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11月の日本旅程(長崎・福岡旅行)のまとめ、注意点

11月の日本旅程(長崎・福岡旅行)のまとめ、注意点

 

11月15日から11月20日にかけて旅行した九州(長崎県・福岡県)では9月、10月の旅行同様に旬の魚介類や郷土料理を多く食べられ大満足の旅行となりました。皆さんに心からお勧めしたい11月の日本旅程です。また、世界遺産や国宝建築物など多くの素晴らしい観光地を訪問することができました。今回の旅行のまとめといくつかの注意点を報告します。

 

目次

1、今回の日本旅程で食べられた「郷土料理百選」と「御当地人気料理特選」

2、今回の日本旅程で食べられた旬の「PRIDE FISH」

3、今回の日本旅程の注意点(ローカル鉄道・バス・ホテル)

4、身軽な恰好での旅行

5、11月15日(月曜日)長崎県1日目

6、11月16日(火曜日)長崎県2日目

7、11月17日(水曜日)福岡県1日目

8、11月18日(木曜日)福岡県2日目

9、11月19日(金曜日)福岡県3日目

10、11月20日(土曜日)福岡県4日目

 

何度も確認しますが、9月、10月の旅程に続き今回の旅程も「旬の魚介類と郷土料理を食べ尽くす」という目的で作成したものです。食が最優先で、観光地の優先順位は2番目です。とはいえ、世界遺産、国宝、重要文化財など観光スポットをできるだけ多く回ることを目指しました。9月、10月はかなり慌ただしい旅程となりましたが、今回は2県のみの旅行でしたので、比較的ゆっくりとした日程で旅行することができました。やはり、一週間の日程では2県程度に滞在する旅行が最適かと思います。私の11月の旅程のように、余裕を持ってゆっくり旅行することをお勧めします。

 

1、今回の日本旅程で食べられた「郷土料理百選」と「御当地人気料理特選」

長崎県:佐世保バーガー

スペシャルバーガー

福岡県:がめ煮、辛子明太子

大衆割烹 ひかり

明太茶漬け

郷土料理百選」と「御当地人気料理特選」は農林水産省の選定です。

なお、私は長崎県を2021年3月にも訪問しています。その際に、郷土料理百選の「卓袱料理」と御当地人気料理特選の「ちゃんぽん」を食べましたので、念のため、3月訪問時の写真を添付します。

卓袱料理

卓袱料理

ちゃんぽん

 

2、今回の日本旅程で食べられた旬の「PRIDE FISH」

福岡県:一本槍(釣ヤリイカ/ケンサキイカ・ヤリイカ)、カナトフグ(シロサバフグ)

大衆割烹 ひかり

大衆割烹 ひかり

PRIDE FISH」は全国漁業協同組合連合会の選定です。一本槍
(釣ヤリイカ/ケンサキイカ・ヤリイカ)の旬は4~11月、カナトフグ
(シロサバフグ)の旬は8~12月となります。一本槍の旬は終わりに近かったので、長崎県と福岡県で一度ずつ食べたイカ姿造りはアオリイカでした。九州では11月下旬~4月中旬ごろが旬のアオリイカはねっとりとした甘みがあり、最高の美味しさでした。

いか姿造り

なお、長崎県の「PRIDE FISH」は年間で4種類の魚介類しか発表がなく、今回は食べられませんでした。長崎県は魚介類の種類も漁獲量も多いので、「PRIDE FISH」に絞り込むのが難しいのかもしれません。長崎県で食べた魚介類は全て最高の美味しさでした。

 

3、今回の日本旅程の注意点(ローカル鉄道・バス・ホテル)

毎回同じことを書いていますが、大事なことなので繰り返します。今回も旅行のルールとして、レンタサイクルを含む公共交通機関のみを利用する環境配慮型旅行としています。

こちらも再確認となりますが、公共交通機関を利用する旅行は自動車での旅行と比べるとCO2排出量は圧倒的に少なくなります。例えば、国土交通省のデータでは、1人が1km移動する際のCO2排出量は自動車の130gに対し、航空機は98g(自動車の75%)、バスは57g(同44%)、鉄道は17g(同13%)です。

今回もワンマン列車の乗降方法が分かりにくかったです。長崎県の松浦鉄道のワンマン列車は進行方向の後ろ側のドアから乗り、前側のドアから降ります。西田平駅には乗降の仕方についてポスターが貼っていましたが、日本語のみでした。運行本数本数が少ないので、乗り方が分からないとパニックになる旅行者もいると思います。鉄道事業者や観光協会は責任を持って外国語での案内をすべきです。

松浦鉄道

ワンマン列車の場合は常に1両目に乗るようにすれば安心です。日本の地方を旅行する際には電車の乗降ルールは絶対に覚えておきましょう。ただし、1両目の前方ドアから乗るのか後方ドアから乗るのかは鉄道事業者によって異なります。

今回、長崎県では路線バスの運行本数の少なさと観光スポットのバス停からの遠さに閉口しました。田平天主堂ではバス停からも松浦鉄道の駅からも片道徒歩20分程度でした。田平天主堂では観光客向け駐車場は広いスペースを確保しているのに、観光客向けトイレはありませんでした。また、佐世保観光の最大のハイライトである九十九島の展望台までのバスの運行本数が少なく、約70分(約6km)かけて歩く必要がありました。環境問題を真剣に考えるならば各地の観光局は自動車での観光だけではなく、公共交通機関での観光整備を進めるべきだと思います。

私もよく間違えますので、ホテルのカード式鍵と冷蔵庫についても注意点を述べたいと思います。まず、ホテルのカード式鍵ですが、このカードを差し込まないと部屋の電源が全て消えます。外出の際に電子機器を充電しようとしても、カードを抜いていれば充電されていません。この問題点を解消するには鍵以外のカードを差し込んで外出する必要があります。

