11月の日本旅程1日目(長崎県1日目)
(11月15日 月曜日)
目次
11月15日(月)から11月20日(土)の5泊6日で長崎県、福岡県の旅行に行ってきました。引き続き、旅程は11月に旬を迎える魚介類の種類・漁獲量が多い都道府県から作成しました。長崎県、福岡県は全国ランキング2位と4位でした。また、長崎県、福岡県の多くの郷土料理、御当地人気料理特選(それぞれ農林水産省選定)も食べられました。
なお、今回の旅行も衣類など荷物は事前に宿泊先に送付し、大きな荷物を運ばない「手ぶら旅行」を実施しました。「手ぶら旅行」は移動中も楽ですし、時間の有効活用にもなりました。最終宿泊先から着た衣類を洗濯代行業者に送付したので、洗濯をする必要が無いラクな旅となりました。
1、高島
早朝、羽田空港(7:40発)から長崎空港(9:35着)まで日本航空JL605便で移動しました。飛行機着陸後、長崎空港から9:55発のバスで長崎駅(10:38着)へ行きました。運賃は1,000円でした。空港から駅前まで43分かかるため、長崎空港は比較的アクセスの悪い空港となります。
長崎駅到着後、長崎港ターミナルから高島へ移動しました。高島観光の目的は世界遺産である「明治日本の産業革命遺産」の見学です。私が乗船した船は以下の通りです。
長崎港ターミナル11:50発 高島12:27着 高速船「俊寛(しゅんかん)」
往復運賃:大人(中学生以上)2,080円、小人(小学生)1,040円
健康釣りパック:大人(中学生以上)2,230円、小人(小学生)1,120円
高速船「俊寛」は途中で伊王島に寄港します。高速船の俊寛という名前は伊王島に俊寛の墓があるためです。俊寛は平安時代の僧で後白河法皇の側近でしたが、平家討伐の陰謀により島流しとなりました。その島が伊王島といわれています。ただし、鹿児島県の硫黄島など様々な説があります。
高島上陸後、レンタサイクルを借りて、高島を自転車で回りました。レンタサイクルは電動アシスト自転車で5時間500円と格安でした。高島は自転車で一周しても30分くらいの小さな島なので、レンタサイクルでぶらぶら観光するには最適でした。
高島の世界遺産は日本で初めて蒸気機関を導入した近代竪坑である「北渓井坑跡」となります。ただし、竪坑跡があるだけなので見学しても楽しくはありません。私が見学したときは他に見学者はおらず、数匹の猫が気持ちよく寝ていただけでした。
「北渓井坑跡」のすぐ近くに「グラバー別邸跡」があります。観光客に有名な「グラバー園」の旧グラバー住宅を建てたトーマス・ブレーク・グラバーの別邸です。現在、建物は残っていません。立地としては東シナ海が一望でき、長崎市内も見えるとてもいい場所です。グラバーは佐賀藩との合弁により高島炭坑(1868年稼働開始)を経営していました。その後、1881年に高島炭坑は岩崎彌太郎に譲渡され、三菱グループを支えました。そのため、高島には岩崎彌太郎の銅像もあります。なお、高島炭坑は1986年に閉山しました。
高島炭坑の閉山後、多くの人が島を離れました。そのため、端島(軍艦島)ほどではないにせよ、元工場の廃墟化や人が住んでいない住宅が廃墟化しつつ残っています。切ないのは一部でまだ人が住んでいるにもかかわらず、住宅の廃墟化が進みつつあるということです。
高島観光の最大の魅力は端島(軍艦島)が綺麗に見えることです。端島炭坑は高島炭坑とともに、世界遺産の構成資産の一つです。端島は「軍艦島」と呼ばれ、多くの観光客が訪れます。前回、私も長崎を訪問した際に「軍艦島」に上陸しました。1枚目の写真は高島から撮影した軍艦島、2枚目の写真は前回長崎を訪問した際の軍艦島クルーズの際に撮影した写真です。
軍艦島クルーズでは軍艦島の近くまで船が近づくため、より詳細に軍艦島を見ることができますし、上陸もできます。しかし、ツアーは人気で多くの人たちと共に過ごすこととなります。一方、高島では誰もいない中でゆっくり軍艦島を眺めることができました。軍艦島を独り占めしているようで贅沢な時間となりました。私は早めの時間に高島を離島したので見れませんでしたが、夕焼けを背景とする軍艦島もとても綺麗に見えるのではないか、と思いました。
今回、私は健康釣りパック(大人2,230円)を購入し、高島へ行きました。健康釣りパックとは往復乗船券(大人2,080円)と高島いやしの湯の施設利用券(1,020円)、若しくは高島飛島磯釣り公園の入場券(510円)がセットになっているパック券です。自転車で高島を一周した後に、高島いやしの湯でタラソテラピー(海洋療法)を楽しみました。なお、入場には水着とスイミングキャップが必要です。持ち込みも可能ですが、レンタル料310円で借りることもできます。ゆっくりサイクリングをして、ゆっくりお湯につかってサウナに入り、とてもリラックスできました。
