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6月の日本旅程2日目(京都府、食事編)

6月の日本旅程2日目(京都府、食事編)

(6月9日 木曜日)

 

目次

1、おそば処 葵

2、接方来(せっぽうらい) 京都駅ビル店

 

1、おそば処 葵

京都での最初の昼食は京都駅の近鉄名店街みやこみちにある「おそば処 葵」で鱧そうめん(1,380円)を頂きました。蕎麦屋なのに、そうめんを選んだのは鱧の湯引き(鱧の落とし)がそうめんの上に載っているからです。

鱧そうめん

夏の京都といえば、鱧料理が有名です。農林水産省の「うちの郷土料理」にも「はもの焼き物」として選ばれています。「うちの郷土料理」では「はもの焼き物」が選ばれていますが、私は鱧料理としては湯引きが断然好きです。湯引きをした白い鱧と梅肉ソースの赤が抜群のコントラストで見た目もとてもいいと思います。白と赤の料理は鱧の湯引き以外ではあまりなく、そのため、他の料理に対して、鱧の湯引きを際立たせる理由になっています。私が食べた鱧そうめんもとても綺麗な色彩の料理で、味もとても美味しかったです。暑い京都の夏にはぴったりの涼しげな見た目の料理だと思います。

私は主に瀬戸内海で獲れる鱧が京都で鱧料理として有名であるのか私は長年不思議に思っていました。そこで鱧料理が京都の名物料理になっている理由を調べてみました。

7月に行われる祇園祭は鱧祭りと呼ばれています。鱧の旬は産卵を迎えた6月から7月です。 鱧の旬がちょうど祇園祭の開催時期に重なり、鱧料理で訪問客をもてなしたので、鱧祭りと呼ばれているようです。

また、都であった京都には魚を大阪府や兵庫県から運んでくる魚の行商がいました。鱧は生命力が強いため、魚が傷みやすい(腐りやすい)夏でも京都に運べる数少ない魚であったようです。また、鱧はウナギ目に属する魚であるため、ビタミンB12、ビタミンDが豊富で鰻同様に夏バテ防止になります。こうしたことから京都では夏に鱧を食べる習慣となったようです。

なお、京都以外で鱧をあまり食べない理由は「骨切り」が難しいということが理由の様です。鱧は小骨が多く硬いため、「骨切り」をしないと食べられません。この「骨切り」には熟練の技が必要になるため、鱧料理が盛んな京都以外には「骨切り」をできる調理師が少なく鱧料理は京都以外にあまり広がらないようです。

鰻は年々漁獲量が減少し、価格も高騰しています。鰻の価格高騰が続けば、「骨切り」を学ぶ調理師が増え、京都以外でも鰻の代わりに鱧を食べることになるかもしれません。

 

2、接方来(せっぽうらい) 京都駅ビル店

夕食は京都駅ビルの「接方来(せっぽうらい)」でいただきました。15時から17時までアルバイトの採用面接を行い、そのまま2人で一緒に「接方来」で食事をしました。2人だったので、多くの種類の料理を食べることができました。「接方来」とは「来る人拒まず」の意味だそうです。「接方来」は京野菜料理の店です。とても便利な場所にあるにもかかわらず、手ごろな料金と美味しい料理で大満足でした。

私が注文したのは「賀茂茄子と牛肉の醤油焼」、「万願寺焼浸し」、「京野菜と海老の湯葉巻」、「京湯葉春巻」、「京生麩の田楽」、「鱧おとし」、「蓮根と海老のかき揚げ」、「黒毛和牛冷しゃぶサラダ」、「すずきカルパッチョ」です。

「京の伝統野菜」は京都府農林水産部が(1)明治以前に導入されたもの、(2)京都府内全域が対象、(3)たけのこを含む、(4)キノコ、シダを除く、(5)栽培または保存されているもの及び絶滅した品種を含む、5点を定義しています。また、「京のブランド産品」を(1)イメージが京都らしい、(2)(1)以外のもので販売拡大を図る必要がある、(3)次の要件を備えている(出荷単位としての適正な量を確保、品質・規格を統一、他産地に対する優位性・独自性の要素がある)の3点を定義しています。

「京の伝統野菜」、「京のブランド産品」の2つとも満たすのは13種類です。具体的には、京みず菜、京壬生菜、九条ねぎ、京たけのこ、賀茂なす、伏見とうがらし、京山科なす、鹿ケ谷かぼちゃ、えびいも、堀川ごぼう、聖護院かぶ、聖護院だいこん、くわい、です。なお、万願寺とうがらしは「京のブランド産品」に含まれますが、「京の伝統野菜」には含まれません。ただし、花菜、鷹峯とうがらしとともに「京の伝統野菜に準じるもの」と扱いとなっています。

賀茂なすは農林水産省の「郷土料理百選」、「うちの郷土料理」にも「賀茂なすの田楽」として選ばれています。賀茂なすは最も有名な京野菜と言っていいでしょう。今回は田楽ではなく、「賀茂茄子と牛肉の醤油焼」として食べました。賀茂茄子を牛肉と一緒に食べるのは初めての経験でしたがとても美味しい料理でした。

賀茂茄子と牛肉の醤油焼

万願寺とうがらしは大正末期から昭和初期にかけて京都府舞鶴市万願寺地区にて伏見系のトウガラシとカリフォルニア系のトウガラシを交配して誕生したものと言われています。肉厚でボリュームがあり、とうがらしなのに辛みはないことが特徴です。「万願寺焼浸し」もとても美味しかったです。

万願寺焼浸し

「湯葉」と「生麩」は精進料理によく使われます。仏教寺院が多い京都の郷土料理として考えていいでしょう。「湯葉」は約1200年前の平安時代に最澄が唐から持ち帰ったといわれています。一方、「麩」も室町時代(1336年~1573年)初期に明から渡来した禅僧によって製法が伝来したとされます。いずれも最初から仏教関連の食材でした。

接方来

接方来

接方来

「鱧おとし」は鱧の湯引きのことです。湯引きの際に熱湯の中に鱧を「落とす」ので、「鱧おとし」という料理名となったようです。昼食時はそうめんと一緒に食べましたが、夕食でも注文してしまいました。

鱧おとし

今回注文した料理では「蓮根と海老のかき揚げ」、「黒毛和牛冷しゃぶサラダ」、「すずきカルパッチョ」は京都の料理ではありません。美味しそうだったので注文したのですが、3品ともとても美味しかったです。

接方来

接方来

接方来

 

 

(注:文中に掲載している交通機関の出発・到着時間や運賃、入場料、食事の料金などはBLOG執筆時のものです。今後変更する可能性がありますので、旅行に行く際にご自身でご確認ください。)

 

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