ホテルカード

また、ホテルによっては節電のために冷蔵庫の電源がチェックイン時に消えていることがあります。電源を入れないと飲料などを冷蔵庫に入れても冷えませんのでご注意ください。

細かな注意点は旅行日にそれぞれ書きましたのでご覧ください。

 

4、身軽な恰好での旅行

こちらも毎回、繰り返しになりますが、今回の旅行でも自分の衣服や電源コードを宿泊先に事前に送り、毎日「手ぶら旅行」を楽しみました。やはり、散歩するような身軽な恰好で旅行するのはとてもラクです。鉄道や飛行機で到着後すぐに行動できるのは時間の有効活用に大切なことです。今回も旅行の最終日には、洗濯代行業者に旅行中に着た衣服を送り、洗濯もせずにすみました。皆さんにも「手ぶら旅行」の快適さを経験して欲しいです。

香椎駅から小倉駅に向かう特急電車「ソニック」の自由席はかなり混んでいて、空席はほとんどありませんでした。混雑の理由の一つとして大きな荷物が特急電車の上の棚に載せられず、隣の座席に置いている客が多かったことが挙げられます。下の写真のように上の棚が小さいのです。旅行者も電車に大きな荷物を持ち込むと他人に迷惑をかけることを自覚して欲しいと思います。

電車の棚

 

5、11月15日(月曜日)長崎県1日目

初日は長崎県の高島、崇福寺を中心に観光しました。

高島観光の目的は世界遺産である「明治日本の産業革命遺産」の見学です。

高島の世界遺産は日本で初めて蒸気機関を導入した近代竪坑である「北渓井坑跡」となります。

北渓井坑跡

高島観光の最大の魅力は端島(軍艦島)が綺麗に見えることです。端島炭坑は高島炭坑とともに、世界遺産の構成資産の一つです。端島は「軍艦島」と呼ばれ、多くの観光客が訪れます。軍艦島

高島では誰もいない中でゆっくり軍艦島を眺めることができました。軍艦島を独り占めしているようで贅沢な時間となりました。私は早めの時間に高島を離島したので見れませんでしたが、夕焼けを背景とする軍艦島もとても綺麗に見えるのではないか、と思いました。

私は前回も崇福寺に行ったのですが、その素晴らしさが忘れられず、今回の再訪となりました。崇福寺は1629年に長崎で貿易を行っていた福建省出身の華僑の人々が招いた唐僧超然が創建しました。中国様式の寺院としては日本最古のものです。現在は禅宗である黄檗宗(おうばくしゅう)の寺院です。

崇福寺

第一峰門と大雄宝殿は国宝となります。長崎県での国宝建造物は崇福寺の2件と大浦天主堂だけです。他に、崇福寺には国の重要文化財が5つ(うち、建造物は4つ)あります。

国宝の第一峰門は階段の上にある門です。門の軒下の構造物が複雑な組み方であるとともに、色彩もとても素晴らしいです。

第一峰門

第一峰門

大雄宝殿は国宝であり、お釈迦様を本尊とする仏殿です。長崎市で現存最古の建物となります。横に大きく広がる屋根が素晴らしいです。ご本尊のお釈迦様も実にいいお顔をされています。

大雄宝殿

大雄宝殿

国の重要文化財では三門(楼門)、護法堂(関帝堂又観音堂)、媽祖門、鐘鼓楼です。全て素晴らしい建築物です。

崇福寺三門

崇福寺護法堂

崇福寺媽祖門

崇福寺鐘鼓楼

食事

崇福寺を訪問後、「吉宗(よっそう)」で食事をしました。「吉宗」は1866年に創業者の吉田宗吉信武が吉宗を屋号として、茶碗蒸し、蒸寿し専門の店として開業しました。明治維新(1868年)の2年前の創業という歴史ある店となります。

現在の建物は1927年(昭和2年)に建てられた歴史ある建造物です。2012年に大規模改修され、建物の外観は風情を残しながらも内部は居心地の良い和空間となっています。

吉宗

吉宗

私が食べたのは「吉宗定食」(2,420円)です。吉宗伝統の茶碗蒸し、蒸寿しと長崎の郷土料理である豚肉の角煮(卓袱料理にも含まれる東坡煮)と小鉢(フカヒレ、きんぴらゴボウ、カブ漬物、みかん)がついた定食です。特に、熱々の茶碗蒸しが具沢山(穴子、海老、鶏肉、しいたけ、銀杏など)で美味しかったです。伝統の味を現代でも美味しく提供できる素晴らしい店だと思いました。店員さんたちも愛想がよく、素晴らしいサービスでした。

吉宗定食

吉宗定食

吉宗定食

今回の旅の主目的である魚介類を食べてなかったので、「吉宗(よっそう)」の後に、居酒屋「多ら福 亜紗」に行きました。

「多ら福 亜紗」で私が食べたのは、刺身盛り合わせ(ヒラメ、活鯖、ヒラス(ヒラマサ)、鰹、カジキマグロ、タコ、ミズイカ、ホタテ、赤貝)、活鯖の刺身、銀杏、「きんふぐ」のしそ天ぷらでした。刺身盛り合わせは2名からとなっていましたが、1名用も作ってくれました。全国2位の海岸線を持ち漁獲量が多い長崎の魚介類は本当に美味しかったです。

