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CO2排出量の削減効果比較(旅行時の荷物削減効果は絶大)

CO2排出量の削減効果比較(旅行時の荷物削減効果は絶大)

 

目次

1:旅行時の荷物削減効果

2:他のCO2排出量削減方法との比較

3:過去50年間の気候変動による世界の死者数は年間4万人超

 

スーツケース

 

1:旅行時の荷物削減効果

前回、日本への旅行時に20kgの荷物を削減した場合の二酸化炭素排出量削減効果を検証しました。今回は他の二酸化炭素排出量削減方法と比較し、その効果がいかに大きいかを説明します。

前回お示しした、日本の成田空港と各国の主要都市を往復した場合の20kgの積載荷物による二酸化炭素排出量を再確認します。

 

主要都市からの成田空港からの距離と積載荷物による二酸化炭素排出量

Distance from Narita airport (Round trip, km)CO2 emission /20kg luggage(kg)
United States of America (Washington)21,684261
Canada (Toronto)20,594248
Italy (Rome)19,776238
France (Paris)19,416234
United Kingdom (London)19,170231
Germany (Frankfurt)18,730226
Australia (Melbourne)16,344197
Russia (Moscow)14,990180
India (Delhi)11,812142
Indonesia (Jakarta)11,668140
Singapore (Singapore)10,708129
Malaysia (Kuala Lumpur)10,812130
Thailand (Bangkok)9,292112
Vietnam (Hanoi)7,43690
Philippines (Manila)6,09673
Hong Kong (Hong Kong)5,92271
Taiwan (Taipei)4,36253
China (Beijing)4,26851
South Korea (Seoul)2,51030
Average12,399149

注:ローマ、ロンドン、モスクワの排出量は羽田空港からのデータ

出所:ICAOECTA英国環境・食料・農村地域省(Defra)国土交通省

 

預入手荷物(20kg)の二酸化炭素排出量はECTA(The European Clean Trucking Alliance)の「Guidelines for Measuring and Managing CO2 Emission from Freight Transport Operations 」に記載されているデータを使用し、当社が計算しました。計算に使用した飛行機による貨物輸送量(トンキロ)あたり二酸化炭素排出原単位は0.602kgCO2/tkmです。

預入手荷物

 

2:他のCO2排出量削減方法との比較

前掲の図表で確認した預入手荷物(20kg)の二酸化炭素排出量は、飛行機に搭載しなければ当然ゼロとなります。この効果と多くの方が実践している他の二酸化炭素排出量削減効果を比較してみました。荷物以外の二酸化炭素排出量削減効果は、日本の環境省のデータを使用しています。

まず、「家庭と外食の食品ロスがゼロになった場合」との比較です。環境省によれば、「家庭と外食の食品ロスがゼロになった場合」、二酸化炭素排出量は一人当たり年間54kg削減できます。食品ロスをゼロにすることによる二酸化炭素排出量削減効果54kgは、台北ー成田空港往復時の預入手荷物(20kg)を飛行機に搭載しない効果53kgとほぼ同じです。なお、日本を訪問する主要国の平均の預入手荷物削減効果は2.8倍となります。

食品ロスをゼロ

 

往復時の預入手荷物(20kg)を飛行機に搭載しない効果と他の方法との比較①(預入手荷物 / 他の方法)

Zero food wasteUse your own bottlesPlantation of one tree
54kg/person4kg/person0.8kg/one tree
United States of America4.865.3326.3
Canada4.662.0309.9
Italy4.459.5297.6
France4.358.4292.2
United Kingdom4.357.7288.5
Germany4.256.4281.9
Australia3.649.2246.0
Russia3.345.1225.6
India2.635.6177.8
Indonesia2.635.1175.6
Singapore2.432.2161.2
Malaysia2.432.5162.7
Thailand2.128.0139.8
Vietnam1.722.4111.9
Philippines1.418.391.7
Hong Kong1.317.889.1
Taiwan1.013.165.6
China1.012.864.2
Korea0.67.637.8
World Average2.837.3186.6

