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外国人が居酒屋へ行くときの基礎知識①

外国人が居酒屋へ行くときの基礎知識①

 

目次

1、居酒屋は日本の食文化

2、日本語しかメニューがない場合

3、「お通し」、「付け出し」問題

4、値段が書いてない場合の対処法

5、魚介類に合う日本酒

 

1、居酒屋は日本の食文化

外国人が日本へ観光旅行に来る場合、私は「居酒屋」に行くことを推奨したいです。居酒屋では様々な食べ物を食べることができ、価格も手ごろな店が多いからです。もちろん、お酒も様々な種類があります。私も居酒屋は大好きで日本中の多くの居酒屋に行ったことがあります。

居酒屋

居酒屋は欧米のPubやTapas bar、Tavernなどと近い飲食業態と考えられます。しかし、お酒が中心となる上記欧米の飲食業態と比較して、食事メニューが豊富な居酒屋は日本独特であると言っていいでしょう。Karaokeと同じように、Izakayaと言えば英語でも通じることを考えれば、日本文化の一つと考えてもいいでしょう。つまり、日本の食文化を学んだり経験するためには居酒屋は最適と言えるかと思います。実際、日本の観光庁も外国人観光客に居酒屋に行くことを推奨しています。

居酒屋

居酒屋は江戸時代(1603年~1868年)から始まったと言われています。最初は酒屋が酒だけ出していたところ、酒の肴(ツマミ)も提供し始めたことが居酒屋の始まりの様です。つまり、当初はPubやTapas bar、Tavernのように、酒の提供がメインであったのが、提供する食事の種類が増えたのが現在の居酒屋であるといえるでしょう。

ただし、外国人が居酒屋に行くにはいくつかの注意点があります。その注意点について私が考える対処法を述べたいと思います。

居酒屋

 

2、日本語しかメニューがない場合

日本語が読めない外国人にとって最大の問題は日本語しかメニューがない居酒屋に入った場合にどう注文をするか、という点でしょう。居酒屋に限った話ではないですが、日本には外国語メニューを置いていない飲食店が圧倒的に多いです。

居酒屋

例えば、日本最大級のグルメサイトの食べログで調べると日本全国の食べログ登録飲食店810,823店のうち、「英語メニューあり」の店は2.1%(17,046店)のみでした。居酒屋に限定すれば、日本全国で4.9%(121,408店中5,936店)と少し割合が上がります。東京の居酒屋で調べても「英語メニューあり」の店は10.2%(26,024店中2,663店)しかありません。これらのデータから分かるように、大半の店は日本語メニューしか置いてありません。これでは、日本語を読めない外国人は注文ができません。

では、居酒屋で日本語メニューしかない場合、日本語が読めない外国人はどうすればいいでしょうか。

解決方法1

まず、一番多くの人が実践していることは写真付きメニューを指さして注文する若しくは店員に聞くということでしょう。メニューに写真がある場合は注文したい食べ物を注文できるため、それほど困らないと思います。しかし、居酒屋では仕入れによって日替わりのお勧めメニューを紙や壁に書いている店もあり、その場合は写真無しの場合がほとんどです。

なお、写真付きメニューを置いている居酒屋はチェーン店が多いです。理由は後述しますが、私個人の好みではできればチェーン店よりも個人経営店に行っていただきたいです。

居酒屋

メニューに写真がない場合、外国語を話せる店員がいれば、注文に支障はなくなるでしょう。ただし、外国語を話せる店員がいない場合は意志の疎通ができず、注文をできない場合が多いと思います。

従って、「解決方法1」は結局、居酒屋によるということになります。写真メニューがある場合や外国語を話せる店員がいなければ解決策にはなりません。

解決方法2

私がお勧めしたいのは解決方法2です。それは居酒屋での注文パターンを覚えておくというものです。日本人が居酒屋で食べ物を注文する場合、多くの人が「盛り合わせ」「今日のお勧め」という言葉を使います。例えば、「刺身盛り合わせ」(関西では「お造り盛り合わせ」)や「刺身の今日のお勧め」(関西では「お造りの今日のお勧め」)という言葉です。他にも、「焼き鳥の盛り合わせ」、「おでんの盛り合わせ」、「今日一番のお勧め」などという言葉で注文することは極めて普通の注文の仕方です。

