11月の日本旅程3日目(福岡県1日目 食事編)
(11月17日 水曜日)
目次
1、朝食
佐世保駅からJR特急みどり6号で鳥栖駅へ向かう際に、駅のコンビニ「ファミリーマート」で買ったベーコンエッグチーズバーガーを食べました。本当は、駅弁を買いたかったのですが、佐世保駅で駅弁を売っている店が営業していなかったので買えませんでした。早朝出発の人のためにも駅弁を売ってほしいものです。
朝食として食べたベーコンエッグチーズバーガーは前日にBigManで食べた佐世保バーガー「スペシャルバーガー」880円(税込)と同じ具材のハンバーガーです。もちろん、BigManの「スペシャルバーガー」のほうが美味しいのですが、コンビニのベーコンエッグチーズバーガーは値段(税込348円)を考慮すると十分美味しく、初日に食べた「トルコライス」同様、コンビニの実力を再発見しました。
ベーコンエッグチーズバーガーを食べる際に飲んだビールは私が大好きなサッポロビールの「赤星」でした。東北・北海道旅行編でもご紹介しましたが、「赤星」は1877年、サッポロビールの前身・開拓使麦酒醸造所から発売された日本で最も歴史あるビールブランドです。最北端の北海道のビールを日本の西端の佐世保で飲まなくても良かったのですが、長崎のクラフトビールが売っていなかったので仕方ありません。
実は、長崎県はクラフトビール不毛の地で、壱岐島に「ISLAND BREWERY(アイランドブルワリー)」というクラフトビールの醸造所があるだけです。しかも、「ISLAND BREWERY」は2021年5月にできたばかりです。
ちなみに、国税庁の調査では2019年における長崎県の一人当たりビール消費量は18.6リットルと全国平均21.5リットルを13%下回ります。一方、長崎県の一人当たり焼酎消費量は9.1リットルと全国平均7.3リットルを25%上回ります。焼酎の大規模生産地である鹿児島県(一人当たりビール消費量は全国平均を33%下回りますが、一人当たり焼酎消費量は全国平均の3.9倍)ほどではないですが、長崎県も九州なのでビールよりも焼酎好きの傾向があります。
2、久留米らーめん道「麺志」
有馬家霊屋を訪問後、JR久留米駅から西鉄久留米駅までバスで移動し、「麺志」で久留米ラーメンを食べました。久留米市は西鉄久留米駅とJR久留米駅が2.2km離れており、徒歩移動ですと30分程度かかります。バスは1時間に4本ほど運行しており、運賃は170円です。
飲食店は西鉄久留米駅側に集中しており、JR久留米駅周辺にはわずかしかありません。西鉄久留米駅は福岡最大の繁華街である博多天神駅との直通電車があるため、利便性はJR久留米駅を上回ります。実際、西鉄久留米駅の乗降人員は新幹線が停車するJR久留米駅の4.5倍となる24,321人(2020年度)とJR久留米駅を圧倒しています。
「麺志」で注文したのはランチセット(らーめん志と久留米ダルム丼)です。「麺志」のラーメンは二種類で「らーめん志」(こってり味)と「らーめん道」(あっさり味)があります。私が食べた「らーめん志」は味を説明するのが難しいのですが、驚きのおいしさで感動しました。私が過去に食べた豚骨ラーメンの中でもトップ5に入るくらいの美味しさでした。店員さんたちも元気がよく気持ちのいい接客でした。店も常に満席状態でした。
私は今回久留米に行くまで知らなかったのですが、久留米は豚骨ラーメンの発祥の地です。1937年、ラーメン店「南京千両」の初代店長の宮本時男さんが、出身地である長崎県のちゃんぽんと横浜の支那そばを融合させて考案したものが最初の豚骨ラーメンです。久留米ラーメンはスープが減ったぶんを継ぎ足していく方法、一方、博多ラーメンはその日使うぶんだけのスープを作る方法という違いがあります。久留米ラーメンには基本的に脂を加えないので比較的あっさりとしているのが特徴です。
