12月の日本旅程(青森・秋田旅行)のまとめ、注意点
12月11日(土)から12月14日(火)にかけて旅行した東北(青森県・秋田県)では旬の魚介類や郷土料理を多く食べられ大満足の旅行となりました。皆さんに強くお勧めしたい12月の日本旅程です。また、国の重要文化財など多くの素晴らしい観光地を訪問することができました。今回の旅行のまとめといくつかの注意点を報告します。
目次
1、今回の日本旅程で食べられた「郷土料理百選」と「御当地人気料理特選」
今回の旅程も「旬の魚介類と郷土料理を食べ尽くす」という目的で作成したものです。食が最優先で、観光地の優先順位は2番目です。とはいえ、国の重要文化財など観光スポットをできるだけ多く回ることを目指しました。今回の旅行では後半2日間は雪が降り、乗車予定であった特急列車が運休となりました。しかし、冬の東北でしか食べられない美味しい魚介類を食べることが目的だったので、雪は全く苦になりませんでした。ただし、冬は余裕を持ってゆっくり旅行することをお勧めします。
1、今回の日本旅程で食べられた「郷土料理百選」と「御当地人気料理特選」
青森県:無し
秋田県:きりたんぽ鍋、稲庭うどん、横手やきそば
きりたんぽ鍋は素朴な味わいで美味しかったです。
「稲庭うどん」は香川の「讃岐うどん」と群馬の「水沢うどん」とともに、「日本三大うどん」と言われます。「稲庭うどん」はほとんど乾麺のみですが、「寛文五年堂」では生麺も提供しています。
秋田市で横手市の郷土料理を食べることに抵抗があったのですが、念のため頼んでみると十分美味しかったです。いつか横手市で本場の「横手焼きそば」を食べたいと思います。
「郷土料理百選」と「御当地人気料理特選」は農林水産省の選定です。
青森県では「郷土料理百選」と「御当地人気料理特選」を食べられませんでした。それは、青森県では「御当地人気料理特選」が選ばれておらず、「郷土料理百選」は私が行かなかった八戸を中心とする郷土料理である「いちご煮」と「せんべい汁」が選ばれているからです。
青森県でも元南部藩の八戸と元弘前藩(津軽藩)の津軽地域(青森市、弘前市など)では食文化など多くの違いがあります。八戸を中心とする郷土料理の選考は津軽地域の人々を大いに落胆させたと思います。
私は青森市の郷土料理であるじゃっぱ汁を青森市で食べました。「じゃっぱ」とは、津軽弁で「雑把」の意味で、ぶつ切りにした鱈などの魚介類や野菜をともに煮込んだ料理がじゃっぱ汁です。
また、青森市の御当地グルメである「味噌カレー牛乳ラーメン」(880円)を人気ラーメン店の「味の札幌 大西」で食べました。牛乳が入っているため非常にマイルドな味で食べやすく、一気に完食してしまいました。
黒石市では御当地グルメである「いがめんち」と「つゆ焼きそば」を食べました。「いがめんち」は弘前市を中心とした津軽内陸部の郷土料理です。イカのゲソを包丁でたたき、季節の野菜などと一緒に小麦粉を混ぜ、油で焼いたり揚げたものです。「いが」は津軽弁でイカのことです。
「つゆ焼きそば」は寒い日でも温かく食べられるように、やきそばにそばつゆをかけて提供したのが始まりとされています。麺は太くて平らな麺を使い、ウスターソースで炒めた焼きそばに、つゆをかけ、揚げ玉やネギをトッピングしたものが主流のようです。私は様々な御当地グルメを食べてきましたが、トップクラスのおいしさでした。
弘前市では御当地グルメである中三弘前店地下の「中みそ」で味噌ラーメンを食べました。
青森市で食べた北海道・東北地方に伝わる郷土料理である「ニシンの切り込み」も感動的な美味しさでした。「ニシンの切り込み」はニシンを包丁で切り刻んで発酵させたです。ニシン以外にも鮭やカレイを使う場合があります。
秋田市では秋田の郷土料理である「いぶりがっこ」も食べました。「いぶりがっこ」とクリームチーズは相性がいいと思います。なお、秋田県では漬物を「がっこ」と呼びます。