刺身盛り合わせ

焼き鳥の盛り合わせ

おでんの盛り合わせ

「盛り合わせ」は店が決めたいくつかの種類の食べ物を一つの皿で出すというものです。メニューになくても、「盛り合わせ」と言えば、盛り合わせて出してくれる店が多いです。「盛り合わせ」で注文できる食べ物は前述のように、「刺身盛り合わせ」、「焼き鳥の盛り合わせ」、「おでんの盛り合わせ」以外にも「前菜盛り合わせ」、「串揚げ盛り合わせ」、「もつ焼き盛り合わせ」、「焼き物盛り合わせ」、「天ぷら盛り合わせ」、「揚げ物の盛り合わせ」、「ウィンナー盛り合わせ」、「チーズ盛り合わせ」、「漬物盛り合わせ」などがあります。「今日のお勧めの盛り合わせ」という方法で注文できる場合もあります。

焼き鳥の盛り合わせ

天ぷら

ただし、「盛り合わせ」や「今日のお勧め」という形で注文する場合、自分が食べられない食べ物は必ず事前に店に伝えておく必要があります。日本語が話せない場合は紙に書いて渡すと良いでしょう。逆に、好きな食べ物がある場合は先に伝えると「盛り合わせ」に入れてくれる可能性があります。あなたの好きな食べ物の値段が高い場合は「盛り合わせ」には入らず、単品で注文する必要があります。例えば、雲丹や鮑など高価な魚介類が「刺身の盛り合わせ」に入ることはめったにありません。

似たような注文方法で「おまかせ」という言葉があります。食べ物を店に全ておまかせするということです。ただし、「おまかせ」という注文方法は寿司屋で多いものの、居酒屋ではあまりみられません。居酒屋のメニューが魚介類、肉類、野菜類など多岐にわたり、店に全て「おまかせ」するにはメニュー数が多すぎるのでしょう。

大衆割烹 ひかり

また、「盛り合わせ」や「今日のお勧め」を注文する方法以外にも、「コース料理」を注文するという方法もあります。居酒屋でもチェーン店では多くの店で3,000円コースや4,000円コースなど食べ物のコースがあります。また、飲み放題のコースもあります。ただし、日本語が読めないとコース料理の内容は分かりません。また、1-3名など少人数ではコース料理を注文できない場合や、事前予約が必要な場合もあります。

私はあまりチェーン居酒屋が好きではないので、居酒屋で「コース料理」をほとんど注文したことがありません。個人経営の居酒屋では宴会を除けば「コース料理」はあまりないためです私はあまりチェーン居酒屋が好きではない理由は後述します。

メリット

「盛り合わせ」や「今日のお勧め」という形で注文するメリットは日本語メニューが読めなくても最低限の日本語を覚えておけば、居酒屋で食べ物を注文できるという点です。最低限の日本語の日本語とは「盛り合わせ」の前に付ける「刺身」、「焼き鳥」、「おでん」、「前菜」、「串揚げ」、「もつ焼き」、「焼き物」、「天ぷら」、「揚げ物」、「ウィンナー」、「チーズ」、「漬物」などの言葉です。

また、「盛り合わせ」の場合、いろんな種類の食べ物を少量ずつ食べることができることもいい点です。例えば、2人で「刺身盛り合わせ」を注文すると1,000円~3,000円程度で3-6種類の魚介類の刺身を食べられます。一方、単品ですと1種類の刺身が5-10切れで1,000円~2,000円程度の値段となる場合もあります。あまり好き嫌いがないなら、「盛り合わせ」のほうがお得になる場合が多いと思います。

