4月に旬を迎える魚介類
4月に旬を迎える魚介類を日本全体とトップにランクされる都道府県に分けてご紹介します。なお、旬は天候変動による水揚げ状況により、地域によっても、年によっても異なる可能性があるため、あくまでも参考データとして考えてください。
目次
1、4月に旬を迎える魚介類(日本全体)
4月に旬を迎える魚介類は調査した87種類の中で25種類と一年間で3番目に少なくなります。順不同で25種類の魚介類を列挙しますと以下の様になります。
魚類
真鰺、いかなご、鰹(かつお)、鰈(かれい)、さより、鰆(さわら)、白魚、しらす、鯛、まぐろ、鱒、めばる
貝類
青柳(あおやぎ)、あさり、牡蠣、トリ貝
その他魚介類
アオリイカ、甲イカ、かずのこ、毛蟹、ひじき、ホタルイカ、真蛸、もずく、わかめ
4月に旬を迎える魚介類の種類・漁獲量が多い都道府県は1位が兵庫県(9種類の魚介類)、2位が北海道(7種類)、3位が宮城県、福岡県、長崎県(5種類)となります。
2、1位兵庫県(9種類の魚介類)
4月に旬を迎える魚介類の種類・漁獲量が多い都道府県は1位が兵庫県(9種類の魚介類)でした。兵庫県は初めての1位となりました。兵庫県にとって、年間でも4月は1位を獲得した唯一の月です。
兵庫県では、以下の9種類が4月に旬を迎える魚介類となります。
魚類
いかなご、鰈(かれい)、しらす、鯛
貝類
牡蠣
その他魚介類
甲イカ、ホタルイカ、真蛸、わかめ
「PRIDE FISH」
全国漁業協同組合連合会は、兵庫県の冬の「PRIDE FISH」に「兵庫のり」(旬:12月~5月)を選んでいます。また、兵庫県の春の「PRIDE FISH」に「瀬戸内海のイカナゴ」(旬:2月~4月)、「兵庫のハタハタ」(旬:2月~4月)、「浜坂産ホタルイカ」(旬:3月~5月)が選ばれています。全て、以前紹介しましたので、今回は説明を割愛します。
3、2位北海道(7種類)
4月に旬を迎える魚介類の種類・漁獲量が多い都道府県は2位が北海道(7種類の魚介類)でした。
北海道では、以下の7種類が4月に旬を迎える魚介類となります。
魚類
いかなご、鰈(かれい)、白魚、鱒
貝類
青柳(あおやぎ)、あさり
その他魚介類
真蛸
「PRIDE FISH」
全国漁業協同組合連合会は、北海道の春の「PRIDE FISH」に「石狩湾のニシン」(旬:1月~5月)、「日高の真つぶ」(旬:4月~7月)、「北海道の時鮭」(旬:4月~7月)を、冬の「PRIDE FISH」に「函館のごっこ(ホテイウオ)」(旬:12月~4月)を選んでいます。
「日高の真つぶ」(旬:4月~7月)
真つぶの正式和名は「蝦夷法螺(えぞぼら)」です。蝦夷(北海道)で獲れる法螺貝(巻貝)ということです。真つぶは甘みがあり歯ごたえも良いため刺身や炉端焼きなどに適しています。真つぶは刺身や寿司ネタとして私も大好きな貝です。
「北海道の時鮭」(旬:4月~7月)
鮭は通常、秋に獲れますが、春から初夏にかけて若い鮭が漁獲されることがあります。「時を知らずに戻ってきた鮭ということで、時鮭(トキシラズ)」と呼びます。秋鮭と違い、まだ若いため、卵や白子を抱えていません。その分、身に栄養がゆきわたり脂が乗っています。
4、3位宮城県(5種類)
4月に旬を迎える魚介類の種類・漁獲量が多い都道府県は3位宮城県(5種類の魚介類)でした。なお、福岡県と長崎県も3位です。
宮城県では、以下の5種類が4月に旬を迎える魚介類となります。
魚類
鰹(かつお)、まぐろ
貝類
牡蠣
その他魚介類
真蛸、わかめ
「PRIDE FISH」