多ら福 亜紗

多ら福 亜紗

「きんふぐ」とはシロサバフグのことです。宮崎県で「みやざき金ふぐ」としてブランド化されました。私がこの日に食べたのは対馬産でしたが、宮崎県のブランド河豚にあやかって、メニューに「きんふぐ」と書いたのだと思います。なお、福岡県ではカナトフグ(旬は8月~12月)と呼ばれ、全国漁業協同組合連合会が福岡県の秋の「PRIDE FISH」に選んでいます。

多ら福 亜紗

注意点

JR長崎駅は大規模改修中です。工事中につき、歩道などはかなり遠回りとなり不便です。新幹線開業に合わせ、2023年秋に完成予定です。

小さな話ですが、長崎駅のコインロッカーの値段は最低600円ととても高いです。コインロッカーの最低価格が600円というのは私がいろいろ旅行をしてきた中で日本最高値です。コインロッカー価格は長崎駅周辺のアミュプラザ(ショッピングセンター)では400円、長崎港ターミナルと長崎県営バス長崎ターミナルでは300円となります。長崎駅のコインロッカーにこだわりが無ければ、長崎駅以外に預けるのが賢明でしょう。

 

6、11月16日(火曜日)長崎県2日目

2日目の早朝に平戸市に行きました。佐世保市から平戸市までの移動に約1時間半かかります。

平戸城は平戸藩の松浦氏の居城でした。日本100名城にも選ばれています。

平戸城

現在の平戸城は1962年に復元された鉄筋コンクリート製なので、文化財に指定されていません。しかし、今年4月に大規模改修後のリニューアルオープンしたばかりで外装、内部ともとても綺麗です。

平戸城

平戸城

平戸城最大の魅力は天守閣からの眺望にあるでしょう。入り組んだ海岸線や平戸オランダ商館、平戸大橋などを見ることができます。

平戸城

平戸城

平戸城

現在の平戸オランダ商館は復元されたものです。33年間の短い期間でしたが、1641年に長崎出島へ移設されるまで、平戸は江戸幕府に貿易を許可されていました。江戸時代以前に遡ると1550年にはポルトガル商船が初めて入港し、同年、イエズス会のフランシスコ・ザビエルも平戸を訪れています。天然の良港として平戸は約90年間、日本の貿易拠点として栄えました。

平戸城から田平(たびら)天主堂へ向かいました。小手田バス停から田平天主堂まで徒歩20分程度かかります。田平天主堂まで緩やかな丘を登っていくのでかなり疲れます。

田平天主堂は1918年(大正7年)に建立されました。世界遺産「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」には含まれませんが、関連資産として国の重要文化財となっています。レンガ造りの素晴らしい外観の教会です。しかし、内部の見学はできません。

田平天主堂

田平天主堂

田平天主堂の見学後、徒歩約20分の西田平駅へ行き佐世保市へ戻りました。佐世保中央駅で下車し、昼食を食べた後、佐世保観光の目玉である九十九島(くじゅうくしま)へ行きました。

九十九島湾は複雑に入り組んだリアス海岸と大小208の島々からなる景勝地です。「数えきれないほどたくさんの島」という意味で九十九島と呼ばれています。1955年に西海国立公園に指定されました。また、九十九島湾は2018年に「世界で最も美しい湾クラブ」に国内5例目として加盟しました。他は松島湾(宮城県)、富山湾(富山県)、駿河湾(静岡県)、宮津・伊根湾(京都府)です。

九十九島を見るための展望台はいくつかあります。私は「展海峰(てんかいほう)」と「石岳(いしだけ)」から九十九島を見ました。

展海峰のバス停下車すぐの場所に展海峰展望台があります。

展海峰展望台

展海峰展望台

展海峰展望台

展海峰展望台

展海峰展望台

展海峰の次に石岳展望台にバスで行きました。石岳展望台は映画「ラストサムライ」冒頭に出てくる島々の風景を撮影された場所です。展海峰からの景色と同様に美しい景色を見ることができました。

石岳展望台

石岳展望台

石岳展望台

なお、「ラストサムライ」の冒頭シーンは石岳展望台から撮影した夕焼け色に染まった九十九島です。私も夕方に石岳展望台へ行こうと思ったのですが、夕方は曇りの予報でしたので早めに行きました。

食事

平戸市から佐世保市内に戻り、昼食の佐世保バーガーを「BigMan京町本店」で食べました。佐世保バーガーは農林水産省が長崎県の「御当地人気料理特選」に選んだ御当地グルメです。

BigMan京町本店

佐世保バーガーは1950年頃、佐世保の飲食店が米海軍基地から直接レシピを聞き、米軍基地周辺でハンバーガーを作り始めたのがはじまりとされています。日本ハンバーグ・ハンバーガー協会によると佐世保は日本の「ハンバーガー伝来の地」です。

私が行った「BigMan京町本店」は1970年創業の老舗ハンバーガー店です。ベーコンエッグバーガーを最初に販売したのもBigManです。「BigMan京町本店」は食事サイトの食べログで「2021年百名店」、長崎県のハンバーガー部門で1位に選ばれるなど現在でも評価が高い店です。

スペシャルバーガー

夜は居酒屋「ささいずみ」で夕食を食べました。「ささいずみ」は店内に生け簀のある居酒屋です。私は17時前後に入店しましたが、18時には満席になりました。佐世保市内で屈指の人気店と言えるのではないでしょうか。

