3月の日本旅程2日目(広島県)
(3月23日 水曜日)
目次
1、豊国神社、五重塔
3月23日に宮島に行きました。広島駅から宮島まで利用した公共交通機関は以下の通りです。
広島駅7:50発 山陽本線 岩国行 宮島口駅8:18着
JR宮島フェリー8:30発 宮島桟橋行 宮島桟橋8:40着 運賃合計600円
朝は早めに出発したつもりでしたが、宮島フェリーは中学生や高校生の修学旅行などで結構混んでいました。
宮島は日本三景として有名です。他には宮城の松島、京都の天橋立があります。私は松島に2021年9月に、天橋立に2021年10月に行きました。そのため、今回の宮島訪問により1年以内に日本三景全てに行くことができました。
宮島桟橋からすぐの場所に平清盛像があります。厳島神社を現在の寝殿造りの姿に造営し、京の文化を宮島に移すなど、宮島の繁栄に多大に貢献しました。
宮島桟橋から豊国神社(千畳閣)、五重塔へ歩いて向かいました。徒歩10分程度の距離です。
豊国神社は豊臣秀吉が1587年に発願し、毛利輝元に命じて建立した(実際には安国寺恵瓊が建立)大経堂です。戦没者の供養のために建てられました。なお、豊国神社は厳島神社の末社となっています。
畳857枚分の広さがあることから「千畳閣」と呼ばれるようになりました。確かに、内部はかなりの広さでした。
豊国神社の中に特大しゃもじがあります。これは「しゃもじで勝利をすくい取る」と戦勝祈願で奉納されたものです。
豊国神社の横に建つ五重塔は1407年の建立です。高さは27.6mあります。禅宗様式を取り入れた美しい五重塔です。五重塔は豊国神社の付属建造物、厳島神社五重塔として厳島神社管理となっています。
豊国神社(千畳閣)、五重塔ともに、国の重要文化財です。また、世界遺産「厳島神社」の構成資産として、豊国神社、五重塔がともに登録されています。
豊国神社(千畳閣)の入場料:大人100円、高校生100円、中・小学生50円
2、弥山(みせん)
宮島ロープウェーに乗り、弥山(みせん)山頂に向かいました。豊国神社(千畳閣)、五重塔の場所から宮島ロープウェー乗り場(紅葉谷駅)まで徒歩15分程度です。また、紅葉谷公園入口から無料送迎バスが運行しています。
紅葉谷駅まで歩くと途中に四宮神社・大國神社(厳島神社の末社)があります。石の鳥居は趣がありました。
宮島ロープウェーは紅葉谷駅から途中駅の榧谷(かやたに)駅までは一分間隔の運航なので、随時乗車できます。しかし、榧谷駅から獅子岩駅までは15分間隔の運行(繁忙期は5分間隔の運行)なので、榧谷駅で最大15分間待つこともあります。従って、紅葉谷駅から獅子岩駅は15分間から30分間の乗車時間となり、かなり幅が出ます。
宮島ロープウェーの料金:大人(12才以上):往復1,840円、片道1,010円、小人(6才以上12才未満):往復920円、片道510円
宮島ロープウェーの終点駅である獅子岩駅を下車してすぐに、獅子岩展望台があります。獅子岩展望台からの瀬戸内海の島々の眺めは美しかったです。曇っていたのが残念でした。
獅子岩展望台から弥山(みせん)山頂に向かいました。登山道をゆっくり歩いて徒歩30分程度かかります。
弥山山頂までの途中に、弥山本堂・霊火堂があります。弥山本堂は弘法大師が御堂を建て100日間の修法を行った場所です。弥山本堂の中にある大聖院梵鐘は平宗盛(平清盛の次男)が1177年に寄進したもので、国の重要文化財です。
弥山本堂前の庭には鹿のつがいがいました。
霊火堂には806年に弘法大師が修法を行った際の霊火が今も「きえずの火」として燃え続けています。霊火堂の鬼瓦はかわいい感じがしました。
霊火堂から階段を少し上がると三鬼堂があります。鬼の神を祀る古刹で、弥山の守護神です。伊藤博文の信仰が厚く、三鬼堂をたびたび訪れました。
三鬼堂から少し登ったところに文殊堂・観音堂があります。
文殊堂・観音堂から歩いてすぐの場所に、くぐり岩・不動岩があります。
くぐり岩をくぐれば、すぐ弥山山頂(標高535 m)です。弥山山頂には巨石群があり、これら巨石群は磐座(いわくら)と考えられています。磐座とは神が宿る岩石のことです。弥山は磐座を祭祀対象とする山岳信仰の山でした。
弥山山頂からの景色もとても綺麗でした。曇天が残念でした。なお、伊藤博文は「日本三景の一の真価は頂上の眺めにあり」と絶賛しました。
3、林家住宅