このように、今回の旅行では農林水産省の選定の「郷土料理百選」と「御当地人気料理特選」以外にも様々な郷土料理や御当地グルメを食べられました。
2、今回の日本旅程で食べられた旬の「PRIDE FISH」
青森県:青森ひらめ、青森のホッキガイ(ウバガイ)
「青森ひらめ」(旬:9-12月)は身が綺麗で甘くて最高の美味しさでした。
「三沢ほっき丼」は「三沢産のほっき貝(漁が解禁する12/1~3/31の期間に漁獲されたもの)を使用する」というもので、三沢市の御当地グルメです。生北寄貝は食感と甘みが素晴らしく、茹で北寄貝はご飯の上にかけてあった「とろろ」と絶妙なバランスで最高に美味しい「三沢ほっき丼」でした。
秋田県:秋田ハタハタ
ハタハタ漁は沿岸で12~17日間、沖合で22日間しか操業できないという漁獲枠があり、非常に貴重な魚です。特に、近年は不漁が目立ち、秋田でも生ハタハタを食べることが難しくなりつつあります。特に、私が食べれた卵を持つ雌の漁獲量が減っているようです。大粒の卵(ブリコ)のプチプチした食感が堪らなく美味しかったです。
「PRIDE FISH」は全国漁業協同組合連合会の選定です。
3、今回の日本旅程の注意点(ローカル鉄道)
毎回同じことを書いていますが、大事なことなので繰り返します。今回も旅行のルールとして、レンタサイクルを含む公共交通機関のみを利用する環境配慮型旅行としています。
こちらも再確認となりますが、公共交通機関を利用する旅行は自動車での旅行と比べるとCO2排出量は圧倒的に少なくなります。例えば、国土交通省のデータでは、1人が1km移動する際のCO2排出量は自動車の130gに対し、航空機は98g(自動車の75%)、バスは57g(同44%)、鉄道は17g(同13%)です。
今回もワンマン列車の乗降方法が分かりにくかったです。「青い森鉄道」(私は三沢駅から青森駅まで乗車)と「弘南鉄道」(私は弘前駅から黒石駅を往復)、JR奥羽本線(私は弘前駅から秋田駅まで乗車)は全てワンマン列車でした。
ワンマン列車では乗降の際、ボタンを押してドアを開ける必要があります。
また、乗車時は整理券を取り、降車時は整理券とお金を運賃箱に入れて降ります。
乗降の仕方について車内にポスターが貼っていましたが、日本語のみでした。鉄道事業者や観光協会は責任を持って外国語での案内をすべきです。
ワンマン列車の場合は常に1両目に乗るようにすれば安心です。日本の地方を旅行する際には電車の乗降ルールは絶対に覚えておきましょう。ただし、1両目の前方ドアから乗るのか後方ドアから乗るのかは鉄道事業者によって異なります。
細かな注意点は旅行日にそれぞれ書きましたのでご覧ください。
4、身軽な恰好での旅行
こちらも毎回、繰り返しになりますが、今回の旅行でも自分の衣服や電源コードを宿泊先に事前に送り、毎日「手ぶら旅行」を楽しみました。やはり、散歩するような身軽な恰好で旅行するのはとてもラクです。鉄道や飛行機で到着後すぐに行動できるのは時間の有効活用に大切なことです。また、今回のように、雪が降るとキャリーバッグの運搬は雪がない道と比べると何倍も大変になります。冬こそ、「手ぶら旅行」をして欲しいです。今回も旅行の最終日には、洗濯代行業者に旅行中に着た衣服を送り、洗濯もせずにすみました。皆さんにも「手ぶら旅行」の快適さを経験して欲しいです。
5、12月11日(土曜日)青森県1日目
羽田空港から三沢空港へ向かうJAL153便の機上からとても綺麗な景色を見れました。特に、朝日が海に映りこみ、燃えるような色になっていたのは驚きました。
三沢空港へ着陸し、タクシーで青森県立三沢航空科学館へ行きました。
三沢は1931年に世界初の太平洋無着陸横断飛行を成功したミス・ビードル号の出発地となるなど、航空史の草創期から深くかかわりを持ってきました。
館内にはミス・ビードル号をはじめ、奈良原式2号機や白戸式旭号、航研機などのレプリカが展示されています。
