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和歌山県の地方鉄道(和歌山電鐵)

和歌山県の地方鉄道(和歌山電鐵)

 

目次
1:和歌山城
2:長保寺
3:井出商店
4:和歌山電鐵
5:伊太祁曽神社
6:日前宮
7:夕食

 

和歌山城

1:和歌山城

5月下旬に和歌山へ旅行に行きました。最初に訪問したのは和歌山城です。和歌山城は1585年に豊臣秀吉の弟である豊臣秀長により築城されました。築城当時、秀長の家臣であった藤堂高虎が普請奉行を務めました。藤堂高虎は江戸城、宇和島城(現存12天守)、今治城など多くの城を築いた築城名人です。

和歌山城は徳川御三家の一つであった紀州徳川家の居城でした。明治維新の後に出された廃城令(1871年)のあとも天守の建物などは維持され、国宝に指定されていました。しかし、1945年の和歌山大空襲で天守など全ての国宝指定建造物が焼失しました。現在の天守は1958年に鉄筋コンクリートで外観復元されたものです。

和歌山城は大天守、小天守、櫓を四方に配置し、渡櫓でつなぐ形式(連立式)です。和歌山城は姫路城(世界遺産、国宝、現存12天守)、松山城(国の重要文化財、現存12天守)と並んで日本三大連立式平山城の一つに数えられています。

和歌山城

岡口門は国の重要文化財、和歌山城全体は国の史跡に指定されています。

岡口門

和歌山城は和歌山駅から徒歩30分程度(約2km)の場所にあります。徒歩では少し遠いので、バスかタクシーでの移動がお勧めです。また、天守は小高い山(虎伏山:標高48.9m)の上に建つため、和歌山城の見学は少し疲れました。暑い真夏だとかなり大変な見学になると思います。

 

2:長保寺

和歌山城の後に、海南市にある長保寺(ちょうほうじ)へJRとタクシーで向かいました。長保寺の最寄り駅は下津駅ですが、タクシーを電話で呼べる加茂郷駅から行きました。下津駅からは徒歩30分以上かかるそうです。

長保寺

長保寺は、一条天皇の勅願により1000年に円仁(慈覚大師)の弟子の性空によって創建されました。紀州徳川家の菩提寺であり、後に徳川将軍となった5代藩主徳川吉宗と13代藩主徳川慶福(家茂)以外の歴代藩主の墓があります。歴代藩主の墓地としては日本最大の規模です。

長保寺には3棟の国宝建造物(本堂・多宝塔・大門)があります。本堂・塔・大門と3つの主要建造物が国宝である寺は、奈良県の法隆寺(世界遺産、国宝)と長保寺だけです。本堂は1311年、多宝塔は1357年、大門は1388年に建てられました。中世の仏教建築が3つもまとまって残されていることは珍しく、とても貴重な寺です。

長保寺

長保寺には3棟の国宝建造物があるにもかかわらず、観光客がいませんでした。タクシーの運転手に聞くと外国人観光客はほとんど見かけないとのことでした。私は静かな境内で国宝建造物を独り占めにするという贅沢を味わえました。交通は不便ですが、行く価値がある寺です。

 

3:井出商店

長保寺から和歌山駅に戻り、井出商店で昼食を食べました。井出商店は1998年にテレビのラーメン番組で優勝し、和歌山ラーメンを全国に知らしめた有名ラーメン店です。私の訪問が平日だったからか店には行列がなく、すんなり店に入れました。それでもほぼ満席状態でした。

井出商店

井出商店のラーメンスープは比較的あっさりした味の豚骨醤油スープです。ストレート麺とスープがよく絡み、美味しいラーメンでした。

井出商店

和歌山のラーメン屋では、「早すし」という小ぶりな鯖の押し寿司をラーメンが出来上がるのを待つ間に食べる習慣があります。私も井出商店で「早すし」を注文してみましたが、すぐにラーメンが出来上がったので、「早すし」とラーメンを同時に食べました。井出商店のラーメンは注文後、3分ほどで出てきましたが、どうしてこんなにラーメンを早く作ることができるのか謎でした。

井出商店

井出商店

 