注:他の方法は年間の二酸化炭素排出量削減効果

 

次に、「使い捨てのペットボトル(500ml)をステンレス製のマイボトルに置き換え、年間30回利用した場合」の効果です。マイボトルへの置き換えにより、二酸化炭素排出量は一人当たり年間4kg削減できます。台北ー成田空港往復時の預入手荷物(20kg)を飛行機に搭載しない効果53kgはマイボトル置き換え効果の13.1倍にもなります。なお、日本を訪問する主要国平均の預入手荷物削減効果は37.3倍となります。

使い捨てのペットボトル

植林との比較ではどうでしょうか。気候変動問題へ関心が高い人は植林を行っている人もいると思います。ただし、1本の植林による二酸化炭素削減効果は年間0.8kgしかありません。台北ー成田空港往復時の預入手荷物(20kg)を飛行機に搭載しない効果53kgは植林65.6本分の効果になります。なお、日本を訪問する主要国の平均の預入手荷物削減効果は植林186.6本分となります。

植林

次に、二酸化炭素排出量削減効果が大きな方法と比較してみます。

 

往復時の預入手荷物(20kg)を飛行機に搭載しない効果と他の方法との比較②(預入手荷物 / 他の方法)

When a house shifts to solar powerWhen electric vehicles are charged and used on normal electricityWhen air conditioning is used for one hour less per day
1,275kg/person242kg/person26kg/unit
United States of America0.201.110.0
Canada0.191.09.5
Italy0.191.09.2
France0.181.09.0
United Kingdom0.181.08.9
Germany0.180.98.7
Australia0.150.87.6
Russia0.140.76.9
India0.110.65.5
Indonesia0.110.65.4
Singapore0.100.55.0
Malaysia0.100.55.0
Thailand0.090.54.3
Vietnam0.070.43.4
Philippines0.060.32.8
Hong Kong0.060.32.7
Taiwan0.040.22.0
China0.040.22.0
Korea0.020.11.2
World Average0.120.65.7

注:他の方法は年間の二酸化炭素排出量削減効果

 

一軒家をソーラーパネルによる発電に置き換えた場合、二酸化炭素排出量削減効果は一人当たり年間1,275kgです。ワシントンー成田空港間往復時の預入手荷物(20kg)を飛行機に搭載しない効果261kgは、ソーラーパネル設置効果の0.2倍にしかなりません。また、日本を訪問する主要国平均の預入手荷物削減効果は0.12倍にしかなりません。ただし、ソーラーパネル設置には多額の初期コストが必要です。

なお、ソーラーパネルによる二酸化炭素排出量削減効果は1日当たり3.5kgです。預入手荷物(20kg)を飛行機に搭載しない平均効果149kgはソーラーパネルによる1日当たり削減効果3.5kgの43倍となります。1日当たりの削減効果に換算すると荷物削減効果はかなり大きな効果です。

ソーラーパネル

電気自動車を通常電力で充電し使用した場合、二酸化炭素排出量削減効果は一人当たり年間242kg削減です。ただし環境省のデータでは、走行距離や乗車人数など詳細は不明です。電気自動車へ乗り換えることによる効果は、トロントー成田空港間往復時の預入手荷物(20kg)を飛行機に搭載しない効果248kgに匹敵します。なお、日本を訪問する主要国の平均の預入手荷物削減効果は0.6倍です。なお、環境省データでは電気自動車を再生可能エネルギーで充電し使用した場合、二酸化炭素排出量削減効果は一人当たり年間467kgとなっています。しかし、電気自動車と再生可能エネルギーを併用することによるコストはかなり高額です。

