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4月の日本旅程1日目(高知県 食事編)

4月の日本旅程1日目(高知県 食事編)

(4月18日 月曜日)

 

目次

1、ひろめ市場 珍味堂

2、クラフトビール TOSACO

3、田中鮮魚店

4、岡村かまぼこ店

5、居酒屋 喜八

 

1、ひろめ市場 珍味堂

高知駅から土佐久礼駅へ向かう特急列車の待ち時間が2時間弱あったので、「ひろめ市場」の「珍味堂」で朝食を食べました。「ひろめ市場」は朝10時から夜10時までの通し営業なので、観光客にとても使い勝手がいい市場です。

「珍味堂」は「ひろめ市場」の中で一番大きなお店です。市場内とは思えないくらいに高知ならではの海の幸と山の幸を多く取り揃えています。私は「のれそれ」、「どろめ(生シラス)」、「蟹味噌」、「くじらすじ」、「焼き鯖寿司」を食べ、「船中八策」を飲みました。

珍味堂

「のれそれ」とはアナゴの稚魚で高知県の海産珍味です。「のれそれ」は白色で透き通った体をしており、神秘的な姿から水の妖精とも呼ばれています。高知県産の「のれそれ」の旬は2月から5月です。なお、「のれそれ」は高知県での呼び名が全国に広がったものです。他の地域では岡山県では「ベラタ」、兵庫県(淡路島や明石市)では「ハナタレ」、茨城県では「ペロペロ」と呼ばれています。こうした名称については4月23日の「3月の日本旅程4日目(広島、岡山 食事編」のBLOGで紹介しました。本場の高知県で「のれそれ」を食べられて良かったです。

のれそれ

全国漁業協同組合連合会は高知春野のどろめ」(旬:9月~12月)を高知県の秋の「PRIDE FISH」に選出しています。高知県では生のイワシシラス(カタクチイワシの稚魚)のことを「どろめ」と呼びます。「どろめ」は高知市の西端に位置する春野漁港で水揚げされます。漁場は仁淀川下流域から桂浜の沿岸域です。「PRIDE FISH」では旬を秋としていますが、漁期は春と秋です。今回は旬の時期ではないかもしれませんが、漁期の春なので、新鮮で美味しい「どろめ」を食べることができました。

どろめ

高知県では古くから鰹と並んで鯨の漁業が盛んでした。現在は漁獲量が制限されているため、高知沖で鯨を獲ることができず、南氷洋調査捕鯨のミンク鯨などを鯨料理に使っています。高知県では伝統の食文化として様々な鯨料理が今でも食べられています。鯨のすじ肉を使う「くじらすじ」は鯨を食文化とする高知県ならではの食べ物だと思います。独特の食感が堪らないとても美味しい珍味でした。

くじらすじ

 高知県では「PRIDE FISH」にも選ばれている「土佐の清水さば」などブランド鯖の存在により鯖料理が有名です。駅弁「焼きさば寿司」はJR四国主催の「四国の駅弁選手権」で銅賞(2012年、2013年)に選ばれた人気駅弁です。「珍味堂」で食べた「焼き鯖寿司」が土佐清水産かどうか分かりませんが、美味しい「焼き鯖寿司」でした。

 

2、クラフトビール TOSACO

高知駅から土佐久礼駅へ向かう「特急あしずり3号」の中で高知カンパーニュブルワリーのクラフトビール「TOSACO」を2本飲みました。

高知カンパーニュブルワリーは2017年創業の若いビール会社ですが、数々の賞を受賞している新進気鋭のビール会社です。主に、高知県産素材を使い、高知県香美市土佐山田町でクラフトビールを製造しています。ビール瓶のパッケージデザインもとてもセンスが良く、好感が持てるビール会社です。

クラフトビール TOSACO

今回私が飲んだのは「ゆずペールエール」と「土佐IPA」です。「ゆずペールエール」はゆずの香りと味がしっかり効いていてすっきりとした美味しいビールでした。一方、「土佐IPA」はIPAならではのどっしりとした味わいのビールでした。おいしい高知県産のクラフトビール「TOSACO」を飲みながら、高知県の景色を眺めながらの車窓の旅はとてもいいものでした。

 

3、田中鮮魚店

土佐久礼駅に到着し、久礼大正町市場にある「田中鮮魚店」で昼食を食べました。久礼大正町市場は久礼の街で最も活気がある場所です。市場では新鮮な魚介類や干物、地元産の野菜など多くの食材が売られています。1915年(大正4年)に市場周辺が火災で焼失した際に、大正天皇が復興費を寄付してくれたことに感激した町民たちが「大正」の名前を市場の名前に付けたことが久礼大正町市場の「大正」の名前の由来です。

久礼大正町市場

久礼大正町市場

「田中鮮魚店」では新鮮な魚介類の販売をしており、そこで購入した魚介類を「漁師小屋」で食べることができます。「漁師小屋」は満席で5分ほど席が空くのを待ちました。「田中鮮魚店」の店頭には巨大な魚籠がぶらさがっています。

田中鮮魚店

田中鮮魚店

私が食べたのは「鰹の刺身」、「鰹のタタキ」、「ウツボのタタキ」と「どろめ」です。「どろめ」は「珍味堂」の半額の300円でした。さすがに漁師町です。ご飯と味噌汁のセットは300円です。

田中鮮魚店

「鰹の刺身」、「鰹のタタキ」は私の人生で史上最高の美味しさでした。鰹独特のねっとりとした食感の美味しい鰹でした。臭みは全くありませんでした。高知駅から特急で1時間弱かかりますが、「漁師小屋」はわざわざ行く価値がある食堂だと思います。「漁師小屋」は食べログでも3.67の高得点を獲得し、高知県全体の飲食店で15位となっています。

