4月の日本旅程4日目(愛媛県)
(4月21日 木曜日)
目次
1、太山寺
4月21日(木)の朝に、太山寺(たいさんじ)へ行きました。私が宿泊していた大街道から太山寺への交通手段は以下の通りです。
市役所前8:33発 伊予鉄バス 運転免許センター行 片廻9:05着 運賃720円
片廻のバス停から太山寺本堂までは徒歩15分程度です。国の重要文化財である二の門(二王門)までは徒歩5分強なのですが、太山寺本堂まで二の門(二王門)から緩やかな坂道を10分ほど歩く必要があります。「太山へのぼれば汗のいでけれど 後の世思へば何の苦もなし」と御詠歌に歌われたように、本堂までの坂道は歩くと疲れます。
二の門(二王門)は1305年に再建された入母屋造八脚門です。二の門(二王門)をくぐると国宝の本堂へ向けた期待が高まります。三の門(四天王門)は1683年に再建された門です。
三の門(四天王門)をくぐるとすぐ国宝の本堂があります。本堂は鎌倉時代の1305年の建立です。屋根は入母屋造本瓦葺きで木造建築としては愛媛県最大です。建築様式は和様を基調とし、細部には大仏様(天竺様)を取り入れています。素晴らしい本堂で、しばらく見とれてしまいました。
太山寺の創建は587年です。御堂は一夜にして建立されたとして、「一夜建立の御堂」と伝えられています。その後、739年に聖武天皇の勅願をうけて、行基菩薩が十一面観音像(国の重要文化財)を彫造し、本尊にしたといいます。
鐘楼堂は1655年の再建です。1383年に作られた梵鐘は愛媛県指定有形文化財です。
参道奥には石仏群があります。これら石仏群がある一帯も神秘的な場所でした。
国宝の太山寺本堂は本当に素晴らしく、松山市内から少し時間はかかりますが、行く価値がある寺だと思います。
2、大宝寺
太山寺の次に、大宝寺へ行きました。私が利用した交通手段は以下の通りです。
片廻10:05発 伊予鉄バス 松山市駅行 宮田町10:31着 運賃490円
宮田町のバス停から徒歩15分で大宝寺に着きます。
大宝寺の本堂は愛媛県内最古の木造建築で国宝に指定されています。建築様式は和様です。鎌倉時代(1185年~1333年)前期の建立と推定されています。寺伝によれば、701年に地元の豪族小千(越智)玉興が大宝寺を創建したと伝えられています。
本尊の木造阿弥陀如来坐像1躯など3体の仏像が国の重要文化財に指定されています。
大宝寺本堂は太山寺本堂と比較するととても小さく、また、本堂の前のうば桜によって本堂が見にくく、あまり国宝としての価値を理解できませんでした。
うば桜には「角木長者伝説(うば桜伝説)」があります。角木長者と呼ばれる豪族の娘「露」の乳母「お袖」が薬師如来に祈願し、自分の命と引き換えに「露」を救いました。「お袖」が亡くなる直前に「お薬師様へのお礼に桜の木を植えて下さい」と言い残し、角木長者は約束どおりお堂の前に桜の木を植えました。その桜はすぐ幹に2~3輪の花が咲かせ、その花の色が 母乳のような色だったといいます。この話は小泉八雲によって英語に訳されました。
3、萬翠荘
大宝寺から大街道に戻り、昼食後、かなり激しく雨が降ってきました。そのため、午後の観光は大街道のすぐ近くの萬翠荘に行って写真を撮るだけになりました。
萬翠荘の本館と管理人舎は国の重要文化財です。萬翠荘は1922年に旧松山藩主子孫の久松定謨(ひさまつ さだこと)伯爵が別邸として建設したものです。フランス・ルネッサンス風の洋館で、設計は建築家の木子七郎です。木子七郎は西欧の建築を学ぶために数ヶ月間ヨーロッパを遍歴した後に萬翠荘を設計しました。萬翠荘は松山市で最も古い鉄筋コンクリート造建築になります。
入館料:大人300円、小人100円
なお、萬翠荘の横に建つ「坂の上の雲ミュージアム」の設計は建築家安藤忠雄です。
4、松山城、石手寺、道後温泉(2020年訪問分)
今回は午後の雨により、予定していた観光地に行けずに残念でした。2020年11月にも松山観光をしましたので、その際の写真をいくつか投稿します。
松山城は現存12天守のうちの一つです。天守は江戸時代後期に再建されたもので、現存十二天守の中で最も新しい天守です。今回は遠景は見れましたが、雨により松山城の近くに行くのは断念しました。
松山城の大天守を含む21棟の建造物が国の重要文化財に、城郭遺構が国の史跡に指定されています。松山城は日本三大平山城の一つ(他は姫路城、津山城)であり、三大連立式平山城の一つ(他は姫路城、和歌山城)です。今回見た遠景では連立式平山城であることが良く分かります。連立式というのは天守の縄張り型式のひとつで、天守と小天守や櫓を空から見ると四角になるように渡り廊下や多聞櫓でつないだものです。
石手寺はマントラ洞窟や境内の変わった石仏などがあり、訪問して楽しい寺です。2009年のミシュラン・グリーンガイド・ジャポンにおいて1つ星に選定されています。
石手寺はユニークな石仏などで人気があります。しかし、多くの文化財もある魅力的な寺です。石手寺の二王門(仁王門)は国宝です。1318年の建立とみられています。
石手寺における国の重要文化財は本堂、三重塔、訶梨帝母天堂、鐘楼、護摩堂、五輪塔、銅鐘、木造金剛力士立像と8つもあります。
道後温泉本館も国の重要文化財です。石手寺から徒歩15分程度です。
今回の高知県、愛媛県旅行は最終日に降雨となり残念でした。しかし、四万十川などの自然を満喫でき、また、多くの国宝や国の重要文化財、国の重要伝統的建造物群保存地区などを訪問することができ、大満足の旅行となりました。司馬遼太郎の「街道をゆく 南伊予・西土佐の道」では松山空港から大洲、卯之町、宇和島を通過し、高知県(四万十市)へ行く道を紹介していました。偶然ですが、私が今回旅行したのは「街道をゆく 南伊予・西土佐の道」のちょうど逆回りとなりました。お勧めのルートです。
松山市内から松山空港へ移動し、東京に戻りました。私が利用した交通機関は以下の通りです。
大街道17:26発 松山空港リムジン 松山空港17:55着 運賃750円
松山空港19:30 ANA598便 羽田空港21:00着
(注:文中に掲載している交通機関の出発・到着時間や運賃、入場料、食事の料金などはBLOG執筆時のものです。今後変更する可能性がありますので、旅行に行く際にご自身でご確認ください。)