刺し盛

また、先述したように、この方法は日本人が居酒屋で食べ物を注文する方法と同じです。日本人は多くの人が「盛り合わせ」「今日のお勧め」という言葉を使って注文します。従って、居酒屋の中で違和感なく受け入れられます。日本語が話せなくても、「盛り合わせ」「今日のお勧め」という日本語を使って注文すれば、居酒屋の店員や日本人の客も好意を持ってあなたを受け入れてくれるはずです。

デメリット

「盛り合わせ」や「今日のお勧め」という注文方法の問題点は何が出てくるか分からないということとメニューが読めないことにより値段が分からないということです。

「刺身盛り合わせ」では魚介類が出てくるのが間違いないです。しかし、「焼き物盛り合わせ」、「天ぷら盛り合わせ」、「揚げ物の盛り合わせ」などは焼き物、天ぷら、揚げ物がどういう種類の肉類か魚介類か野菜類か分かりません。肉類、魚介類、野菜類の全てが入っている場合もあります。ただし、日本人でも「盛り合わせ」で注文すると同じようにどんな食べ物が入っているか分かりません。ですから、何が出てくるか楽しみにして食事を待つほうが賢明だと思います。

多ら福 亜紗

私は居酒屋に行く人々にいろんな食べ物に挑戦していただきたいのですが、嫌いな食べ物がある場合は先述のように必ず事前に店員に伝えておきましょう

メニューが読めずに注文するということは値段が分からず注文するということです。もちろん、店員に聞けば教えてくれるのですが、店員が外国語を話せなければ結局、値段は分かりません。その場合、日本語が読めなくてもメニューに書かれた値段の部分(数字の部分)は読める場合が多いと思いますので、だいたいの価格水準をイメージして注文するしかないです。残念ながら、日本語メニューが読めないとやはり不便です。

しかし、日本自体の物価が極めて安いことと、居酒屋のメニューに高額なものは少ないことから、適当に注文してもびっくりするような高額な料金を請求されることはほとんどありません。ただし、後述するように、極めて稀ですが、高額な料金を請求されることがありますので注意が必要です。

解決方法3

解決策3は他の客に聞くことです。若しくは、他の客が食べている料理を指さして注文するということです。

居酒屋にいる他の客も外国語が話せないかもしれません。しかし、外国語を話せなくても親切に教えてくれる客もいます。もちろん、親切でない人や恥ずかしがり屋は教えてくれないかもしれません。当然、これは相手(客)次第です。

他の客に質問することで、お互いに話が盛り上がるかもしれません。私は外国旅行の醍醐味は現地の人とのコミュニケーションだと思っています。日本語メニューが読めないことが他の客との話をするきっかけだと思って積極的に話しかけて頂きたいです。

他の客が食べている料理を指さして注文することは、写真付きメニューと同じように食べ物の見た目が分かるので、注文しやすいと思います。ただし、自分が食べている時に、他の客にじろじろと見られるのはいい気分ではない人が多いです。あまり露骨に他の客や他の客が頼んだ食べ物を見るのはマナー違反なので注意が必要です。

私は解決策3だけでなく、解決策2を組み合わせて頂きたいです。まずは、「盛り合わせ」や「今日のお勧め」を2-3種類頼み、単品は他の客に聞いてみて注文するのが日本語メニューを読めない場合に一番いい注文方法ではないでしょうか。

解決方法 番外編

Googleレンズを使って、日本語メニューを読み取るという方法もあります。私も外国旅行中に外国語メニューで何度か試したことがあるのですが、使わないよりはマシという程度の翻訳しかできないと思っています。また、日本で日本語のメニューをGoogleレンズを使って外国語に翻訳してみましたが、外国で使用したのと同様、使わないよりはマシという程度でした。居酒屋のメニューは料理に居酒屋独自の名前を付けたメニューが多く、毛筆で書かれておりGoogleレンズが読み取れない文字もあります。従って、自動翻訳機が十分理解できないのだと思います。Googleレンズはメニューをなんとなく把握できるという程度の使い方で十分かと思います。

筆文字メニュー

 

 

 

 

 

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