また、ホンダジェット技術実証機や空飛ぶクルマ(モックアップ)なども展示されています。
飛行機の展示だけではなく、フライトシュミレーターなど体験施設もあり、多くの家族連れでにぎわっていました。
「ねぶたの家 ワ・ラッセ」は青森駅から徒歩一分ととても便利な場所にあります。1階には祭本番に出陣した大型ねぶたが常設展示されています。芸術的な作品としての素晴らしさと幅9m・奥行き7m・高さ5mという大きさの迫力に圧倒されました。
2階にはねぶた祭の歴史やねぶた製作の名人(名工)の作品が展示されています。名人の作品は派手さのないおちついた色合いの作品で素晴らしいと思いました。
なお、青森ねぶた祭は国の重要無形民俗文化財に指定されています。
青函連絡船は1908年から1988年まで80年間にわたり、青森港と函館港を運航した鉄道連絡船です。鉄道連絡船は世界的にも大変珍しい鉄道車両が船を通じて海を渡る船です。
八甲田丸の船内には観光客は少なかったです。古い鉄道車両への照明が薄暗く、車両が眠っていながら佇んでいるようで、それが青函連絡船の歴史を物語っているようで個人的にとても好みでした。
間近で見れた巨大なエンジンも青函連絡船という巨大構造物の動力源として主張しているような力強い迫力があり素晴らしかったです。
青森県立美術館は奈良美智(なら よしとも)氏の「あおもり犬」で有名です。「あおもり犬」は高さ8.5m、横幅6.7mの巨大な犬です。
奈良美智氏の作品は青森県立美術館に多く展示されていますが、それは奈良美智氏が青森県弘前市出身だからです。青森県立美術館には奈良美智氏の写真撮影可能な作品として「Miss Forest / 森の子」もあります。
青森市出身の版画の巨匠である棟方志功氏の作品も青森県立美術館には多く展示されています。縄文土器と一緒に展示されている棟方志功氏の作品もあります。青森市が誇る世界遺産「三内丸山遺跡」から出土した縄文土器と青森市出身の巨匠棟方志功氏のコラボレーションは素晴らしかったです。
また、大ホールにはマルク・シャガールの「アレコ」全4作品が展示されています。巨大な絵画に圧倒されました。
全ての作品を見終えて、青森県立美術館を出ると日が暮れて美術館がライトアップされていました。
青森港の砂浜にねぶたの技法でつくられた市民手作りの和紙オブジェ「雪だるま~る」のイルミネーションがありました。とても綺麗な景色でした。
食事
まず最初に、三沢市の「きらく亭」で「三沢ほっき丼」を食べました。「三沢ほっき丼」は「三沢産のほっき貝(漁が解禁する12/1~3/31の期間に漁獲されたもの)を使用する」というもので、三沢市の御当地グルメです。
「きらく亭」の「三沢ほっき丼」(1,250円)は生北寄貝と茹で北寄貝の2色丼です。生北寄貝は食感と甘みが素晴らしく、茹で北寄貝はご飯の上にかけてあった「とろろ」と絶妙なバランスで最高に美味しい「三沢ほっき丼」でした。
北寄貝は青森県で全国漁業協同組合連合会が選ぶ「PRIDE FISH」となっています。
三沢市から青森市に移動し、青森市の御当地グルメである「味噌カレー牛乳ラーメン」(880円)を人気ラーメン店の「味の札幌 大西」で食べました。
「味の札幌 大西」の店主大西文雄さんは故佐藤清さんの一番弟子です。故佐藤清さんは札幌ススキノのラーメン横丁で人気のラーメン店を経営していました。その後、青森にも札幌味噌ラーメンを普及させたいと青森市に移住し「味の札幌」を開き、「味噌カレー牛乳ラーメン」を最初に開発しました。
「味噌カレー牛乳ラーメン」はとても美味しかったです。牛乳が入っているため非常にマイルドな味で食べやすく、一気に完食してしまいました。
夕食は「居酒屋おさない」で食べました。「居酒屋おさない」は美味しいものを手軽な値段で食べたい人にとっては最高の居酒屋です。