弥山山頂から獅子岩駅まで下山し、宮島ロープウェーで紅葉谷駅まで降りてきました。紅葉谷駅から大聖院に向かう途中に林家住宅があります。徒歩10分程度の距離です。
林家は厳島神社の宮島三家(棚守:たなもり・上卿:しょうけい・祝師:ものもうし)のうち、代々上卿職を継ぐ家でした。そのため林家住宅は上卿屋敷と呼ばれています。門から中は見学できません。全国的にも数少ない社家の遺例として、国の重要文化財に指定されています。
4、大聖院
林家住宅から徒歩3分ほどの距離に大聖院があります。大聖院は宮島で最古の歴史を持つ寺院です。空海が唐より帰国後、宮島に渡り弥山にて修行し、西暦806年に大聖院を開基したと伝えられています。
大聖院には仁王門、御成門、勅願堂、観音堂、摩尼殿、大師堂など多くの堂宇があり、それぞれを見学するだけでも貴重な体験でした。今回、大師堂地下の遍照窟を訪問しなかったことが悔やまれます。
特に、赤い帽子を被った五百羅漢を見ながらの散策は楽しかったです。
観音堂には多くの雛人形が飾られていました。
5、嚴島神社
大聖院の見学後、昼食を食べ、嚴島神社へ行きました。大聖院から嚴島神社入口までは徒歩10分弱です。
嚴島神社は593年に当地方の有力豪族・佐伯鞍職が市杵島姫命(イチキシマヒメ)を祀る社殿を創建したことに始まります。現在の海上に立つ大規模な社殿は平清盛により整えられました。ただし、平清盛が作った社殿は火災により焼失し、現在残る社殿は1240年-1243年以降に造営されたものです。
嚴島神社とその末社は世界遺産、国宝、国の重要文化財などに登録、指定されています。嚴島神社の存在により、厳島は「宮島」と呼ばれています。
私は嚴島神社には何度も訪問していますが、いつ来ても美しく、素晴らしい神社です。
なお、今回の宮島到着後すぐに嚴島神社へ行かなかったのは、宮島到着時は干潮だったからです。干潮時の嚴島神社は以下の写真のように、相当魅力度が下がります。潮汐表は宮島観光協会で発表しています。
海上に立つ高さ16mの大鳥居は日本三大鳥居(他は吉野金峯山寺銅鳥居・大阪四天王寺石鳥居)の1つで、国の重要文化財です。現在は修繕工事中で見られなかったのが残念でした。なお、大鳥居修理の終了時期は未定です。
嚴島神社入場料: 大人300円、高校生200円、中小学生100円
宝物館とのセット料金:大人500円、高校生300円、中小学生150円
6、大願寺
厳島神社の出口すぐに大願寺があります。大願寺の開基は不明です。鎌倉時代の1201~1203年に了海(りょうかい)により再興されたと伝えられています。
雨が降ってきたため、今回、私は厳島神社に属する多宝塔に行けませんでした。しかし、多宝塔は大願寺境内から見ることができました。多宝塔は国の重要文化財です。
大願寺見学時に雨が降ってきたため、宮島観光を断念し、広島市内に帰りました。宮島は何度来ても飽きることがない素晴らしい観光地です。次回は大鳥居の大修理が終わった後の晴天時に再訪したいと思います。
私が広島駅まで利用した公共交通機関は以下の通りです。
宮島桟橋13:10発 宮島口桟橋行 JR宮島フェリー13:20着
宮島口駅13:34発 山陽本線 白市行 広島駅14:01着 運賃合計600円
7、國前寺
広島駅に到着し、雨が小降りになったので、徒歩10分ほどの距離にある國前寺に行きました。
國前寺は1340年に日像上人によって開山されました。1656年、広島藩2代藩主浅野光晟の正室の満姫の帰依により浅野家の菩堤寺となりました。本堂は1671年の建立です。庫裏も同時期の建立と推定されています。本堂、庫裏ともに広島藩の城大工による建築で、城郭建築の手法が用いられているのが特徴です。
1945年に原爆投下により被爆しましたが、建物は北東方向に傾いただけで倒壊は免れました。國前寺には救護所が設けられ重傷者を中心に運び込まれました。
本堂と庫裏が国の重要文化財に指定されています。広島市内の国の重要文化財(建造物)は私が初日に訪問した不動院(国宝でもあります)、世界平和記念聖堂、広島平和記念資料館と今回訪問した國前寺の4箇所だけです。また、原爆投下前に建立された国の重要文化財は不動院と國前寺だけとなります。
なお、國前寺の山門は広島市指定文化財です。
(注:文中に掲載している交通機関の出発・到着時間や運賃、入場料、食事の料金などはBLOG執筆時のものです。今後変更する可能性がありますので、旅行に行く際にご自身でご確認ください。)