なお、「鰹のタタキ」は農林水産省が選ぶ高知県の「郷土料理百選」に選出されています。

田中鮮魚店

全国漁業協同組合連合会は「土佐さが日戻り鰹」(旬:3月~5月)を高知県の春の「PRIDE FISH」に選出しています。「土佐さが日戻り鰹」は幡多郡黒潮町にある土佐さがで「一本釣り」により釣り上げたその日に水揚げされた鰹をその日のうちに食べる鮮度バツグンの贅沢な鰹です。

高知県は全国一のカツオ消費県で、一人あたりの消費量は全国平均の約5倍です。2位の福島県の2倍以上の消費量です。しかし、漁獲量は日本で4位、シェア6%(2020年)です。高知県の漁獲量の少なさはかなり意外感があります。なお、1位は静岡県(シェア30%)、2位は東京都(シェア18%)、3位は宮城県(シェア11%)です。

「ウツボのタタキ」は高知県名物です。ウツボは黒潮が通る海域であれば、日本近海のどこにでも生息しています。しかし、ウツボを食材とする地域は主に四国と和歌山県など一部地域に限定されています。ウツボには厚い皮と小骨があって調理に手間がかかることが他の地域で食材になりにくい理由です。ただし、味は美味です。「ウツボのタタキ」は主に高知県で食べられる料理法です。今回、鰹に感動したので、「ウツボのタタキ」も美味しかったのですが、感動は鰹よりも小さかったです。

ウツボのタタキ

「田中鮮魚店」の店頭にある「串焼きポン吉」で「鰹の心臓(チチコ)」の串焼き(一本200円)を食べました。当然、鰹一匹から一個の心臓しか取れません。従って、鰹の心臓は極めて貴重な部位となります。また、鮮度を保つのが難しいため、基本的には鰹漁を行う漁港近くでしか食べられないようです。以下の写真は「鰹の心臓(チチコ)」を2個食べてから撮影したもので、最初は4個付いていました。味は牛レバーに近いように感じました。まさに珍味でした。「串焼きポン吉」の店主工藤圭司さんは鰹についていろんなことを説明してくれる感じの良い方でした。

串焼きポン吉

 

4、岡村かまぼこ店

久礼の街の散策を楽しんだ後に、岡村かまぼこ店で「くれ天」を食べました。「くれ天」は土佐久礼の伝統の味で、昭和13年(1938年)から営業し続けています。毎日2,000枚作っても売り切れることもあるそうです。くれ天に使う魚は地元で獲れた新鮮な小魚です。小魚を骨ごとすり潰し、じっくり練り上げてから油で揚げています。

くれ天

くれ天

岡村かまぼこ店の「くれ天」は1枚売り(80円)をしています。今まで食べた揚げ蒲鉾類(薩摩揚げ、飫肥天など)の中でもトップクラスの美味しさでした。久礼の街に行く際には必ず寄ってほしい店です。

 

5、居酒屋 喜八

土佐久礼駅から中村駅に移動し、少し観光をした後に、「居酒屋 喜八」で夕食を食べました。私は18時に入店しましたが、既にかなりの人数の客がいて、18時半には満員となりました。月曜日の夜にもかかわらず、ものすごい人気店です。実際、食べログでも3.68の高得点を獲得し、高知県全体でも11位でした。

「居酒屋 喜八」で注文したのは「清水さばの刺身」、「鰹の塩タタキ」、「鯵の刺身」、「うなぎ白焼き」、「ごりの唐揚げ」です。

「土佐の清水さば」(旬:10月~2月)は全国漁業協同組合連合会により、高知県の冬の「PRIDE FISH」に選出されています。高知県土佐清水市の足摺岬沖では潮流が速くエサが豊富なため、身の締まったゴマ鯖が一年を通じて漁獲されます。一尾一尾一本釣りするため、魚に網の傷をつけず最良の状態で水揚げされます。

私が食べた4月中旬は少し旬を過ぎていましたが、とろけるように美味しい鯖でした。なお、「居酒屋 喜八」ではさば刺身を通常の刺身醤油につけて食べるだけでなく、鰹と同じようにニンニクスライスとポン酢に付けて食べることも薦められました。食べ方を変えるので、同じさば刺身を違う料理のように美味しく食べることができました。

清水さばの刺身

「鰹の塩タタキ」は清水港で獲れた鰹を使った絶品塩タタキでした。「田中鮮魚店」で食べた鰹のタタキは史上最高クラスの美味しさだったのですが、「居酒屋 喜八」の「鰹の塩タタキ」も負けず劣らずの美味しさでした。

居酒屋 喜八

「清水さばの刺身」、「鰹の塩タタキ」があまりにも絶品だったので、「鯵の刺身」の感動は少なかったです。ただし、「鯵の刺身」も十分美味しかったです。

鯵の刺身

「うなぎ白焼き」と「ごりの唐揚げ」はどちらも四万十川の名物です。「うなぎ白焼き」は少し小ぶりの鰻でしたが、身がとても柔らかく美味しい鰻でした。四万十川の天然鰻については4日後に投稿予定のBLOGで詳細を述べたいと思います。

居酒屋 喜八

「ごり」はハゼの仲間であるチチブの幼魚のことです。「ごり」の漁期は2月~4月なので、ちょうど旬の時期に「ごりの唐揚げ」を食べることができました。小さく食べやすい美味しい唐揚げでした。「ごりの唐揚げ」はビールにも日本酒にもよく合う味でした。

居酒屋 喜八

 

 

(注:文中に掲載している交通機関の出発・到着時間や運賃、入場料、食事の料金などはBLOG執筆時のものです。今後変更する可能性がありますので、旅行に行く際にご自身でご確認ください。)

 

 

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