全国漁業協同組合連合会は、青森県の秋の「PRIDE FISH」に、「青森ひらめ」(旬:9-12月)を選んでいます。私がこの日に食べた天然ひらめ刺身も甘くて最高の美味しさでした。
青森県の真ん中には巨大な内湾である陸奥湾があり、帆立の養殖業が盛んです。この陸奥湾の存在により、青森県は養殖帆立の生産量が全国一位です。
ニシンの切り込みはニシンを包丁で切り刻んで発酵させた北海道・東北地方に伝わる郷土料理です。
じゃっぱ汁も青森市など津軽地方の郷土料理です。とても素朴で体があったまる美味しいじゃっぱ汁でした。
あわび刺身(500円)、するめいか刺身(270円)も値段の安さから想像できない多い量と美味しさでした。こういう素晴らしい居酒屋を旅行中に発見するのが私の一番の楽しみです。
注意点
三沢空港から青森県立三沢航空科学館へはタクシー以外の公共交通機関では不便です。「MISAWAぐるっとバス」が土日祝日だけ運行しているのですが、三沢空港から一日3便(11月~3月、4月~10月までは一日4便)しかありません。しかも、運行時間が中途半端です。三沢空港の到着便は一日6便(9:05着、10:55着、12:25着、14:35着、16:15着、18:40着)ですが、「MISAWAぐるっとバス」の三沢空港の三沢航空科学館行き出発時間は10:23発、12:17発、14:07発と飛行機の到着時間とは全くタイミングがありません。もっと飛行機の到着時間とタイミングを合わせば便利になると思うのですが残念です。
三沢航空科学館のロッカーは無料です。
三沢駅ではクレジットカードの使用ができませんでした。現金をご用意ください。
ワ・ラッセと八甲田丸の2館共通券(大人930円、個別チケットでは合計1,130円)、ワ・ラッセとアスパム(大人1,070円、個別チケットでは合計1,360円)の2館共通券、ワ・ラッセ・アスパム・八甲田丸の3館周遊券(大人1,380円、個別チケットでは合計1,980円)があります。
「居酒屋おさない」は閉店が20時(開店は16時)と早いということだけは要注意です。
6、12月12日(日曜日)青森県2日目
青森・秋田旅行2日目の午前中は青森駅から黒石駅へ移動し、黒石観光をしました。
特急つがるは青森駅と秋田駅を結ぶ奥羽本線を走ります。
進行方向右手側に岩木山が見えるなど車窓からの景色を楽しめました。富士山同様の独立峰である岩木山は津軽富士とも呼ばれています。標高は1,625mです。
「中町こみせ通り」は江戸時代から続くアーケード状の通路で、ほぼ完全な形で残されているのは全国的にも稀有な存在です。国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。巨大なこけしが並んでおり、夜にはこけしのライトアップが行われます。
1763年に建てられた代表的な町屋建築(商家建築)である「高橋家住宅」は国の重要文化財です。
「中町こみせ通り」にある造り酒屋「菊乃井」へお邪魔しました。「菊乃井」の創業は1806年と非常に歴史のある造り酒屋で昔の帳簿などを見ることができます。
黒石市から弘前市に向かい、旧第五十九銀行本店本館(青森銀行記念館)を見学しました。旧第五十九銀行本店本館は1904年に建設された国の重要文化財です。
旧第五十九銀行本店本館を見学後、弘前城に行きました。弘前城は現存12天守のうちの一つで東北地方唯一の現存天守となります。現在、石垣修理事業を行っており、天守は仮天守台に移動されています。石垣修理事業は2025年まで行われる予定です。
弘前城には天守や辰巳櫓、二の丸東門、三の丸東門など多くの国の重要文化財があります。私は門(二の丸東門、三の丸東門)の立派さが一番心に残りました。
また、天守閣の場所から岩木山がはっきりと見えます。
弘前城の後に、旧東奥義塾外人教師館に行きました。旧東奥義塾外人教師館は東奥義塾の外人教師専用の住居として、1903年に建てられました。
