東京発、世界初の試み:江戸音楽が拓くウェルネスツーリズムという新カテゴリー
世界のラグジュアリー・ウェルネスツーリズムは進化を続けています。そうした中、我々は今、海外からの旅行者がほとんど経験したことのない新しい体験を世に送り出そうとしています。それは、江戸時代からの伝統音楽を「癒し」や「瞑想」として再創造する体験です。
このビジョンを実現するのが、株式会社EDO KAGURAが2025年9月1日より、訪日外国人向け伝統文化体験ツアー「神楽坂雅遊」の一部として開始する新しいプログラムです。このプログラムは、三味線、箏(こと)、胡弓(こきゅう)が織りなす何世紀にもわたる音の世界観を、現代的なマインドフルネスと心身回復の実践へと昇華させます。
これは単なる演奏会ではなく、厳選されたウェルネスとの出会いです。ゲストは、エミー賞を18部門受賞したドラマ『SHOGUN』にも参加した最高峰の音楽家たちによる、プライベートな生演奏と楽器の手ほどきを体験します。ラグジュアリー市場を扱うメディアや旅行業界のパートナーにとって、このプログラムは、伝統文化と希少性により、東京を世界のウェルネスツーリズムにおける新たなカテゴリーの発祥地として位置づけるものとなるでしょう。

なぜ今なのか:ウェルネス市場の成長と日本のラグジュアリー・ウェルネスツーリズムの可能性
ウェルネス経済の成長
グローバル・ウェルネス・インスティチュート(Global Wellness Institute)の報告書『2024年 グローバル・ウェルネス・エコノミー・モニター』によると、2023年の世界のウェルネス経済は6兆3,000億米ドルに達し、2028年までには9兆米ドルに迫ると予測されています(年平均+7.3%)。そのうち、ウェルネスツーリズムは2023年に8,302億米ドルを記録し、2028年までには1兆3,510億米ドルに達する見込みです(年平均+10.2%)。
富裕層旅行者の動向
ILTM、Altiant、およびハイアットの共同調査をまとめた2025年のHITECの要約によると、現在、ラグジュアリー層の旅行者の90%以上が、旅行中にウェルネスを優先しています。同報告書によれば、84%が「個々の健康目標に合わせてカスタマイズされたウェルネスサービス」を期待しており、70%近くが旅行中に予約しているとのことです。
ウェルネス旅行者の消費額は一般旅行者を大きく上回る
『2024年 グローバル・ウェルネス・エコノミー・モニター』によると、ウェルネスツーリズムは単にコロナ禍から回復しただけでなく、旅行全体の成長を上回っています。2023年までに、世界のウェルネスツーリズムの消費額は2019年比で119%の水準に達しましたが、これに対し、全観光の消費額は101%に留まりました。同様に、ウェルネス関連の旅行件数はパンデミック前の111%まで増加しましたが、一般の旅行件数は90%にしか達していません。
この消費額の差は、ウェルネス旅行者が一回の旅行あたりにより多くを投資し続けていることを浮き彫りにしており、彼らが世界の旅行市場で最も価値のあるセグメントの一つであることを示しています。2028年まで年率10.2%の成長が予測されるウェルネスツーリズムは、1兆3,510億米ドル規模に拡大し、ラグジュアリーおよび文化旅行セクターにおける高収益の牽引役としての役割をさらに確固たるものにすると期待されています。

2025年 世界のラグジュアリー・ウェルネスのトレンド
世界20,000人以上のアドバイザーと2,200社のパートナーを擁する、ラグジュアリーおよび体験型旅行の世界的な主要ネットワークであるヴァーチュオーソ(Virtuoso)によると、2025年のウェルネス旅行は、いくつかの重要なトレンドによって形成されています。
- スリープツーリズムは最も急成長しているニッチ分野の一つで、ヨーロッパや米国の高級リゾートでは、回復のための休息を目的とした「バイオハッキング・スイート」や複数日間のプログラムが提供されています。
- SHAウェルネスクリニック(スペイン)やチバソム(タイ)などのロンジェビティ・リトリート(長寿を目的とした滞在)は、健康寿命を延ばすためのDNAに基づいた栄養指導、診断、治療法で富裕層の旅行者を魅了しています。
- アイスランドのサウナセレモニーから、スイスやハワイの再生型スパリゾートまで、音、サウナ、自然をベースにした儀式は、没入感があり、文化に根差した癒しの実践への需要が高まっていることを示しています。特に「音」の領域では、伝統的な音の世界観をウェルネスに活用することが世界的な力強いトレンドとなっています。その事例には、バリ島の高級スパの雰囲気を決定づける環境音楽としてのガムランや、世界中でサウンドヒーリングセッションに用いられるチベットのシンギングボウルがもたらす深い振動などが挙げられます。
同時に、グローバル・ウェルネス・インスティチュート(GWI)は、「ウェルネス旅行は画一的な体験ではない」と強調しています。各旅行先には、その土地固有の癒しの実践、古代からの伝統、地元の食材、そして自然資源といった、他とは一線を画す独自の資産があります。彼らのサイトでは世界中の具体例が地図と共に紹介されており、詳細はそちらを参照することをお勧めします。日本については、同サイトでは温泉と大型の公衆浴場(スーパー銭湯)のみが紹介されています。