4:和歌山電鐵

昼食後、和歌山電鐵に乗車しました。和歌山電鐵への乗車目的は猫の「たま駅長」に会うためです。

伊太祁曽神社

始発の和歌山駅から終点の貴志(きし)駅まで往復820円ですが、1日乗車券(800円)を買うほうがお得です。ただし1日乗車券を買えるのは、和歌山駅周辺では和歌山バスのJR和歌山駅定期券発売所かJR和歌山駅9番線ホームにある窓口だけであり、非常に分かりにくいです。

和歌山電鐵

和歌山電鐵

1916年に沿線の3つの神社(日前宮、竈山神社、伊太祁曽神社)などへの参詣(いわゆる三社参り)のための鉄道として開業しました。和歌山電鐵は14.3kmと短い営業路線の会社です。

和歌山電鐵は岡山電気軌道の100%子会社です。岡山電気軌道は2006年より南海電気鉄道から貴志川線を引き継ぎ、和歌山電鐵を設立しました。和歌山県から遠い岡山県の鉄道会社が経営するという非常に珍しい地方鉄道の形態です。和歌山電鐵の経営状態は多くの地方鉄道会社同様に赤字(2019年度)です。鉄道事業の売上高は全社売上の83%になります。

和歌山電鐵

初代「たま駅長」は2007年に和歌山電鐵から正式に「駅長」という肩書を与えられました。「たま駅長」は日本のみならず世界的にも有名となり、和歌山電鐵の乗客数増加だけでなく、和歌山県全体の観光誘致への貢献も評価されました。

和歌山電鐵

Wikipediaによると和歌山電鐵へ移行前の2005年度の旅客運賃収入2.87億円から初代「たま駅長」就任の2007年度には3.23億円(2005年度比12.5%増)、2019年度には3.32億円へ増加(同15.7%増)しました。

貴志駅の「たま駅長」は2代目で、ウルトラ駅長「ニタマ」と呼ばれています。疲れているのか高齢だからか分かりませんが、私が貴志駅に居た時はほとんどずっと寝ていました。なお、伊太祈曽駅にはスーパー駅長「よんたま」という猫もいますが、私が訪問した日は「よんたま」の休日でした。「ニタマ」は水曜日、木曜日が休日、「よんたま」は月曜日、金曜日が休日です。なお、勤務予定は急きょ変更される場合があります。

ニタマ

2010年には貴志駅の駅舎も猫型に改築され、「たま電車」や「たまカフェ」、「たまショップ」も作られました。貴志駅のホームには初代「たま駅長」を祀る「たま神社」もあります。「たまカフェ」で販売されているのは猫をモチーフにした飲料などです。

貴志駅

貴志駅

なお、「たま電車」や「うめ星電車」などは日本を代表する工業デザイナーである水戸岡鋭治氏のデザインです。水戸岡氏は和歌山電鐵の親会社である岡山電気軌道の親会社、両備グループのデザイン顧問です。水戸岡氏はJR九州の「ななつ星in九州」や「ゆふいんの森II」などのデザインで有名です。水戸岡氏がデザインした列車が私は大好きです。

和歌山電鐵

和歌山電鐵

なお、イギリスの人気テレビアニメ「チャギントン」がラッピングされた列車は、親会社の岡山電気軌道が2019年3月から運行を開始した「おかでんチャギントンリアル電車・ウィルソン/ブルースター号」のPRのために作られました。

和歌山電鐵

和歌山電鐵

和歌山電鐵は猫の「たま駅長」だけでなく、水戸岡氏がデザインした車両などもとても斬新で興味深い地方鉄道会社でした。平日だったからか、乗客は少なかったですが、もっと多くの観光客が和歌山電鐵に乗車してほしいと思いました。和歌山電鐵のためだけでも和歌山市に行く価値はあります。

 

5:伊太祁曽神社

和歌山電鐵沿線にある伊太祁曽神社(いたきそじんじゃ)はスーパー駅長「よんたま」が勤務する伊太祁曽駅から徒歩5分ほどの場所にあります。

伊太祁曽神社

伊太祁曽神社は702年の「続日本紀」に記載された歴史のある神社です。伊太祁曽神社の御祭神は五十猛命(いたけるのみこと)です。五十猛命は「日本書紀」に日本に樹木を植えて、緑豊かな国土を形成した神様と記されています。五十猛命が和歌山を良い場所として住むことに決めたことから、木の神様が棲む国を意味する「木の国」が由来となり、和歌山県一帯は紀伊国と呼ばれてきました。このように、伊太祁曽神社はとても格式が高い神社で、紀伊国一宮です。