旧東奥義塾外人教師館の横に建つ旧弘前市立図書館は1906年に建設されました。左右両端の八角形3階建ての塔が特徴の建物です。
中には入りませんでしたが、藤田記念庭園の洋館だけ撮影しました。洋館の中の「大正浪漫喫茶室」では弘前市内の洋菓子屋から取り寄せたアップルパイの食べ比べができます。
食事
黒石市での食事は創作料理の店「蔵よし」で食べました。最初に「蔵よし」の感想を言うと私にとって近年最高レベルの店でした。食事も美味しく、店員さんたちのサービスも最高でした。
まず、青森県弘前市のクラフトビール「青森エール」を飲みました。「青森エール」は青森県内でしか飲めません。元米兵のGareth Anson Burns氏が2016年に創業したビール会社Be Easy Brewingが製造しています。
「青森エール」のつまみには、「いがめんち」と「嶽(だけ)きみの天ぷら」を注文しました。「いがめんち」は弘前市を中心とした津軽内陸部の郷土料理です。イカのゲソを包丁でたたき、季節の野菜などと一緒に小麦粉を混ぜ、油で焼いたり揚げたものです。「いが」は津軽弁でイカのことです。素朴な味で美味しかったです。「嶽きみ」は岩木山麓の嶽高原で栽培されているトウモロコシです。岩木山の寒暖差により、高い糖度となった最高のトウモロコシブランドです。「きみ」 とは津軽弁でトウモロコシのことです。
黒石市の御当地グルメは「つゆ焼きそば」です。私が黒石市に行った理由の一つが「つゆ焼きそば」を食べることでした。「つゆ焼きそば」は寒い日でも温かく食べられるように、やきそばにそばつゆをかけて提供したのが始まりとされています。麺は太くて平麺を使い、ウスターソースで炒めた焼きそばに、つゆをかけ、揚げ玉やネギをトッピングしたものが主流のようです。
「蔵よし」の「つゆ焼きそば」は和食屋ならではの鰹出汁が特徴です。焼きそばのソースが鰹出汁と混じり合い、今まで経験したことがないような美味しさでした。鰹出汁のおかげでさっぱりと食べられました。私は様々な御当地グルメを食べてきましたが、トップクラスのおいしさでした。
黒石市から弘前市に戻り、散策の間に「可否屋 葡瑠満」に行きました。注文したのはブレンドコーヒーと自家製アップルパイです。
この日、最後の食事は「常寿し」でした。「常寿し」での夕食は素晴らしいものでした。「常寿し」は地元の弘前市民の常連客が多く、17時30分にはほぼ満員となりました。
まず、刺身おまかせを頼みました。マグロ中トロ、鯛、赤貝ひも、イカ、アジなど種類豊富な刺身をゆっくり食べました。
寿司もおまかせを頼みました。高級寿司屋のような大感激するような寿司ではありませんが、店主の人柄を感じさせるようなとても安心できる味の美味しい寿司でした。赤貝や帆立、手巻き寿司などが最高でした。
注意点
冒頭で書いたように、弘前黒石間を運行する弘南鉄道はワンマン列車なので、乗降には注意が必要です。
弘前観光は弘前公園を中心に観光スポットが点在しているので、徒歩で回ることができます。
7、12月13日(月曜日)青森県3日目
青森・秋田旅行3日目は朝から大雪でした。それでも、できるだけ多くの観光スポットを回ろうと考え、まず最初に「最勝院五重塔」へ行きました。「最勝院五重塔」は1667年完成しました。五重塔としては日本最北端の国の重要文化財です。東北地方一の美塔と言われています。雪が積もってとても綺麗でした。
禅林街の最奥に「長勝寺」があります。「長勝寺」は曹洞宗の寺院で弘前藩(津軽藩)藩主津軽家の菩提寺です。三門、御影堂、本堂、庫裏、津軽家霊屋、銅鐘は国の重要文化財です。特に、1629年に建立された三門は素晴らしい迫力でした。
昼食後、吹雪の中を歩いて「旧弘前偕行社」へ行きました。「旧弘前偕行社」は1907年に旧陸軍将校の集会所・社交場として弘前市に建設されたものです。国の重要文化財です。