全国漁業協同組合連合会は、宮城県の春の「PRIDE FISH」に「みやぎサーモン」(旬:4月~7月)、「みやぎのワカメ」(旬:3月~4月)を選んでいます。
「みやぎサーモン」(旬:4月~7月)
宮城の銀ざけはシェア85%以上と圧倒的な生産量日本一です。宮城県にはリアス式海岸があり、魚類の養殖に適した湾が多くあります。宮城の銀ざけは主に南三陸町、女川町、石巻市で育てられています。
「みやぎのワカメ」(旬:3月~4月)
宮城県の太平洋沖合には親潮と黒潮が交わるポイントがあり、世界三大漁場のひとつとして数えられます。その豊かな栄養分がリアス式海岸で深く入り込んだ湾に運ばれるとともに、山や川からも栄養分が運ばれます。この豊かな自然により育つワカメは、肉厚でやわらかく、かつ弾力があります。宮城県のワカメ生産量は日本一(2020年)です。
5、3位福岡県(5種類)
4月に旬を迎える魚介類の種類・漁獲量が多い都道府県は3位が福岡県(5種類の魚介類)でした。なお、宮城県、長崎県も3位です。
福岡県では、以下の5種類が4月に旬を迎える魚介類となります。
魚類
鰆(さわら)、鯛
貝類
あさり
その他魚介類
甲イカ、真蛸
「PRIDE FISH」
全国漁業協同組合連合会は福岡県の春の「PRIDE FISH」に、「筑前海の天然マダイ」(旬:4月~7月)と「メンボ (ウマヅラハギ)」(旬:4月~6月)を選んでいます。
「筑前海の天然マダイ」(旬:4月~7月)
福岡県は天然真鯛の漁獲量1位(2020年)です。なお、2位は長崎県、3位は兵庫県です。筑前海には真鯛のエサになるエビやカニ、小魚が豊富なため、真鯛が育つ環境に適した海域となっています。豊富なエサにより、脂が乗った美味しい真鯛が獲れます。
「メンボ (ウマヅラハギ)」(旬:4月~6月)
メンボとは筑前海で漁獲される旬のウマヅラハギのことです。5月から6月にかけて産卵に向けて栄養を蓄えるので真子と肝が美味しくなります。肝を醤油に溶かし、刺身をつけて食べると最高の味わいです。
6、3位長崎県(5種類)
4月に旬を迎える魚介類の種類・漁獲量が多い都道府県は3位が長崎県(5種類の魚介類)でした。なお、宮城県、福岡県も3位です。
長崎県では、以下の5種類が4月に旬を迎える魚介類となります。
魚類
真鰺、鯛
貝類
あさり
その他魚介類
ひじき、わかめ
「PRIDE FISH」
全国漁業協同組合連合会は長崎県の春の「PRIDE FISH」に、「真あじ(ごんあじ・野母(のも)んあじ)」(旬:4月~6月)を選んでいます。
「真あじ(ごんあじ・野母んあじ)」(旬:4月~6月)
長崎県は真鰺の生産量シェアが49%と圧倒的に1位(2020年)です。2位は島根県(15%シェア)、3位は千葉県(4%シェア)でした。長崎の真あじを代表する2大ブランドに、「ごんあじ」と「野母んあじ」があります。
「ごんあじ」は五島灘で漁獲された250g以上の「瀬付アジ」のことです。「瀬付アジ」回遊性の沖アジと違い、瀬に居ついているためエサをたっぷり食べ、脂がのってふっくら肉厚なのが特徴です。漁獲後は生きたまま持ち帰り、7~10日間、無給餌にするため、脂が体全体に行きわたり、霜降りのような状態になって旨みが増します。
「野母んあじ」は「野母崎のアジ」を長崎の方言で表現したネーミングです。野母崎沖で一本釣りで漁獲されます。船上で釣り上げたアジを生簀に入れて活のまま持ち帰り、活魚流通センターの生簀に水揚げされます。体長26cm以上、重さ300g~500gのものを厳選して「野母んあじ」と命名しています。