「ささいずみ」で注文したのは刺し盛(鯛、ヒラス、「天使の海老」)、活イカ、ハーブ鯖を使った炙りしめ鯖、すり身揚げ、カキフライ、鯵活き造りの寿司です。

刺し盛

活イカは刺身で食べた後に、無料で天ぷらにしてくれます。刺身はイカの甘みがとても強く最高の美味しさでした。

活イカ

イカ天ぷら

ハーブ鯖を使った炙りしめ鯖もとても美味しかったです。長崎県ではハーブを配合した飼料を与えて育てた鯖を「長崎ハーブ鯖」としてブランド化しています。

炙りしめ鯖

想像以上に美味しかったのが魚の「すり身揚げ」でした。フワフワの食感で何個でも食べれそうな美味しさでした。蛸が入っていない明石焼きに近い食感でした。

すり身揚げ

寒くなりカキの季節になったので、カキフライはやはり美味しかったです。カキフライはまさに冬の定番の食べ物で安定の美味しさです。

カキフライ

最後に食べた鯵活き造りの寿司は美味しかったのですが、提供時間の遅さだけが残念でした。

鯵活き造りの寿司

「ささいずみ」を出て、米兵御用達の「外国人バー街」に行きました。佐世保らしい店で飲みたかったからです。佐世保は米軍基地があるので、米兵たち向けの飲食店があります。もちろん、日本人も入れます。

外国人バー街

私は「外国人バー街」で老舗っぽい「グラモフォン」に入り、ウィスキーを飲みながら、米兵たちと話をしました。まだコロナウィルスの影響で完全に米兵客は戻っていないとのことでしたが、3-4人の客はいました。米兵たちは気さくな人たちばかりで楽しい佐世保の夜となりました。なお、米兵向けバーとはいえ店員は日本人なので安心です。

グラモフォン

注意点

田平天主堂にはトイレがありません。正確に言えば、トイレはあるのですが、信者の方のみ使用可能で見学者は使用できません。見学者は田平天主堂から徒歩10分程度の距離にある「たびら昆虫自然園」のトイレを借りるしかありません。

石岳展望台から佐世保市内へのバスが2時間に一本ほどしか運行していません。仕方ないので、佐世保駅まで歩いて帰ることにしました。距離は約6km、70分ほどかかりました。

 

7、11月17日(水曜日)福岡県1日目

長崎・福岡旅行3日目は朝に佐世保駅を出発し、福岡県久留米市の善導寺へ向かいました。

善導寺は1208年に聖光上人(鎮西上人)が開山したと伝えられる浄土宗大本山の寺院です。聖光上人は浄土宗の宗祖である法然上人の弟子です。筑前国(現在の北九州市)出身でした。

国の重要文化財は本堂、大門、大庫裏など8棟もあります。大門は1651年の建立で善導寺最古の建造物となります。

善導寺

善導寺

善導寺

善導寺を出て、久留米駅についてから徒歩5分ほどの有馬家霊屋(たまや)へ行きました。有馬家霊屋は久留米藩主有馬家の菩提寺である梅林寺(ばいりんじ)境内にあります。梅林寺は禅宗の一派である臨済宗の古刹です。有馬家霊屋5棟は国の重要文化財です。

有馬家霊屋

有馬家霊屋

有馬家霊屋

有馬家霊屋

有馬家霊屋

私が訪問した日は銀杏などの紅葉が見事でした。梅林寺にはお墓参りの家族が一組いただけで、禅宗らしい静かな寺でした。境内の散策はお勧めです。

梅林寺

大宰府駅に到着後、すぐに竈門(かまど)神社に向かいました。竈門神社は創建以来1350年を越える長い歴史があります。大宰府の鬼門除けの役割を果たしてきました。

竈門神社

竈門神社

竈門神社は「鬼滅の刃」の竈門炭次郎の名字と同じ竈門であることや大宰府の鬼門除けとしての役割が竈門炭次郎の鬼退治と似ていることなどから、「鬼滅の刃」の舞台なのではないかと言われ、訪問客が多くなっています。また、江戸時代初期の剣客「夢想権之助」も竈門神社境内に祀られていることも「鬼滅の刃」のイメージに合うでしょう。私が訪問した時も平日ではありましたが駐車場は満車、バス待ちの大行列など大混雑でした。また、梅林寺同様、紅葉が綺麗でした。

夢想権之助

夢想権之助

竈門神社

竈門神社

竈門神社から太宰府天満宮へ歩いて向かいました。徒歩20分くらいかかりますが、下り道なのでそれほど苦になりませんでした。

太宰府天満宮は菅原道真公をお祀りする全国約12,000社の総本宮です。本殿や志賀社は国の重要文化財です。安土桃山時代の1591年に小早川隆景により再建された本殿よりも古い室町時代の1458年に再建された志賀社はこじんまりとしています。

太宰府天満宮

太宰府天満宮

太宰府天満宮

食事

有馬家霊屋を訪問後、「麺志」で久留米ラーメンを食べました。麺志」で注文したのはランチセット(らーめん志と久留米ダルム丼)です。「らーめん志」は味を説明するのが難しいのですが、驚きのおいしさで感動しました。私が過去に食べた豚骨ラーメンの中でもトップ5に入るくらいの美味しさでした。店員さんたちも元気がよく気持ちのいい接客でした。店も常に満席状態でした。

らーめん志

私は今回久留米に行くまで知らなかったのですが、久留米は豚骨ラーメンの発祥の地です。1937年、ラーメン店「南京千両」の初代店長の宮本時男さんが、出身地である長崎県のちゃんぽんと横浜の支那そばを融合させて考案したものが最初の豚骨ラーメンです。久留米ラーメンはスープが減ったぶんを継ぎ足していく方法、一方、博多ラーメンはその日使うぶんだけのスープを作る方法という違いがあります。久留米ラーメンには基本的に脂を加えないので比較的あっさりとしているのが特徴です。