「旧弘前偕行社」の隣に、「旧藤田家住宅(太宰治まなびの家)」があります。太宰治(津島修治)が1927年から1930年までの旧制高校時代の3年間を過ごした家です。
「旧藤田家住宅(太宰治まなびの家)」のあとに、「津軽藩ねぷた村」へバスで行きました。
弘前のねぷたは国の重要無形民俗文化財に指定されています。「弘前ねぷた」と「青森ねぶた」の違いは、ねぷた絵が描かれた扇型の灯篭が「弘前ねぷた」、横長の立体的な人形灯篭が出るのは「青森ねぶた」と分けられるようです。次の写真の1枚目は「弘前ねぷた」、2枚目は「青森ねぶた」です。
また、毎日、津軽三味線の生演奏を聴くことができます。私が訪問した日は、大師範の福士千加子さんによる素晴らしい演奏を聴けました。
「津軽藩ねぷた村」には国の登録記念物に指定されている日本庭園「揚亀園」(ようきえん)があります。
食事
観光スポット巡りをしている途中に、中三弘前店地下の「中みそ」で味噌ラーメンを食べました。「中みそ」は弘前市民のソウルフードです。
秋田駅へ向かう列車に乗る前に弘前駅2階の「BRICK A-FACTORY」でアップルパイと生シードルを食べました。アップルパイは洋菓子店「ボンジュール」(弘前市)の監修によるものでとても美味しかったです。
秋田駅に到着しホテルにチェックインしてから、居酒屋「とっぴんぱらりのぷ」で夕食を食べました。「とっぴんぱらりのぷ」の意味は秋田弁で「めでたし めでたし」、「はい、これでおしまい」などの意味です。
居酒屋「とっぴんぱらりのぷ」には炉端焼き(「とっぴんぱらりのぷ」では「原始焼き」と言っています)があり、とてもいい雰囲気の中でおいしい郷土料理や魚介類、肉料理などを食べられます。
お通しと秋田県のクラフトビール「田沢湖ビール」のアルト(Alt)との組み合わせもとても美味しかったです。
私が注文したのは、刺身2点盛(カガミダイ、カンパチ)、焼き椎茸、焼きハタハタです。
カガミダイ(上記写真の左側)は秋田県を中心に獲れる魚ですが、漁獲量が非常に少ない希少な魚です。
焼きハタハタは冷凍ではない貴重な生ハタハタを使用して炉端で焼いたものです。近年は不漁が目立ち、秋田でも生ハタハタを食べることが難しくなりつつあります。大粒の卵(ブリコ)のプチプチした食感が堪らなく美味しかったです。
なお、全国漁業協同組合連合会が「秋田ハタハタ」を秋田県の冬の「PRIDE FISH」に選んでいます。
「とっぴんぱらりのぷ」の後に、予約していた「秋田きりたんぽ屋」に行きました。全て秋田の郷土料理である「冬のがっこ なた漬け」、「ハタハタの白子漬け」、「ハタハタの刺身」、「じゅんさい」、「きりたんぽ鍋」を注文しました。
「冬のがっこ」とは「冬の漬物」のことです。「なた漬け」とは大根を鉈(なた)でそぎ、塩でしめた後、甘酒で漬ける漬物です。
「ハタハタの白子漬け」は私が初めて食べる珍味でした。「ハタハタの刺身」は小ぶりのハタハタが酢漬けされた刺身でした。
「じゅんさい」は国産の9割が秋田県三種町で生産されています。今では日本国内で食べられている「じゅんさい」の8割が中国産です。
きりたんぽ鍋は素朴な味わいで美味しかったです。きりたんぽは囲炉裏端で焼かれたものを鍋に入れています。なお、農林水産省はきりたんぽ鍋を「郷土料理百選」に選出しています。
注意点
予約が必要ですが、「旧弘前偕行社」の内部は見学が可能です。ガイド付きは1日1回12:00~所要時間約40分です。見学料は1人500円となります。また、9:00~16:00までガイド無しの見学も可能です。見学料は1人300円となります。
弘前市には弘前駅から弘前公園を巡回する「土手町循環バス」が運賃100円で運行しています。運行間隔も10分間なので、旅行者にとっても非常に便利なバスです。
8、12月14日(火曜日)秋田県1日目
青森・秋田旅行4日目は秋田市内を観光しました。まず最初に天徳寺に行きました。