現在の全国的知名度は圧倒的に博多ラーメンが久留米ラーメンを上回ります。博多(福岡市)という大都市が近隣の中堅都市である久留米市の名物を取り込んで自らの名物としました。この形態は兵庫県明石市の明石焼き(明石では玉子焼きと呼びます)を取り込んだ大阪府のたこ焼きと似た関係にあると思います。元祖である久留米ラーメンや明石焼きの知名度はもっと向上して欲しいものです。
久留米ダルム丼は白もつ丼のことです。「ダルム」という名称は、医学生が腸のことを医学用語(ドイツ語)でダルム(Darm=腸)と言ったのが始まりのようです。第二次世界大戦後、労働者に安くて美味しいものをと豚のホルモンを焼きとりとして出したのがダルムの始まりと言われています。ちなみに、久留米市は人口10万人あたりの医師数が、全国の政令市、中核市でトップです。「ダルム」は「医者の街」久留米だからこその命名です。なお、ドイツ語で心臓のことはヘルツ(Herz=心臓)と言い、ヘルツも久留米の焼きとりメニューに使用されています。
久留米の焼きとりは鶏、豚、牛、魚介類、野菜など鶏以外も具材として使う多様性が特徴です。久留米は人口当たりの焼きとり店の数が全国で一番多いまちとして、久留米のタウン情報誌が「焼きとり日本一」を宣言しています。今回は食べる時間が無かったですが、次回に久留米を訪問する際には、焼きとりも食べてみたいと思います。
なお、久留米といえばブリヂストンの創業の地です。そのため、ゴム産業やタイヤ産業などに従事する工場労働者が久留米には多く、労働者に安くて美味しいもの提供するために焼きとり店が増えました。このことは町おこしのために無理やり御当地グルメを作る昨今の流れと違っています。従って、自然に根付いた郷土食としての久留米のやきとりに私は好感を持てます。
食事の話とは違いますが、久留米と言えば、チェッカーズの生まれ故郷として有名です。西鉄久留米駅前に元チェッカーズのボーカル藤井フミヤのコンサートのポスターが張られていましたが、完売御礼でした。さすがの人気です。
3、不老茶屋
大宰府天満宮の「不老茶屋」で太宰府名物の梅ヶ枝餅(うめがえもち)と抹茶のセット(税込600円)を頂きました。私は何度か大宰府天満宮に行ったことがありますが、梅ヶ枝餅は初めて食べました。「不老茶屋」では毎月17日は古代米を使用した梅ヶ枝餅を提供しており、私も珍しい梅ヶ枝餅を食べられました。抹茶ととても合うおいしい焼きたての餅でした。
梅ヶ枝餅は菅原道真が左遷軟禁された際に、老婆が部屋の格子ごしに梅の枝の先に刺した餅を差し入れたというのが由来とされていますが、由来は諸説あります。ただ、この梅ヶ枝餅の由来のように、梅ヶ枝餅は梅が使われているわけでもなく、梅の香りがするわけでもありません。梅の刻印が入る部分が餅と梅のかかわりを示しています。
4、もつ鍋「みやもと」
夕食は福岡市の祇園駅近くのもつ鍋「みやもと」で大学時代の友人ともつ鍋を食べました。2019年の「ミシュランガイドブック福岡」にも掲載された1974年創業の老舗人気店です。
「みやもと」のもつ鍋の特徴は最初に牛もつとニラだけのもつ鍋が提供されることです。4時間かけて下処理した牛もつのおいしさをシンプルに味わって欲しいとの店主の思いから牛もつとニラだけの鍋が提供されます。店主のこだわりだけあって、このシンプルなもつ鍋が旨いのです。後程、豆腐やキャベツを追加しましたが、牛もつとニラだけのシンプルもつ鍋のほうがおいしく感じたほどでした。
また、「みやもと」のもつ鍋は酒に合う濃い目の醤油味です。どんどんお酒が進み、いつもより飲み過ぎてしまいました。
店内は老舗店らしく味があり、居心地のいい店でした。最近のもつ鍋屋は綺麗でおしゃれな店が増えましたが、「みやもと」のような昭和時代の雰囲気を残した老舗店も残っていってほしいです。「みやもと」は博多っ子に人気店らしく私たちが訪問した日も満席でした。博多訪問時に再訪したいお店となりました。
(注:文中に掲載している交通機関の出発・到着時間や運賃、入場料、食事の料金などはBLOG執筆時のものです。今後変更する可能性がありますので、旅行に行く際にご自身でご確認ください。)