旅行中に最もCO2排出量が多いのは何をしているときか知っていますか
外国人旅行者の皆さんは日本への旅行中に最もCO2排出量が多いのは何をしているときなのか、ご存じでしょうか?それは飛行機移動です。飛行機が多くのCO2を排出していることに驚きはないでしょう。しかし、荷物(20kgの場合)の排出量は日本滞在中(1週間滞在する場合)の4倍にもなることは見逃されているのではないでしょうか。
例えば、旅行客1名がエコノミークラスで日本(成田空港)を往復するとニューヨークでは942kg、シンガポールでは594kg、台北では147kgのCO2排出量となります。3都市平均では612kgとなります。一方、成田空港と各都市の荷物(20kgの場合)によるCO2排出量(往復)はNYが244kg、シンガポールが114kg、台北が55kgと旅行者による排出量の18-26%となります(旅行客、荷物のCO2排出量の出所はICAO「CARBON EMISSIONS CALCULATOR」)。また、荷物によるCO2排出量は3都市平均では138kgとなります。
出所:ICAO「CARBON EMISSIONS CALCULATOR」、国立環境研究所「日本の温室効果ガス排出量データ」
一方、日本滞在のCO2排出量は7日間でも34kgだけです。この34kgは国立環境研究所「日本の温室効果ガス排出量データ」の日本人平均の家庭における1日当たりCO2 排出量4.9kgから計算しました。先ほどの3都市平均の荷物による排出量138kgは7日間滞在の34kgに対して4倍となります。
4.9kgの内訳は家電など動力他が1.6kg、自家用乗用車が1.2kg、暖房0.8kg、給湯0.7kgなどです。
出所:国立環境研究所「日本の温室効果ガス排出量データ」
日本国内の移動では鉄道であれば、あまりCO2を排出しません。仮に、東京駅から北海道の札幌駅まで(往復2,342km)を鉄道で移動してもその排出量は40kgだけです。しかし、同じ距離を自動車で移動すると304kgとなります(国土交通省)。
こうしたデータから分かることは旅行におけるCO2排出量削減は日本滞在中の努力よりも飛行機のCO2排出量を削減する方が圧倒的に効果です。日本への旅行では旅行者は飛行機に乗る必要がありますが、荷物については日本で必要なものをレンタルすれば削減可能です。次の日本旅行は身軽に旅行し、CO2排出量を圧倒的に削減しませんか。