伊太祁曽神社

伊太祁曽神社の拝所は不思議な雰囲気があり、神域であることを実感させられる神社でした。今まで私が参拝した神社の中でも参拝してよかったと思えた神社の一つでした。

伊太祁曽神社

6:日前宮

和歌山電鐵沿線にある日前宮(にちぜんぐう)は日前神宮(ひのくまじんぐう)・國懸神宮(くにかかすじんぐう)の両神宮の総称です。日前宮も伊太祁曽神社同様に、紀伊国一宮です。入口から向かって左に日前神宮、右に國懸神宮があります。

日前宮

日前神宮の主祭神は日前大神 (ひのくまのおおかみ)、國懸神宮の主祭神は國懸大神(くにかかすのおおかみ)です。それぞれの御神体である日像鏡(ひがたのかがみ)と日矛鏡(ひぼこのかがみ)は、伊勢神宮内宮の御神体である八咫鏡(やたのかがみ)と同等のものとされています。日像鏡と日矛鏡は八咫鏡に先立って鋳造された鏡と言われています。

日前宮は日本で最も歴史の長い神社の一つで、神話と強い関わりがあります。日前宮のHPによると創建は2600年以上前だそうです。神武天皇から初代の紀伊国造に任命された天道根命(あまのみちねのみこと)が日像鏡・日矛鏡を賜り、紀伊國に奉祀したのが日前宮の起源とされています。神武天皇は畝傍橿原宮(うねびかしはらのみや)にて即位して日本国を建国したといわれる初代天皇です。

日前宮

天道根命の末裔は紀氏(きいし)です。紀氏は日前宮の宮司として長い歴史があります。司馬遼太郎の「街道をゆく」によると、紀氏は天皇家と出雲大社の宮司である千家(せんげ)とともに日本でもっとも古い家系であるようです。

日前宮の神域は写真撮影が禁止です。伊太祁曽神社以上に、日前宮の神域は神秘的な不思議な雰囲気がある場所でした。司馬遼太郎も和歌山に来るたびに立ち寄る好きな場所だと「街道をゆく」に書いていました。日前宮は素晴らしい神社で、もっと多くの参拝客が訪問してもいいと思います。

日前宮

7:夕食

日前宮への参拝後、和歌山駅に戻り、和歌山駅周辺で夕食を食べました。最初に入ったのが和歌山駅近くの酒屋直営の居酒屋「多田屋」です。「多田屋」は1927年創業の老舗居酒屋です。

多田屋

和歌山には昔から捕鯨文化があります。和歌山県太地町は日本における捕鯨発祥の地だと言われています。「多田屋」でもクジラ肉を提供しており、私は赤身の刺身とハツユッケを頂きました。どちらも全く臭みがない美味しいクジラ肉でした。

クジラ肉

クジラ肉

「多田屋」は、ジビエと称される鹿肉と猪肉の料理も提供しています。私は鹿の串焼きを頂きました。これも全く臭みがない美味しい鹿肉でした。クジラ肉とジビエを両方いただける素晴らしい居酒屋でした。今回、私は注文しませんでしたが、馬刺しなどもありました。

多田屋

他に注文した料理も全てが美味しくリーズナブルで、下町っぽい雰囲気も味わえる最高の居酒屋でした。食事もお酒も選ぶのが難しいくらいメニュー数が多く、朝9時からお酒を提供しているという、酒好きには有難い居酒屋です。和歌山に行く際には「多田屋」にまた寄りたいと思います。

多田屋

多田屋

多田屋

「多田屋」を出た後に、和歌山駅の駅ビルである「和歌山ミオ」の地下にある「丸美商店」で和歌山ラーメンを頂きました。スープは豚骨醤油スープです。昼に食べた井出商店のラーメンに比べると豚骨の臭みが少なく上品な味わいで、熱々のスープで美味しいラーメンでした。毎週のように食べるなら、井出商店より丸美商店のラーメンのほうが食べやすいと思います。なお、井出商店も丸美商店もメニューには和歌山ラーメンやラーメンではなく、「中華そば」と掲載されていました。

丸美商店

和歌山県は見どころが多く、美味しい食べ物も多くあり、充実した旅となりました。

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