マグロ乱獲は問題だったが、救世主が現る
目次
1:世界のマグロ市場
5月2日は、国連が2016年12月に定めたWorld Tuna Dayです。寿司ネタとして、日本人のみならず多くの外国人観光客にも人気が高いマグロ市場につき考察してみました。
現在、マグロは96カ国以上で捕獲されています。年間600~700万トンのマグロとマグロ類が水揚げされます。マグロ類の年間取引額は120億ドルもあり、世界の海洋漁業金額の20%を占めています。
マグロとマグロ類は、ツナ缶と刺身・寿司という2つの主要製品に分けることができます。ツナ缶市場ではカツオやキハダマグロなどの淡肉種(Light meat species)が主流で、寿司・刺身市場ではクロマグロやメバチマグロなどの赤身種(Red meat species)が好まれます。
2:マグロ保護活動の効果
マグロは乱獲が問題となっていましたが、世界的なマグロ保護運動により、2014年から2019年にかけて、乱獲が発生しているマグロ資源の数は13から5へと減少しました。また近年では、クロマグロの養殖によるマグロ資源保護の動きが活発です。日本でも2012年以降クロマグロの養殖漁獲量は急増し、天然マグロ漁獲量の1.8倍にもなりました。
出所:農林水産省
3:日本のクロマグロ漁獲量の都道府県別ランキング
日本でのクロマグロ漁獲量の都道府県別ランキング(2021年)は、1位長崎県 2位鹿児島県 3位高知県 4位愛媛県 5位三重県と、養殖の盛んな地域が上位となりました。
クロマグロ漁獲量の都道府県別ランキング(トン)
天然 養殖 合計 1 長崎 1,492 7,144 8,636 2 鹿児島 375 3,584 3,959 3 高知 643 2,308 2,951 4 愛媛 563 2,031 2,594 5 三重 597 1,493 2,090 6 和歌山 76 1,965 2,041 7 青森 1,463 - 1,463 8 静岡 1,270 - 1,270 9 宮城 1,110 - 1,110 10 大分 33 1,006 1,039
出所:農林水産省
養殖の普及により乱獲を心配することなく、クロマグロを安心して食べられるのは嬉しいことです。是非、日本旅行の際にクロマグロの寿司・刺身を楽しんでください。