久留米ダルム丼は白もつ丼のことです。「ダルム」という名称は、医学生が腸のことを医学用語(ドイツ語)でダルム(Darm=腸)と言ったのが始まりのようです。

ダルム丼

大宰府天満宮の「不老茶屋」で太宰府名物の梅ヶ枝餅(うめがえもち)と抹茶のセット(税込600円)を頂きました。

梅ヶ枝餅

梅ヶ枝餅は菅原道真が左遷軟禁された際に、老婆が部屋の格子ごしに梅の枝の先に刺した餅を差し入れたというのが由来とされていますが、由来は諸説あります。

夕食は福岡市の祇園駅近くのもつ鍋「みやもと」で大学時代の友人ともつ鍋を食べました。2019年の「ミシュランガイドブック福岡」にも掲載された1974年創業の老舗人気店です。

「みやもと」のもつ鍋の特徴は最初に牛もつとニラだけのもつ鍋が提供されることです。4時間かけて下処理した牛もつのおいしさをシンプルに味わって欲しいとの店主の思いから牛もつとニラだけの鍋が提供されます。店主のこだわりだけあって、このシンプルなもつ鍋が旨いのです。後程、豆腐やキャベツを追加しましたが、牛もつとニラだけのシンプルもつ鍋のほうがおいしく感じたほどでした。

もつ鍋「みやもと」

また、「みやもと」のもつ鍋は酒に合う濃い目の醤油味です。どんどんお酒が進み、いつもより飲み過ぎてしまいました。

注意点

竈門神社から太宰府天満宮へはバスでも行けますがとても混んでいます。バス乗り場は長蛇の行列でした。徒歩20分ほどで十分歩ける距離ですし、下り坂なので楽です。ただし、太宰府天満宮から竈門神社までは上り坂となるのでバスに乗ったほうがいいでしょう。なお、太宰府駅からのバス乗車は並ばずに乗れました。

 

8、11月18日(木曜日)福岡県2日目

4日目の朝に、博多駅から宗像大社「辺津宮(へつぐう)」へ行きました。宗像大社は「日本書紀」「続日本書紀」などにも記されている日本最古の神社の一つです。日本各地に7,000以上ある宗像神社、厳島神社、宗像三女神を祀る神社の総本社です。

宗像は日本最初の国際港でした。朝鮮半島、中国までの港として、4世紀後半〜9世紀末の約500年間、古代日本の外交・通商・国防の役割を担っていました。こうしたことから、2017年に「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群として宗像大社などが世界遺産に登録されました。

また、宗像大社「辺津宮」の本殿、拝殿は国の重要文化財に指定されています。本殿は1578年、拝殿は1590年に建てられました。

宗像大社「辺津宮」

宗像大社「辺津宮」

宗像大社「辺津宮」

本殿の周辺には大小の末社が22社あり、121の神様が祀られています。ずらりと並んだ末社群の存在は圧巻で宗像大社の社格の高さを表しています。

辺津宮末社

「高宮祭場」は市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)の降臨の地とされる古代祭場です。自然崇拝に基づく古代祭場が残っている場所は日本全国でも数か所しかありません。宗像大社の境内でも最も神聖な場所の一つとされています。

私の訪問時には「高宮祭場」に他に誰もいませんでした。そのため、古代祭場の厳かな雰囲気を満喫することができました。私が宗像大社で最も感銘を受けた場所は「高宮祭場」でした。

高宮祭場

宗像大社の神宝館(しんぽうかん)は沖ノ島神の国宝8万点を中心に、宗像大社に伝承されてきた重要文化財などが収蔵展示されています。こんなに多くの国宝を一度に見たのは初めての経験で、本当に圧倒されました。

神宝館

神宝館に展示されている品々はほぼすべてが学術的にも芸術的価値も超一級品の国宝であり、別格の宝物館です。是非、皆様に神宝館を見学していただきたいと思います。

神宝館

神宝館

拝観料:一般800 円、高校生・大学生500 円、小学生・中学生400 円 

宗像大社「辺津宮」から神湊(こうのみなと)港にバスで移動し、船で大島に行きました。

昼食を食べて、沖津宮遙拝所(おきつぐうようはいしょ)へ自転車で向かいました。沖津宮遙拝所は渡島できない沖ノ島を遥拝(遥か遠くから拝むこと)するため、大島の北側に設けられました。

沖津宮遙拝所

沖津宮遙拝所

天気が良かったので、沖津宮遙拝所周辺の海がとても綺麗でした。

沖津宮遙拝所

宗像大社「中津宮」の本殿は1566年に建造されました。とても趣がある素敵な拝殿と本殿です。

中津宮

中津宮

中津宮

宗像大社「辺津宮」と大島は建造物、古代祭場、神宝館の国宝の数々、大島の綺麗な景色などすべてが素晴らしかったです。今回の宗像市の訪問で福岡県の新しい魅力を発見することができました。

食事

船で大島に渡り、すぐに「壽や 三郎」で「特別海鮮丼」(税込2,200円)を食べました。「壽や 三郎」は漁師さんが経営している食事処で、新鮮な魚介類をお腹いっぱい食べることができます。

特別海鮮丼

私が食べた「特別海鮮丼」もどんぶりからあふれんばかりの刺身が乗ったものでした。新鮮な魚介類だけあって、とても美味しく、大満足の昼食となりました。

大島から博多に戻り、「博多一双 博多駅東本店」で豚骨ラーメン(税込680円)を食べました。「博多一双 博多駅東本店」は食べログの2021年百名店に選ばれている人気ラーメン店です。

博多一双 博多駅東本店

博多一双」は2012年創業の比較的新しいラーメン店です。以前の福岡旅行の際に、訪問して美味しかったので、今回の再訪となりました。写真ではあまりおいしそうに見えないかもしれませんが、絶品の豚骨ラーメンでした。人気店のおごりもなく、店員さんたちも元気よく声を出して気持ちいいサービスでした。繁盛店であり続けているのも納得です。