天徳寺は曹洞宗(禅宗)の寺院です。久保田藩(秋田藩)の藩主佐竹氏の菩提寺です。本堂、書院、山門、総門の4棟と佐竹家霊屋が国の重要文化財になっています。建立時期は本堂が1687年、書院が1806年、山門が1709年、総門が17世紀初頭、佐竹家霊屋が1672年です。
天徳寺の次は「赤れんが郷土館」へ行きました。
「赤れんが館郷土館」は旧秋田銀行本店として、1912年に完成した建物です。国の重要文化財です。
「赤れんが館郷土館」の内部は見学できます。一階ホールの旧営業室の天井に施された石こうレリーフや巨大なシャンデリアは一見の価値ありです。
「民俗芸能伝承館」の一階では秋田竿燈(かんとう)祭りの竿燈、土崎港曳山まつりの曳山(ひきやま)などを常設展示しています。秋田竿燈(かんとう)祭りと土崎港曳山まつりは国の重要無形民俗文化財です。
竿燈演技を実際に体験できるチャレンジコーナーもあります。私も小学校低学年向けの竿燈を持ってみましたが、想像したよりもとても重く、長いためうまく持てませんでした。大人用の竿燈を持った演技がいかに高度な技を要求されるか理解できました。
「民俗芸能伝承館」の隣に「旧金子家住宅」があります。「旧金子家住宅」は江戸時代後期の町家で、内部もかなり綺麗に残っています。秋田市の有形文化財に指定されています。
秋田県出身の漫画家である矢口高雄さんの代表作「釣りキチ三平」の陶板レリーフがパブリックアートとして秋田空港のロビーを飾っていました。大きさは横6.7メートル、縦3.5メートルと大型レリーフです。
食事
青森・秋田旅行4日目(最終日)の食事は「稲庭うどん」からでした。「寛文五年堂」は秋田県でも数少ない「稲庭うどん」の生麺を提供するうどん店です。食べログ百名店にも選ばれています。
「稲庭うどん 無限堂 秋田駅前店」には乾麺しかなく、仕方なく乾麺のざるうどん(740円)を食べました。「無限堂」の「稲庭うどん」もとても美味しかったです。
秋田市内観光を終え、「TO~MART」で秋田市内で製造されるクラフトビールを飲みました。
夕食は秋田駅ビルのTopico内にある「秋田地魚・大かまど飯 いさばや。」で食べました。「秋田地魚・大かまど飯 いさばや。」では飲み放題60分(980円)を注文したうえで、刺身3種盛り、だだみ刺身、いぶりがっこクリームチーズ、なめろう、揚げ出し豆腐 じゅんさい餡、秋田比内地鶏かわ煎餅、林泉堂 横手焼きそばを食べました。
だだみ刺身はこの日のベストでした。だだみとは真鱈の白子のことです。だだみ刺身のことは全国的に白子ポン酢という言い方が多いと思います。だだみと言うのは、秋田県、山形県、富山県、福井県などです。なお、北海道や青森では白子のことを「たち」と言います。
いぶりがっこクリームチーズは代表的な秋田の郷土料理です。秋田県では漬物を「がっこ」と呼びます。
最後に注文した「林泉堂 横手焼きそば」は秋田県の郷土料理です。農林水産省が「横手焼きそば」を「御当地人気料理特選」に選んでいます。いつか横手市で本場の「横手焼きそば」を食べたいと思います。
「秋田地魚・大かまど飯 いさばや。」の店外には発砲スチロール箱に入った大量のハタハタが置いてありました。きれいなハタハタでした。また、ハタハタを食べに、12月に秋田に戻って来たいです。
注意点
私は雪の影響を考慮し、訪問予定であった男鹿半島の「男鹿真山伝承館」、「なまはげ館」に行くことをあきらめました。秋田駅の観光案内所で聞いた情報では「男鹿真山伝承館」と「なまはげ館」に公共交通機関で行くためには、路線バスでも乗り合いタクシーである「なまはげシャトル」でも前日までの予約が必要です。私のように冬の旅行者は雪で旅程を変更せざるを得ないことがあるため、前日までの予約必須ということはかなり不便だと思います。
(注:文中に掲載している交通機関の出発・到着時間や運賃、入場料、食事の料金などはBLOG執筆時のものです。今後変更する可能性がありますので、旅行に行く際にご自身でご確認ください。)