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私たちの東京伝統文化体験が失敗しない理由を初公開③

私たちの東京伝統文化体験が失敗しない理由を初公開③

ガイドチームを最強にする「ヘッドコーチシステム」の秘密

本ブログは、当社の伝統文化体験が “失敗しない仕組み” を解き明かす「ヘッドコーチシステム」シリーズ第3回です。第1回では、「お客様の理解度や関心に応じて内容を微調整し、失敗を未然に防ぐ“お客様に応じた調整力”」を、第2回では、「職人とヘッドコーチが毎日顔を合わせることで信頼が最大化し、職人や芸者、僧侶たちが“最高のパフォーマンス”を発揮する心理学的メカニズム」をご紹介しました。そして今回は、ヘッドコーチシステムが “ガイドチーム” に与える好影響を解説します。

 

当社は、体験提供者(職人や芸者、僧侶など)とガイド、そしてヘッドコーチが“三位一体”となって動くことで、一般的な旅行会社では再現が難しい「失敗しない東京伝統文化体験」を実現しています。

これは決して他の旅行会社様の取り組みを否定するものではありません。第1回・第2回で述べたとおり、当社のヘッドコーチシステムは “狭く深く” という超マイクロツーリズムを前提とした特有の運営モデルです。この環境が整っていなければ機能しないため、大規模な旅行会社様とは前提条件そのものが異なります。つまり、当社は地域を限定した小規模体制だからこそ、職人・ガイド・ヘッドコーチが日常的に顔を合わせ、三位一体で動ける仕組みを維持できているのです。

そして、この「三位一体」の中心にいるのがガイドです。一般的には職人や芸者が注目されがちですが、東京伝統文化体験の質を最終的に決定づけているのは、実は“ガイド”なのです。

 

 

1:なぜ、ガイドこそ「東京伝統文化体験」の品質を左右するのか

東京伝統文化体験は、職人や芸者、僧侶たちの技術だけで成立するものではありません。その価値を決めるのが、実は ガイドの存在です。ガイドはただの案内人ではありません。「文化の翻訳者」 であり、外国のお客様と、日本伝統文化の世界をつなぐ “かけ橋” の役割を担っています。ガイドが伝統文化の専門用語を理解できず、翻訳できないことで、職人や芸者、僧侶たちの素晴らしい話は外国の方に伝わらず、体験価値は半減以下になってしまいます。

実際、観光庁の「ガイド人材に求められるニーズに関する調査結果(2024年5月)」によると、ガイドに身に付けておいてもらいたい知識において「非常に重要」と回答されたのは文化・歴史分野でした。回答した1,897人の外国人旅行者の69%が「非常に重要」と回答した「文化体験における文化の成り立ちや背景」が1位となりました。また、2位は67%が「非常に重要」と回答した「歴史体験における歴史背景」でした。

 

ガイドに身に付けておいてもらいたい知識

出所:観光庁「ガイド人材に求められるニーズに関する調査結果(2024年5月)」

 

これは、「文化と歴史を理解し説明できるガイドがいない体験は、価値が伝わらない」という旅⾏者視点の強いメッセージです。

 

同じ観光庁の「ガイド人材に求められるニーズに関する調査結果」によると、ガイドに求める勤務姿勢において「非常に重要」との回答は「友好的な姿勢」、「言葉の聞きやすさ」、「話しかけやすさ」がトップ3でした。ガイドの人間力やコミュニケーション能力が旅行者のニーズなのです。

 

ガイドに求める勤務姿勢

出所:観光庁「ガイド人材に求められるニーズに関する調査結果(2024年5月)」

 

つまり、同じ体験内容でも、ガイドの表情、声のトーン、説明の深さ、タイミング調整、ガイドと職人の関係性などが違えば、旅行者の満足度は100点満点で、“50”にも“120”にもなるのです。

ここからは、ヘッドコーチシステムがガイドに与える“心理的な効果”を解説します。Part 1・Part 2 で示したように、ヘッドコーチによる伴走・信頼構築・現場最適化 があるからこそ、ガイドが文化の「翻訳者」として最大の力を発揮できます。

 

2:ガイドが社員であることが生む、強い組織力(所属欲求 × 責任感)

当社はガイドをフリーランスではなく、全員社員として雇用しています。その理由はシンプルです。マズローの欲求階層説で説明されているように、人には「所属欲求」があります。人が高いパフォーマンスを発揮するには、自分の居場所がある、自分は仲間に必要とされている、自分の仕事がチームの価値に直結している、という実感が不可欠です。

マズローの欲求段階説

出所:各種「マズローの欲求段階説」の文献

 

ガイドが社員であることにより、責任感、誇り、「自分の会社の体験を絶対に成功させたい」という強い意志、が自然と生まれます。

フリーランス中心の旅行会社では作れない一体感が、当社の強さの源です。

 

3:日報の共有で全員が成長する——チームの“集合知”のつくり方

ツアー終了後、ガイドは必ず「日報」を提出します。しかし、それは単なる形式的な報告ではありません。書かれるのは、今日気づいたこと、お客様の反応、職人とのやり取り、困った点、感動した瞬間、などです。

そしてその日報は、社内の電子掲示板に提出されるため、ガイド全員に共有されます。心理学者アルバート・バンデューラの「社会的学習理論(モデリング理論)」 にもあるように、人は、他人の経験からも深く学ぶことができる。1人の経験や学びが、チーム全体の成長へと“共有財産”として蓄積されていきます。

これはまさに、ガイドチームの「集合知」 を育てる仕組みなのです。これが、東京伝統文化体験におけるガイド育成の新しいスタンダードです。

日報による「知識の共有」だけではありません。ヘッドコーチがガイドと毎日顔を合わせること自体が、大きな力を持ちます。

注:社会的学習理論(モデリング理論)」とは、自分が直接体験した事柄ではなくても、他者の体験を観察・模倣すること(=モデリング)で学習できることを説いた理論

 

4:ヘッドコーチがガイドに会うと、なぜパフォーマンスが上がるのか(単純接触効果)

私たちの東京伝統文化体験が失敗しない理由を初公開②」で、職人たちとの関係で説明した心理学者ロバート・ザイアンスが提唱した「単純接触効果」 を覚えているでしょうか?

