第3回:神楽坂商店街の店主に聞く – 外国人旅行者が訪れるべき文房具店。文豪たちが愛した約400年の歴史。

神楽坂の散策で文房具店を通して出会う、日本文化と歴史の魅力


江戸時代から現代まで続く400年の物語
『相馬屋』の歴史は江戸時代に遡ります。初代の源四郎さんは、神田川で和紙を漉き、神楽坂で乾燥・保管し、販売していました。江戸時代には、武家屋敷や寺社に和紙を納めており、江戸時代が終わったあとは商材豊富な和紙問屋として宮内庁にも出入りを許されていました。

江戸時代の東京は水運が発達しており、日本酒などの重い荷物は舟で運ばれていました。紙は日本酒の隙間に置かれ運ばれたといいます。神楽坂下の揚場町では、相馬屋の紙と、神楽坂の老舗酒類卸問屋「升本総本店」(1780年代に創業)の日本酒が一緒に荷揚げされていたことでしょう。このように、「相馬屋」は花柳界であった神楽坂という土地と深く結びついた歴史を持つ店なのです。

「原稿用紙」の誕生秘話


現在の相馬屋

また、神楽坂(東五軒町)には、1897年創業の老舗 筆記用具大手「ゼブラ」の本社があります。ゼブラは、日本で最初に万年筆の鋼ペン先を製造した企業で、『相馬屋』とのつながりも深いようです。

外国人旅行者に人気の商品
1. 高品質な筆記用具
日本の万年筆やボールペンは世界的に高い評価を受けており、外国人旅行者にも喜ばれる商品です。

2. 100種類以上のポチ袋
美しいデザインのポチ袋は、ちょっとした贈り物やお土産にぴったりです。その品揃えは東京都内でも屈指です。

3. 千代紙やキャラクターグッズ
伝統的な千代紙だけでなく、ポケモンやジブリキャラクターのUNOやトランプも販売されています。これらは特に海外向けのお土産として人気があります。

デジタル時代でも残る「書く文化」

十一代目店主・長妻直哉さんの想い

長妻さんは「もっと外国人旅行者に店に来てもらい、日本の高品質な文房具を手にしてほしい」と語ります。この店は、ただ商品を販売するだけでなく、温かみのある接客と地域とのつながりを大切にしています。

神楽坂で特別な文房具体験を
神楽坂は、多くの文豪が住んだ近代日本文学発祥の街(注:発祥の街は本郷という意見もある)です。その歴史ある文学の街にある『相馬屋』は、文房具好きや日本文化に興味のある人にとって必ず訪問すべき店です。店内の文豪たちの直筆の原稿用紙も必見です。
ポチ袋や千代紙、高品質な万年筆など、日本ならではの文房具を探しにぜひ訪れてみてください。昔懐かしい雰囲気と、約400年の歴史が作り出す特別な空間があなたを待っています。あわただしい現代に、ゆるやかな時間が流れているかのような店内の雰囲気にあなたもきっと癒されることでしょう。

まとめ

店舗情報: 相馬屋源四郎商店
ホームページ: soumaya.co.jp「神楽坂・相馬屋」で検索できます
住所:東京都新宿区神楽坂5-5
営業時間:月~土 10:00-18:00
定休日:日・祝日