なお、電気自動車による二酸化炭素排出量削減効果は1日当たり0.66kg(通常電力で充電し使用した場合)と1.28kg(再生可能エネルギーで充電し使用した場合)です。預入手荷物(20kg)を飛行機に搭載しない平均効果149kgは電気自動車による1日当たり削減効果の225倍(通常電力で充電し使用した場合)、116倍(再生可能エネルギーで充電し使用した場合)となります。1日当たりの削減効果に換算すると荷物削減効果はかなり大きな効果です。

電気自動車

最後に、エアコンの使用時間を1日1時間短くした場合、二酸化炭素排出量削減効果は一台当たり年間26kg削減できます。台北ー成田空港間往復時の預入手荷物(20kg)を飛行機に搭載しない効果53kgは、エアコンの使用時間を1日1時間短くした場合のほぼ2倍となります。なお、日本を訪問する主要国の平均の預入手荷物削減効果は5.7倍となります。

エアコンの使用時間

上述の通り、預入手荷物(20kg)を飛行機に搭載しないことによる二酸化炭素削減効果は、他のさまざまな方法と比較してみてもとても大きいことが分かります。忘れてはならないのは、預入手荷物削減効果は一回の日本までの往復飛行だけの効果であり、他の方法は1年間の効果であることです。

飛行機と荷物

 

3:過去50年間の気候変動による世界の死者数は年間4万人超

世界気象機関 (World Meteorological Organization)の「WMO ATLAS OF MORTALITY AND ECONOMIC LOSSES FROM WEATHER, CLIMATE AND WATER EXTREMES (1970–2019)」によると1970年から2019年までに気候変動による災害、災害による経済的損失は年々増加傾向にあります。

Number of reported disasters

 

Reported economic losses in US$ billion

1970年から2019年の50年間の気候変動による世界の死者数は207万人でした。50年間を単純平均すると年間4.1万人が気候変動により亡くなりました。しかし、死者数は減少傾向です。これは70年代、80年代のアフリカの干ばつによる死者数、アジアの洪水による死者数が多数で、近年は減少している為と思われます。

Number of reported deaths

 

Number of reported deaths

一方、欧州と南西太平洋地域(豪州、フィリピンなど)の死者数は増加傾向です。欧州の死者は異常気温(Extreme temperature)が主因(93%)、南西太平洋地域の死者は暴風雨が主因(71%)です。

Number of reported deaths

日本でも熱中症による死者数が増加傾向にあります。日本の厚生労働省によると日本の熱中症による死者数は過去20年間(99-2018年)で13,009人となりました。

熱中症

このように、まだまだ気候変動による災害や経済的損失は減少傾向とはなっておらず、一部の地域では死者数が増加傾向にあります。

旅行時、預入手荷物(20kg)を飛行機に搭載しないことによる二酸化炭素削減効果はとても大きいことは先述の通りです。また、二酸化炭素削減効果は絶大にもかかわらず、コストが極めて安いというメリットもあります。

しかも、預入手荷物を無くし、現地で必要なものを借りれば、荷物の準備や荷物運搬の煩わしさ、帰宅後の洗濯・片付けが不要になるという「ラクな旅行」をすることができます。「ラクな旅行」は高齢者や障害者・子供連れ旅行など、荷物が負担になっていた人々の旅行回数を増加させる効果があり、「トラベル・ディバイド」解消にも寄与します。是非、当社の旅行レンタルサービスのご利用をご検討ください。

 

お知らせ

当社では、飛行機への搭載荷物を削減し、皆さんが地方を旅しやすくする「手ぶら旅行」のために、来春から旅行レンタルサービスを開始予定です。レンタルサービス開始まで、先着10名限定で旅程作成を無料で提供する予定です。

私は国内外をほぼ2か月に1回のペースで累計200回以上旅行し、旅程を何度も作ってきました。また、当社では日本の観光地2万件以上をデータベース化済です。旅行者の好みに応じて旅程を作成しますので、希望者は「ご登録・お問い合わせ」からご連絡ください。

 

 

 

 

 

 

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