蒸気機関車時代の旅行スタイルから脱却しよう
目次
1:現在の旅行鞄は1854年にルイ・ヴィトンにより誕生
2:旅行鞄は過去170年間でほとんど進化していない
3:飛行機時代の旅行スタイルへシフトしよう
1:現在の旅行鞄は1854年にルイ・ヴィトンにより誕生
現在の旅行鞄(トランク・スーツケース)は約170年前(1854年)にルイ・ヴィトンが蒸気船や蒸気機関車向けに販売開始したのが始まりです。ルイ・ヴィトン社は世界初となる旅行鞄の専門店として設立されました。
当時、馬車では雨が降ると荷物は雨ざらしになる為、水が滑り落ちるように蓋の丸いドーム型トランクが一般的でした。
しかし、鉄道時代には貨車の中で運搬されるため、トランクは雨に濡れなくなりました。そこでルイ・ヴィトンは、安定して積載でき運搬輸送効率を高めた平らなトランクを作るようになりました。また、ルイ・ヴィトン社のトランクは当時主流だった革素材を軽量なキャンバス地に変え、大人気となり、人々が旅行しやすくなりました。
このように、現在の旅行鞄(トランク・スーツケース)は蒸気機関車向けにルイ・ヴィトンが開発したものだったのです。蒸気機関車時代は主に超富裕層が旅行しており、ポーターが旅行鞄を運んでいました。
2:旅行鞄は過去170年間でほとんど進化していない
その後、蒸気機関車が電車に移行しました。最初に乗客を乗せた電車は1883年にベルリンにおいて開業しました。さらに、飛行機による旅行が始まりました。1919年に乗客を乗せた飛行機が初めてドイツで飛行した記録があります。ジェットエンジンの開発により、1960年代には飛行機による旅行が一般化しました。なお、ジャンボの愛称で代表的な大型旅客機であったボーイング747の初飛行は1969年です。従って、飛行機による旅行が一般化して50年以上経過したと言えるでしょう。
しかし、蒸気機関車時代にルイ・ヴィトンが開発した旅行鞄(トランク・スーツケース)を旅行者が持って移動する旅行スタイルは維持されたままです。旅行鞄(トランク・スーツケース)の進歩といえば、車輪がつき、旅行者自身で荷物の運搬がしやすくなったことくらいでしょうか。
3:飛行機時代の旅行スタイルへシフトしよう
蒸気機関車から電車、飛行機へと旅の移動手段が進化しているのに対し、旅行鞄(トランク・スーツケース)の進化が止まっていることは、気候変動問題やトラベル・ディバイドなど大きな問題を生み出しています。なお、トラベル・ディバイドとはデジタル・ディバイドをヒントにした私の造語です。重い荷物や旅行情報格差が負担となり、旅行自体をあきらめてしまう高齢者、障害者、子連れファミリーなどの存在をトラベル・ディバイドと私は定義しています。
同じ重量の荷物を運搬する際に、鉄道(電車)と飛行機の二酸化炭素排出量には27倍もの差(鉄道の22gCO2/t-kmに対し、飛行機は602gCO2/t-km)があり、気候変動問題に対する影響は甚大です。
そろそろ19世紀半ばに開発された「旅行鞄を運ぶという旅行スタイル」から、現地で必要なものをレンタルし、「旅行鞄を運ばない旅行スタイル」にシフトしませんか。そうすれば気候変動問題に多大な貢献ができ、トラベル・ディバイドの解決にも結び付きます。
なお、日本と海外の飛行機往復の際に20kgの荷物を搭載しなければ、一人当たりの二酸化炭素排出量11日分、生活分野における二酸化炭素排出量179日分を削減できる計算となります。これは186本の植林による年間の二酸化炭素削減効果に相当します。詳細は当社のBLOG「荷物を削減し、サステナブル・トラベルを実現」、「CO2排出量の削減効果(旅行時の荷物削減効果は絶大)」をご覧ください。
お知らせ
当社では、飛行機への搭載荷物を削減し、皆さんが地方を旅しやすくする「手ぶら旅行」のために、来春から旅行レンタルサービスを開始予定です。レンタルサービス開始まで、先着10名限定で旅程作成を無料で提供する予定です。
私は国内外をほぼ2か月に1回のペースで累計200回以上旅行し、旅程を何度も作ってきました。また、当社では日本の観光地2万件以上をデータベース化済です。旅行者の好みに応じて旅程を作成しますので、希望者は「ご登録・お問い合わせ」からご連絡ください。