものです。桃山時代風の建築手法をよく残しています。また、西南戦争の戦場になった地でもあります。

老神神社

老神神社のすぐ近くにある人吉城跡は国の史跡に指定されています。相良氏が鎌倉時代に地頭として人吉荘に赴任して以来、670年にもわたり城が存続しました。日本100名城に選定されています。令和2年7月豪雨のため、人吉城も被害を受けたため、現在復旧作業中です。人吉城跡近くから撮影した球磨川の美しさからは大災害を引き起こした球磨川を想像することができません。なお、球磨川は最上川・富士川とともに日本三大急流の一つです。

人吉城跡

球磨川

 

3、岩屋熊野座神社

老神神社の次に、自転車で15分程度の場所にある岩屋熊野座神社に行きました。岩屋熊野坐神社は相良氏の初代当主の相良長頼(さがらながより)が1230年ごろに熊野三所権現を勧請したのが創建です。国の重要文化財です。

岩屋熊野座神社

岩屋熊野座神社の本殿3棟は1727年の建立と考えられています。石鳥居は1701年に寄進されたもので、稚児柱がついた両部鳥居形式では球磨地方唯一のものです。

岩屋熊野座神社

 

4、橋梁、線路

令和2年7月豪雨による被害により、球磨川やその支流で氾濫が生じ、多くの人命が失われました。また、建物・橋梁の破壊や流失、浸水による甚大な被害が発生しました。JR肥薩線、くま川鉄道とも復旧活動が続いていますが、依然、全線復旧の時期は決まっていません。災害から約2年が経過し、線路には草も多く生えていました。

くま川鉄道

くま川鉄道

流された橋梁もあり、JR九州だけでも復旧費は230億円に達すると見積もられています。

肥薩線

人吉周辺の鉄道路線の1日でも早い全線復旧を心から祈念します。

 

5、願成寺

願成寺は岩屋熊野座神社から自転車で15分程度の場所にあります。願成寺は1233年に相良長頼(ながより)によって創建され、相良家の菩提寺になっています。本堂裏手には相良家代々の墓地があります。かなり大きな墓石で相良家の人吉での権勢をうかがい知るすることができます。なお、相良氏は藤原鎌足の子孫とされており、墓石にも「藤原」の名前が刻まれています。

願成寺

願成寺

願成寺

 

6、釜田醸造所・立山商店

釜田醸造所は1931年創業の味噌・醤油醸造所です。釜田醸造所は願成寺から自転車で5分程度の場所にあります。釜田醸造所では無料で蔵の見学もできます。

釜田醸造所

釜田醸造所

立山商店は釜田醸造所の横に建つお茶屋です。1877年創業の老舗で人吉球磨茶を製造販売しています。日本茶の一種である玉緑茶は熊本県が日本一の産出量を誇ります。玉緑茶の約3割は人吉球磨地方で生産されています。立山商店では抹茶体験や着物の着付けなども体験できます。

立山商店

 

7、人吉鉄道ミュージアム・人吉駅

人吉鉄道ミュージアムMOZOCAステーション868は人吉駅の隣に立つ鉄道ミュージアムです。MOZOCAとは人吉の方言で「小さい」「かわいい」を意味します。一回200円の料金でミニトレインに乗車することができます。入場料は無料です。鉄道ミュージアムではありますが、対象は子供向けです。

人吉鉄道ミュージアム

人吉鉄道ミュージアム

人吉鉄道ミュージアムMOZOCAステーション868

先述のように、JR肥薩線、くま川鉄道とも運行はしておりませんが、人吉駅は切符販売などで営業はしています。人吉駅はJR肥薩線、くま川鉄道の共同使用駅ですが、くま川鉄道の駅名は2009年に人吉駅から人吉温泉駅へ改称されました。

人吉駅

人吉駅には日本国内で唯一現役の石造鉄道車庫があります。石造車庫は1911年の建造です。

人吉駅

人吉駅

人吉駅にはくま川鉄道の観光列車である「田園シンフォニー」が所在無げに停車していました。整備する機関車がない石造鉄道車庫とともに、完全復旧できない悲しい現状を表しているようでした。

田園シンフォニー

人吉駅前には人吉城をイメージした「からくり時計」があります。高さは7mもある存在感が大きい「からくり時計」です。時間になると球磨地域の民謡「球磨の六調子」のメロディーに合わせて、お殿様や熊本県指定の無形文化財である臼太鼓踊りの一団など計17体の人形達が登場します。非常に楽しい「からくり時計」なのですが、人吉駅前には誰もいなかったので、もの悲しく感じました。早く元気な人吉に戻ってほしいと思います。

からくり時計

からくり時計

からくり時計

 

8、山田大王神社

5月17日の観光の最後に、人吉駅から自転車で約30分の場所にある山田大王神社へ行きました。山田大王神社の本殿は1546年に建造された国の重要文化財です。山田大王神社は中世に遡る数少ない建築で神社というより中世の豪農の家のように見えます。

山田大王神社

山田大王神社

山田大王神社

山田大王神社は永吉庄山田村地頭であった平河藤高の霊を祀る神社です。平河(平川とも書きます)氏は相良長頼に血敷原(ちしきばる)の戦いで滅ぼされた豪族です。血敷原という名前にあるように、両氏の戦いはかなり凄惨なものだったと推定されます。山田大王神社や荒田大王神社などは平河一族の霊を弔うために建設されました。なお、神社につけられた大王という名は「豪族」につけられた名前です。

 

(注:文中に掲載している交通機関の出発・到着時間や運賃、入場料、食事の料金などはBLOG執筆時のものです。今後変更する可能性がありますので、旅行に行く際にご自身でご確認ください。)

 

 

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