夕食は友人と合流し、「旭軒 川端店」で餃子を食べました。福岡市は隠れた餃子の街で市内には餃子店が目につきます。2020年の家計調査において、福岡市は県庁所在地で全国6番目の餃子消費量でした。

旭軒 川端店

旭軒 川端店

多くの人が焼餃子を頼んでいましたが、私は水餃子のほうが美味しいと思いました。水餃子のツルっとした食感が堪りませんでした。

「旭軒 川端店」を出て、ホテルに戻る途中にあった「大衆酒場 博多 かつりき」に入り、軽く食事をとりました。「かつりき」の食事は安くておいしく、チェーン店といえども実力店だと思いました。

鶏刺し盛り合わせ

特に、鶏刺し盛り合わせと鶏レバーのたまり漬けは絶品でした。また、まぐろ団子スープはわずか5円と信じられない値段で提供していました。とても美味しいスープでした。また、「お通し」を出していない点も好感度が高いです。

鶏レバーのたまり漬け

まぐろ団子スープ

注意点

大島へ向かう船が出航する神湊(こうのみなと)港のバス停は神湊波止場です。神湊波止場まで神湊の名前がつくバス停が3つ(神湊入口、神湊バス停、神湊西口)ありますので、ご注意ください。

大島での食事は「めし処 春乃日」を試す価値があると思います。完全予約制の食事処です。私が当日に予約の電話をかけるとで既に満席でした。「壽や 三郎」は漁師さんが経営する素朴な食事処です。一方、「めし処 春乃日」のホームページを見る「昔ながらの漁師の食堂」と書かれているものの、きちんとした和食処のようです。次回、大島に行くことがあれば、事前に「めし処 春乃日」を予約して行ってみたいと思います。

 

9、11月19日(金曜日)福岡県3日目

長崎・福岡旅行の5日目はまず朝に香椎宮(かしいぐう)に行きました。

香椎宮のホームページには香椎宮の起源は西暦200年に神功皇后が祠を建て、仲哀天皇の神霊を祀給うたことが起源とあります。現在の本殿は1801年に再建されたもので、「香椎造(かしいづくり)」と称される日本唯一の建築様式です。本殿は国の重要文化財です。

香椎宮

香椎宮

香椎宮

楼門は1903年の再建となる立派な門です。雰囲気が禅宗の仏教寺院の楼門のように感じました。

香椎宮

香椎宮の次に門司港へ向かいました。門司港駅の駅舎は駅舎は国の重要文化財に指定されています。国の重要文化財指定の駅舎は当駅と東京駅丸の内駅舎のみです。1914年に現在の門司港駅舎が完成しました。何度見ても素敵な駅舎です。

門司港駅

門司港駅

門司港の各観光スポットは1995年に「門司港レトロ」としてグランドオープンしました。各観光スポットの距離が近く、徒歩での観光が可能です。

門司港駅の目の前にあるビルが「門司郵船ビル」です。1927年に建設されました。

門司郵船ビル

門司郵船ビルの隣に立つビルが旧門司三井倶楽部です。1921年に三井物産株式会社門司支店が建設した接客施設です。国の重要文化財です。

旧門司三井倶楽部

JR九州第一庁舎(旧三井物産門司支店)は三井物産の三代目の門司支店として、1937年に建設されました。私は正面よりも側面の階段側のほうが好きです。

旧JR九州第一庁舎

旧JR九州第一庁舎

旧門司税関庁舎は1912年、焼失した門司税関の2代目の庁舎として建設されました。

旧門司税関庁舎

1979年に北九州市と大連市が友好都市を提携しました。大連友好記念館は友好都市締結15周年を記念し、ロシア帝国が1902年に大連市に建築した鉄道汽船会社の建物を複製し建築されました。

大連友好記念館

門司港レトロ展望室は日本を代表する建築家の1人であった黒川紀章氏が設計した高層マンション『レトロハイマート』の31階にあります。展望室は高さ103mにあり、関門海峡、関門橋が綺麗に見えます。なお、関門橋は橋長1,068メートルの吊橋です。関門橋の下関側橋脚のふもとの海は源平合戦の壇ノ浦の戦い(1185年)の舞台でした。

門司港レトロ展望室

門司港レトロ展望室

門司港レトロ展望室

入場料 : 大人300円、小中学生150円

旧大阪商船ビルは大阪商船の門司支店として、1917年に建設されました。建物の角にある八角形の塔が特徴です。国の有形文化財に登録されています。

旧大阪商船ビル

旧大阪商船ビル

ホーム・リンガ商会の建物は1962年に建てられました。前身の会社は江戸時代の最後の年である慶応4(1868)年にイギリス人の貿易商フレデリック・リンガーがエドワード・Z・ホームとともに設立したホーム・リンガー商会です。

ホーム・リンガ商会

ホーム・リンガ商会のすぐ近くには「ブルーウィングもじ」があります。歩行者専用のはね橋となります。1時間に1回、60度の角度に跳ね上がります。関門橋がよく見える気持ちの良い場所です。

ブルーウィングもじ

門司電気通信レトロ館は1924年に逓信省門司郵便局電話課庁舎として建設されました。

門司電気通信レトロ館

門司電気通信レトロ館

三宜楼(さんきろう)は1931年に建てられた木造3階建ての元料亭です。往時は門司港料亭トップ3の一角として栄えました。出光興産の創業者である出光佐三氏や俳人高浜虚子など数々の著名人が訪れました。

