平家の武者や姫に扮し練り歩く荘厳な『平家絵巻行列』は必見
昨日、富山県南砺市の五箇山の平家の落人伝説について、ブログを投稿しました。本日は栃木県日光市の湯西川温泉に残る平家の落人伝説とその伝説にちなんだ平家大祭をご紹介します。
荘厳な『平家絵巻行列』は必見
湯西川温泉には平忠房(平清盛の孫)もしくは平景定(平清盛の養子)が落ち延びたとされます。湯西川の平家の落人伝説は現地の平家落人民俗館や平家の里などでも紹介されているほか、今回紹介した「平家大祭」などの行事も行われています。
平家の落人は平家の者であることを悟られぬよう、苗字を「平の人」をあらわす「伴」としました。「伴」という名の性は平家血縁者であることを示していると言われています。現在も「伴」という苗字の人々がこの土地に住んでいます。湯西川温泉発祥の創業1666年の宿「本家伴久」の御主人は伴輝彦さんです。なお、私は伴さんとお電話で話をしたことがあります。
湯西川温泉には、たき火をしない(煙を立てない)・犬を飼わない・鶏を飼わないなどの独自の風習があります。これらは人が山中に暮らしていることを外部に嗅ぎ取られないためである。このように湯西川温泉は平家の落人伝説の信ぴょう性が高い地区の一つです。
「平家物語」が「侘び寂び」の世界に影響を与えていた?
日本を旅行する際にこのような平家の落人伝説は多くの土地で耳にすることでしょう。日本人の多くの心に響く約800年前の源平合戦の物語「平家物語」を思い起こしながら、旅行をすることも面白いかもしれません。
平家物語の冒頭にある有名な出だしの「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者も遂にはほろびぬ、偏ひとへに風の前の塵におなじ。」は「侘び寂び」の世界に通じます。1200年代に成立したとみられる「平家物語」が1600年代に成立した考えられる「侘び寂び」の世界に影響を与えていたと考えると日本文化を理解するうえでも興味深いのではないでしょうか。