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矢来能楽堂での「ことのは能Vol.3」:目の不自由な人も鑑賞を楽しむ

矢来能楽堂での「ことのは能Vol.3」:目の不自由な人も鑑賞を楽しむ

矢来能楽堂は目の不自由な方にも能鑑賞の工夫をしている

昨日、矢来能楽堂で「ことのは能Vol.3」を鑑賞しました。この公演は目の不自由な人も積極的に工夫をした一般社団法人一乃会(代表理事 鈴木啓吾氏)の公演です。事前に点字紙媒体を目の不自由な人にお送りし、前もって公演内容をつかんでから、より分かりやすく能を鑑賞するというものです。晴眼者にも事前に能を理解しやすいように、現代語訳が送られてきました。

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いざ鎌倉の語源である「鉢ノ木」

「ことのは能Vol.3」では「いざ鎌倉」の語源にもなった「鉢木(はちのき)」を講談と能で同じ番組により行うというものでした。講談は一龍斎貞橘(いちりゅうさい ていきつ)師匠、能はシテ(主役)を能楽師・鈴木啓吾として演じられました。

「鉢木」は鎌倉時代の武士の忠義を描いた物語で徳川家康も好んだとされている名曲です。あらすじは以下の通りです。鎌倉幕府の第5代北条時頼が旅僧に扮して諸国を行脚し、貧困に苦しむ佐野源左衛門尉常世(さののげんざえもんのじょうつねよ)の家に宿泊します。常世が「鎌倉で事変などあれば誰よりも先に駆けつけるつもり」と旅僧に語ります。そして、鎌倉に戻った時頼は武士に召集をかけ、常世がみすぼらしい出で立ちながら、鎌倉へと駆けつけます。今回の召集は、時頼が常世の言葉に偽りがないかを確かめるためのもので、時頼は実際に鎌倉にやってきた常世を称賛して褒美を与えます。この物語が「いざ鎌倉」の語源になったと言われています。

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「いざ鎌倉」は、もとは武士の忠義をあらわす言葉です。現代では、緊急事態に際して「やってやるぞ」などと発奮した時に使われる慣用句です。 また、一大事に備えたり、すぐに行動を起こしたりする様子を表すときに使います。

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素晴らしい社会的な取り組みをしている矢来能楽堂に行き、彼らをサポートしよう

「ことのは能Vol.3」では、心豊かな時間(公演)を楽しんでいただきたいという一乃会の鈴木啓吾氏が取り組んでいる公演です。矢来能楽堂には白杖を持った方や盲導犬を連れた方など多くの視覚障碍者が参加していました。講談、能の素晴らしさとともに、多くの視覚障碍者が参加する満員の観客席にはまさに「心豊かな時間」が流れており、心が洗われる時間にもなりました。

こうした素晴らしい取り組みを続けている矢来能楽堂に是非、一度足をお運びください。矢来能楽堂が企画している各種公演は魅力的なものばかりです。5月6日には日本のスパイダーマンである小学生でも楽しめる「土蜘蛛」の公演も予定されています。また、当社に御連絡いただければ、能舞台への登壇や能面の鑑賞など矢来能楽堂での各種体験も可能です。是非、矢来能楽堂を様々な方法で楽しみ、彼らの素晴らしい取り組みを応援しましょう。

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