三宜楼

内部は無料で見学できます。ボランティアの方に非常に丁寧な解説をして頂き、勉強になりました。皆様に三宜楼の内部を見学することを強くお勧めしたいです。

三宜楼

三宜楼

三宜楼

三宜楼

食事

門司港に到着してすぐに、門司港レトロ 海峡プラザ 西館2階にある元祖瓦そば「たかせ」で瓦そば明太茶漬けセット(税込1,760円)を食べました。瓦そばは山口県下関市の御当地グルメです。

瓦そば

瓦そば

私は瓦そばを初めて食べましたが、おいしい蕎麦でした。カーブを描いた瓦の上の具を落とすことなく食べることが難しく、食べること自体がある種のイベントになるという楽しい蕎麦だと思います。

明太茶漬け

私が食べた瓦そば明太茶漬けセットの明太茶漬けは正真正銘福岡県の御当地グルメです。農林水産省は福岡県の「御当地人気料理特選」に辛子明太子を選んでいます。

門司港レトロ展望室ではクラフトビール「MOJIKO BEER」を飲めます。関門海峡を見ながら、クラフトビールを飲むのは最高でした。私が飲んだ「MOJIKO BEER」ヴァイツェンは全国地ビール品質審査会の最優秀賞を2回受賞しました。美味しいビールでした。

MOJIKO BEER

門司港レトロを散歩している時に、偶然見つけたラーメン店が「大平山 門司港本店」です。私が注文したのは大平山ラーメン(税込800円)でした。しょうゆ豚骨味のラーメンで、私の人生史上トップ5に入る美味しさでした。もしかすると人生で一番美味しいと思ったラーメンだったかもしれません。スープは醤油味と豚骨味が絶妙のバランスで、最初からかけられた胡椒が実にスープに合っていました。表現しづらい奥深い味でした。また、麺自体もとても美味しかったです。スープとよく合いそれが相乗効果を生んでいました。チャーシューや味玉、メンマも絶妙な味付けでした。

大平山

大平山

博多駅に到着し、博多駅筑紫口徒歩1分の「大衆割烹 ひかり」へ行きました。「ひかり」は老舗の人気居酒屋で18時以降には満席となり、多くの人が入店を断られていました。

私が注文したのは、ゴマ鯖、三彩盛(刺し身三種盛)、ヤリイカ刺身、クエ刺身、カナトフグの唐揚げ、がめ煮、でした。

大衆割烹 ひかり

大衆割烹 ひかり

大衆割烹 ひかり

大衆割烹 ひかり

大衆割烹 ひかり

ヤリイカ(旬:4~11月)とカナトフグ(旬:8~12月)は全国漁業協同組合連合会が福岡県の「PRIDE FISH」に選んでいます。カナトフグについては、12月10日のBLOGでもご紹介したように、シロサバフグとも呼ばれます。トラフグと比べて値段も手頃なため、福岡県では人々に愛されてきました。

大衆割烹 ひかり

がめ煮は「筑前煮」とも呼ばれる福岡県の郷土料理です。農林水産省の「郷土料理百選」に選ばれています。

「大衆割烹 ひかり」は人気店だけあって、ほとんどの食事が美味しく大満足で店を出ました。活気がある店で駅からも近い便利な場所にあるので、お勧めの店です。

注意点

この日は特に困ったことはありませんでした。

この日私が訪問した門司港は北九州市に属します。北九州市は福岡県で2番目に、日本全体でも14番目に人口が多い大都市です。2020年時点での人口は1位福岡市の約160万人に対して北九州市は約94万人となります。北九州市の中心は小倉駅です。小倉駅周辺には寿司屋など高評価の飲食店が多いので門司港に行く際には小倉駅周辺で食事をするのもいいのではないでしょうか。

 

10、11月20日(土曜日)福岡県4日目

長崎、福岡旅行の最終日(6日目)は博多周辺の神社仏閣などを回りました。

筥崎宮は宇佐神宮(大分県)、石清水八幡宮(京都府)とともに日本三大八幡宮です。また、筥崎宮の楼門は鹿島神宮(茨城県)、阿蘇神社(熊本県)とともに日本三大楼門と言われています。

筥崎宮

筥崎宮の創建時期は不明ですが、921年に醍醐天皇が「敵国降伏」の宸筆(しんぴつ)を下賜され、この地に壮麗な御社殿を建立したとされています。楼門に掲げられる「敵国降伏」の扁額の文字は亀山上皇の御宸筆(1274年)を謹写拡大したものです。

筥崎宮

楼門は小早川隆景により1594年に建立されました。筥崎宮の楼門も私が前日に訪問した香椎宮の楼門と同様、禅宗仏教寺院の楼門のような雰囲気があります。

本殿・拝殿、楼門、一之鳥居、千利休の石燈籠は国の重要文化財です。一之鳥居は1609年に藩主黒田長政が建立しました。なお、本殿・拝殿、千利休の石燈籠は楼門の端から少しだけ見えるだけです。

一之鳥居

東長寺は弘法大師(空海)が日本で最初に創建した寺院です。2階の大仏殿には木造座像では日本最大級の大きさを誇る福岡大仏(高さ10.8m)があります。しかし、大規模修繕中できちんとした大仏の姿を見ることはできませんでした。

六角堂は1842年に建立されました。福岡市の文化財です。

六角堂

五重塔は2011年に建立されました。釘を使用しない伝統工法で建てられています。

五重塔

櫛田神社は博多祇園山笠(7月)が奉納される神社です。飾り山笠が常設されています。10月には博多おくんちが行われます。5月の博多松囃子(博多どんたく)一行も櫛田神社から出発するしきたりになっています。つまり、全国的に有名な福岡の祭りの多くに櫛田神社が関係しています。