人は、頻繁に会う相手ほど、信頼・好意・安心感を抱く。この効果は、職人だけでなく ガイドにも同様に働きます。ヘッドコーチ(代表)が頻繁にガイドと顔を合わせることで、心理的距離が縮まる、安心して相談できる、ヘッドコーチの哲学が自然に共有される、そして結果的に、ガイドのやる気(Motivation)が最大化される のです。

 

5:毎回の同行が“継続研修”になる——現場で学び続けるガイドたち

ヘッドコーチはツアーが重ならないかぎり、基本的に すべての体験に帯同します。このことにより、ガイドにとって「毎回が現場研修」となります。座学やオンライン講座とは違い、実際の現場で、ゲストの表情を読みながら微調整する技術は、“その瞬間にしか学べない”生きたスキル です。このスキルは偶然に身についたものではありません。
代表取締役は金融業界において、世界中の富裕層と30年間向き合い、“相手の表情からニーズを読み、数秒で次の一手を決める”という高度な対人スキルを実務として磨き続けてきました。

このように、ヘッドコーチシステムは長期間の研修と同様の結果となり、ガイドは急激に成長していきます。このような当社のガイド育成システムは他社では極めて採用が難しいと言えるでしょう。

 

6:入社祝い、誕生日会——人間的なつながりがチームを強くする

私たちは、ガイドの入社祝い、誕生日会など、定期的にみんなで食事をする“チーム会”を開いています。居酒屋で笑いながら話す時間は、単なる飲み会ではありません。心理的安全性、仲間意識、他者理解、本音のコミュニケーション、こうした人間的なつながりこそが、現場での完璧な連携を生むのです。

実際、当社では大人数の体験ツアーでは複数のガイドを派遣します。その際、“チーム会”で形成された仲間意識により、それぞれの特徴を理解し、素晴らしいチームとして、体験ツアーを実施することができます。お互いに会ったことがないガイド同士だとこのような一体感あるチーム運営は難しいでしょう。

 

7:結論——ガイドこそ、体験成功を決める重要なラストピース

当社はラグジュアリー旅行を「期待以上の感動体験」と定義としています。そのためには、まず、安全の確保が大全体となり、次に、より良い「体験の種類」が必要です。さらに、その体験を旅行者は「誰と一緒にするのか」、「どのように行うのか」ということまで考えなくてはいけません。多くの旅行会社は「体験の種類」までしか考えていないことが多いように思います。しかし、素晴らしい職人など体験提供者や優秀なガイドと一緒に、情熱を持って「伝統文化体験」を行うことにより、「期待以上の体験」になるのではないでしょうか。結局は「人」がいかに優秀かによって「体験」自体が変わるのです。

当社では、ラグジュアリー旅行を「期待以上の感動体験」と定義しています。
そのためには、まず第一に 安全の確保 が大前提となり、次に どのような種類の体験を提供するか が重要となります。

しかし、本当に大切なのはその先です。

旅行者は「どの体験をするか」だけでなく、

  • 誰とその体験を行うのか
  • どのように提供されるのか

まで含めて体験価値を判断しています。

多くの旅行会社は「体験の種類」までで止まってしまいがちです。しかし、どれほど素晴らしい技術を持つ職人や芸者であっても、そこに 情熱を持つガイド が加わり、そして 三者が強い信頼関係で結ばれている ことで初めて、体験は「期待以上」へと昇華します。

結局のところ、体験価値を決定するのは “人” であり、その人の質こそが体験の質を変える のです。

 

「期待以上の感動体験」に必要なこと

出所:株式会社EDO KAGURA

 

 

東京での伝統文化体験を成功させるには、

  • 最高の体験提供者(職人など)
  • 最高のガイド
  • 最高の調整者(ヘッドコーチ)

この三者が同じ方向を向き、互いに深く信頼していることが不可欠です。

その結果生まれるのが、“失敗しない東京伝統文化体験” です。より正確に言えば、“失敗を未然に防ぐシステムによる東京伝統文化体験”です。そして、優れた体験はお客様の笑顔を生み、その笑顔が体験提供者・ガイド・ヘッドコーチを幸せにするという幸せを満たした世界の構築につながります。

これこそが、当社が実現している「幸せのスパイラル」 です。

このスパイラルを生み出す仕組みを持つ旅行会社は、世界中探してもほとんど存在しないのではないでしょうか。なぜなら、このヘッドコーチシステムは地域を限定し、「狭く深く」展開しないとコスト的に成立しないためです。すべての体験先が当社オフィスから20分以内の移動距離におさまるという超マイクロツーリズムでしか実現できないのです。

全国規模の広範囲で旅行事業を展開している大手旅行会社や高級ホテルの皆様には、ヘッドコーチシステムがもたらす “超マイクロツーリズムの価値” をご理解いただき、貴社の大切なお客様への特別な体験として、ぜひ当社をご検討いただければ幸いです。

 

 

「ヘッドコーチシステム」シリーズ

第1回:スポーツと料理界にも通じる“ヘッドコーチシステム”の哲学
第2回:信頼による東京での日本文化体験の満足度向上
第3回:ガイドチームを最強にする「ヘッドコーチシステム」の秘密

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