点字ブロックとアクセシブルツーリズム
目次
1:日本点字図書館
2:高田馬場から世界に広がった点字ブロック
3:アクセシブルツーリズムとサステナブルツーリズム
1:日本点字図書館
当社近隣の或る施設と、その存在によって全国に広まった視覚障害者をサポートする素晴らしい設備をご紹介します。
当社が入居する高田馬場シェアオフィスのすぐ近くに「日本点字図書館」があります。「社会福祉法人 日本点字図書館」は、故・本間一夫さんが1940年に設立した視覚障害者用の図書館です。今では点字図書に加え録音図書、録音雑誌などの無料貸し出し、インターネット配信サービスなど、様々な事業を行っています。
更に国内だけでなく「アジア盲人図書館協力事業」において、アジア地域の視覚障害者に点字図書の供給を行っています。故・本間一夫さんは「権利において、義務において、晴盲二つの世界があくまでも公平でなければならぬ」との言葉を残しました(晴眼者=視力がある人)。この言葉は現在のユニバーサルデザイン、アクセシブルデザインに通じています。
2:高田馬場から世界に広がった点字ブロック
多くの視覚障害者が「日本点字図書館」に通っていたことにより、1972年に点字ブロック(視覚障害者誘導用ブロック)約1万枚が高田馬場に設置されました。これは公的資金による本格的な敷設の始まりでした。その後、点字ブロックは世界に広がり、視覚障害者の外出に大きく寄与しました。
なお、点字ブロックは故・三宅精一さんが、1967年に岡山県立岡山盲学校近傍の国道2号線の横断歩道へ点字ブロック230枚を私費で敷設したことが始まりです。点字ブロックの発明は「視覚障害者は目が見えないのだから、外出が不便で当たり前」と考えられていた世界を変革するイノベーションでした。この発明により、世界の2億人以上の視覚障害者(中程度から重度の視覚障害)の外出を救いました。
3:アクセシブルツーリズムとサステナブルツーリズム
皆さんは外国旅行時に大きな荷物(受託手荷物)を持っていくことが当たり前と思っていませんか。大きな荷物を持ち歩けない人々は旅行に行けないことが当たり前と思っていませんか。
日本在住の人の海外旅行回数は、全体平均と比べ乳幼児連れ家族は27%少なく、60代は13%少なく、70代は72%少ないとの結果(2019年JTB調査)でした。また、米国の調査では旅行回数は全体平均よりも障害者が63%少ないとの結果(2019年Wheelchair Travel、Tourism Academy) でした。当社ではこの旅行者の断絶を「Travel Divide」と呼んでいます。
当社では「衣類レンタル」により、大きな荷物(受託手荷物)の運搬を無くし、「Travel Divide」を解消したいと考えています。荷物運搬を無くすことにより、子連れ家族、高齢者、障害者など幅広い人々に身軽な旅行の機会を提供することはアクセシブルツーリズム(ユニバーサルツーリズム)に通じると考えています。
また、受託手荷物を削減することは圧倒的なCO2削減効果となります。20kgの受託手荷物を搭載しないことによるCO2削減効果(成田空港往復)は植林186本分に相当します。これは大きな気候変動対策ですし、最高のサステナブルツーリズムと言えます。
是非、アクセシブルツーリズム(ユニバーサルツーリズム)かつサステナブルツーリズムに通じる当社サービスの利用をご検討ください。