高島いやしの湯を出た後、高島を15:00に出航し、長崎港ターミナルに15:36に到着しました。長崎港ターミナルの往復で3時間強の小旅行でしたが、非日常感を味わうことができ満足しました。
2、さるく(出島、眼鏡橋、大光寺)
長崎ターミナルから国宝崇福寺に行く途中に長崎市内を散策しました。長崎は文化財が多くて散策するのが楽しい街です。長崎国際観光コンベンション協会でも長崎市内を散歩することを「長崎さるく」として観光客に売り出しています。なお、「さるく」とは街をぶらぶら歩くという意味の長崎弁です。
長崎市内には路面電車が走っており、風情があります。私は路面電車が走る街は好きです。長崎の路面電車は1915年に開業し、100年以上の歴史があります。写真のようなレトロな車両が多いのも特徴だと思います。また、記念日やイベント時以外には運行されていませんが、長崎電気軌道株式会社は1911年(明治44年)製の日本で現役最古の木造ボギー車を所有しています。
街の中に復元された出島を見ることができます。江戸時代の日本の世界への窓口がこんなにも小さな場所だったのか、と驚きます。私は前回、出島の中を見学したので今回は行きませんでしたが、行ったことがない人は出島の中を見るのは楽しいと思います。
眼鏡橋は国の重要文化財に指定されている現存最古のアーチ型石橋です。1634年に興福寺の黙子如定(もくすにょじょう)禅師が架設した、と伝承されています。長崎観光の有名なスポットの一つです。
大光寺は崇福寺のすぐ近くにある浄土真宗のお寺です。1614年に僧慶了が創建しました。山門の奥に親鸞聖人像があります。
3、崇福寺(そうふくじ)
長崎港ターミナルからゆっくり歩いて20分程度で崇福寺に到着しました。私は前回も崇福寺に行ったのですが、その素晴らしさが忘れられず、今回の再訪となりました。
崇福寺は1629年に長崎で貿易を行っていた福建省出身の華僑の人々が招いた唐僧超然が創建しました。中国様式の寺院としては日本最古のものです。現在は禅宗である黄檗宗(おうばくしゅう)の寺院です。
第一峰門と大雄宝殿は国宝となります。長崎県での国宝建造物は崇福寺の2件と大浦天主堂だけです。他に、崇福寺には国の重要文化財が5つ(うち、建造物は4つ)あります。
拝観料は大人300円です。ただし、入口には係員はおらず、「本堂内の賽銭箱に入れてください」と張り紙があるだけです。私はいろんな寺院に行きましたが、拝観料の徴収を賽銭箱に入れるという形式だったのは崇福寺だけです。前回、私はこの張り紙を見落としていて拝観料を払ってなかったので今回は2回分の拝観料を賽銭箱に入れました。
崇福寺には上記のような多くの文化財があるのですが、前回も今回も訪問客は私だけでした。同じ国宝の大浦天主堂には多くの観光客が行くので不思議です。崇福寺はガイドブックなどに掲載されていないからだと思います。
実際、一休.comの「長崎市のおすすめ観光スポット21選」には崇福寺は掲載されておらず、トリップアドバイザーでは30位に、じゃらんの「長崎市の観光スポット11月にオススメランキング」には61位にようやく崇福寺が登場します。崇福寺は国宝なのに穴場スポットという不思議な場所です。その分、崇福寺を独り占めすることができるので、私としては皆さまにとてもお勧めしたいスポットです。
国宝の第一峰門は階段の上にある門です。門の軒下の構造物が複雑な組み方であるとともに、色彩もとても素晴らしいです。
大雄宝殿は国宝であり、お釈迦様を本尊とする仏殿です。長崎市で現存最古の建物となります。横に大きく広がる屋根が素晴らしいです。ご本尊のお釈迦様も実にいいお顔をされています。
国の重要文化財では三門(楼門)、護法堂(関帝堂又観音堂)、媽祖門、鐘鼓楼です。全て素晴らしい建築物です。
夕食後、長崎駅前バスターミナルから佐世保駅前バスセンターへ移動しました。JRの特急電車で移動したかったのですが、長崎駅と佐世保駅の間では特急電車が運行していないので、仕方なくバスでの移動となりました。長崎県では人口1位が長崎市、2位が佐世保市です。同一県内の1位、2位の都市間で特急電車が運行されていないのは極めて珍しいと思います。江戸時代に現長崎市は幕府の天領、現佐世保市は平戸藩だったという歴史的な背景が現在の交通にも影響しているのでしょうか。なお、長崎駅、佐世保駅はそれぞれ別に佐賀県の佐賀駅、福岡県博多駅とは直通の特急電車で結ばれています。
(注:文中に掲載している交通機関の出発・到着時間や運賃、入場料、食事の料金などはBLOG執筆時のものです。今後変更する可能性がありますので、旅行に行く際にご自身でご確認ください。)