櫛田神社

博多祇園山笠行事は国の重要無形文化財ユネスコ無形文化遺産に登録されています。

櫛田神社

櫛田神社

南蔵院は篠栗(ささぐり)四国霊場の総本寺で高野山真言宗の別格本山です。篠栗四国霊場は福岡県糟屋郡篠栗町にある88か所の霊場です。南蔵院で最も有名なのが釈迦涅槃像でしょう。ブロンズ製では世界最大級(全長41m)となります。

釈迦涅槃像

釈迦涅槃像

南蔵院の境内には大不動明王や毘沙門天など多くの仏像があり、歩くだけでも楽しい境内です。

南蔵院

南蔵院

承天寺は1242年に聖一国師により創建されました。禅宗の一派である臨済宗東福寺派の寺です。本堂の前には立派な石庭があります。

承天寺

また、承天寺は博多祗園山笠、うどん、そば、饅頭、博多織などの数々の行事、品々の発祥の地でもあります。

承天寺

承天寺から歩いてすぐの場所にある妙楽寺は禅宗の一派である臨済宗大徳寺派の寺院です。1316年に月堂宗規により創建されました。

妙楽寺

元々、妙楽寺は博多湾岸にあり、中国との貿易に重要な役割を果たしていました。妙楽寺は「ういろう」発祥の地です。妙楽寺

妙楽寺には立派な博多塀(はかたべい)がありました。博多塀は戦国時代の戦乱で廃墟なっていた博多の町を豊臣秀吉が復興する際に、焼け石や焼け瓦などをつかった土塀を作ったのが始まりです。意匠面でも優れていると思います。

博多塀

聖福寺は1195年に栄西禅師(ようさいぜんじ)が創建した日本で最初の禅寺(臨済宗妙心寺派)です。境内は国の史跡に指定されています。聖福寺の土地は鎌倉幕府将軍の源頼朝が寄贈したものです。総門や勅使門の間には長い博多塀があります。私が博多の中で見た博多塀で最も素晴らしいものでした。

聖福寺

聖福寺

聖福寺

山門は1911年に再建されました。禅寺らしい立派な山門です。

聖福寺

聖福寺

仏殿は2014年に増築を行ったため、とても綺麗です。過去仏「阿弥陀如来」、現世仏「釈迦如来」、未来仏「弥勒如来」を新たに造立し安置しています。

聖福寺

聖福寺

聖福寺境内は博多という大都会の真ん中にあるとは思えないくらい静寂な空間でとても落ち着けました。

住吉神社は航海守護神の住吉三神を祀る神社です。住吉神社の正確な創建年次は不明ですが、住吉神社のホームページには「1800年以上」の歴史があるとされています。大阪の住吉大社、下関の住吉神社とともに「三大住吉」の1つです。

住吉神社

本殿は国の重要文化財です。

食事

長崎・福岡旅行の最終日は早めの時間に博多ラーメンを昼食として食べました。旅行最後のラーメンとなったラーメン店は博多駅地下街にある「名代(なだい)ラーメン亭」です。モーニングサービスでチャーシューメンが480円(通常580円)と破格の安さでした。安いのに美味しいラーメンで、今まで食べてきた博多ラーメンの中でもトップクラスのおいしさでした。

名代ラーメン亭

居酒屋 まる家 西中洲」で早めの夕食を食べました。「居酒屋 まる家 西中洲」は魚介類が中心の居酒屋です。特に、大分県から直送した「いか姿造り」は有名です。もちろん、私も注文して食べました。この日のイカはアオリイカ(九州ではミズイカと呼びます)でした。新鮮ないか姿造りで甘さも歯ごたえもあり、とても美味しかったです。

いか姿造り

いか姿造りを刺身で食べた後は残りを無料で天ぷらにしてくれます。

イカの天ぷら

他にも、しめ鯖、たら白子湯引き、赤貝刺身を注文しました。全体的に美味しい食べ物がほとんどで、店員のサービスも良く、「居酒屋 まる家 西中洲」は大満足の店でした。博多で魚介類を食べる際にはお勧めの居酒屋です。

居酒屋 まる家 西中洲

居酒屋 まる家 西中洲

居酒屋 まる家 西中洲

博多駅から福岡空港へ向かう前に、「大衆割烹 ひかり」へ行きました。この日は再訪となります。連続で訪問したのは前日訪問時に全ての食事が美味しかったことと「ひとりクエ鍋」の張り紙に惹かれたからです。

ひとりクエ鍋

高級魚のクエ(九州ではアラともいいます)の鍋と1ドリンク、小鉢がつく「ひとりクエ鍋」が3,300円はかなりのお得感があります。しかし、問題は提供時間の長さでした。注文から「クエ鍋」の提供まで約50分間かかりました。

クエ鍋

「クエ鍋」の味は美味しかったです。ただし、提供時間の長さから「ひかり」に対して失望したのも確かです。「ひかり」に行く際には鍋料理以外を注文するのがいいと思います。若しくは、鍋料理を頼むなら他の料理も注文して、気長に待ちましょう。

注意点

南蔵院参拝の注意点は肌の露出の多い服装(ホットパンツ、極端なミニスカート、キャミソール等)での来訪が禁止されていることです。今は冬なので、問題ないかと思いますが、暑い季節になると要注意です。露出を隠せる布をJR城戸南蔵院前駅内売店で貸出しているようです。

 

 

 

 

(注:文中に掲載している交通機関の出発・到着時間や料金、入場料などはBLOG執筆時のものです。今後変更する可能性がありますので、旅行に行く際にご自身でご確認ください。)

 

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