日本への示唆
先述のヴァーチュオーソの調査結果は、世界のラグジュアリー層の旅行者が、多様で本格的なウェルネス体験をますます求めていることを示しています。これは、日本にとって独自の好機が生まれていることを意味します。しかし、日本のウェルネスツーリズムを代表する体験は、多くの場合、温泉やスーパー銭湯に限られています。これほど豊かな文化遺産を持つ国にとって、そのウェルネス体験が「お湯につかる」ことだけで定義されるのは、機会損失と言えるでしょう。

江戸時代の音楽を単なる演奏芸術としてではなく、瞑想的で癒しをもたらす実践として位置づけることで、日本は、寺院や温泉に匹敵する、しかしまだ世界のほとんどの人々には知られていない独自のウェルネス資産を提供することができます。これにより東京は、新たなカテゴリーを定義する体験を世に送り出し、世界のラグジュアリー・ウェルネス市場における日本の役割を高め、文化ツーリズムの新たな基準を打ち立てることが可能となります。このようにして日本は、単に追いつくだけでなく、世界のウェルネスツーリズムを再定義しうる新しいカテゴリーを切り拓く先駆者となるのです。

日本の「癒し」の音楽としての江戸音楽:未開拓の文化的ウェルネスという側面
日本での「癒し」は、長らく禅や石庭、茶道、寺院、そして温泉に焦点を当ててきました。しかし、江戸時代の音楽(三味線、箏、胡弓)は、瞑想や癒しと歴史的に強い繋がりがあるにもかかわらず、ラグジュアリー・ウェルネスの分野ではほとんど未開拓のままです。
- 検索インテリジェンス(Youtube VidIQ) – データによると、「江戸時代の音楽」と「日本の伝統音楽」は強い関連性があります(関連スコア24〜34)。「江戸時代の音楽」と関連性の高いワードには、「meditation music 瞑想 音楽」(8.4)、「stress relief ストレス解消」(8.4)、「relaxation music リラクゼーション 音楽」(7.2)、「healing music ヒーリング 音楽」(5.1)といったウェルネス意図の用語も現れます。スコア自体は中程度ですが、これらの世界的な検索ボリュームは膨大であり、江戸音楽とウェルネス効果の間に明確な相関性があることを裏付けています。
- 歴史的な信頼性 – 江戸時代(1603〜1868年)、当道座(とうどうざ)という組織の盲目の音楽家たちは、三味線、箏、胡弓を単なる娯楽としてではなく、感情的な安らぎや精神的な癒しの手段として、その地位を高めました。江戸音楽を瞑想として位置づける現代の試みは、この伝統の系譜を受け継ぐものです。
- 結論として – 江戸音楽は、正統性(歴史遺産)、希少性(限られたアクセス)、そしてウェルネスとの関連性という、現代の富裕層旅行者がまさに優先する3つの要素を提供します。これは、江戸音楽を単なる文化遺産としてだけでなく、日本のラグジュアリー・ウェルネスにおける新たな柱として位置づけるものです。

「演奏会」から「癒し」へ:新しい都市型ラグジュアリー・ウェルネス
この体験は、「演奏会」を「瞑想的な癒しの体験」へ、そしてさらに「楽器に触れる体験」へと再構築するものです。
- 静寂の中での集中 × 生演奏の響き × 少人数 – ゲストは、格式ある料亭やホテルのスイートルームという親密な空間で、静寂の中へと入ります。言葉による指示や特定の姿勢を要求されることなく、三味線、箏、胡弓の生演奏が瞑想的な弧を描いて展開されます。
- 導かれるままに楽器に触れる – 没入体験の後、参加者は日本最高峰の音楽家たちの直接の指導のもと、楽器に触れます。弦を弾き、あるいは弓を引くという行為が、永続的な身体的記憶を創り出します。
- パーソナライゼーション – テンポ、演目、そして静寂と音の比率は各グループに合わせて調整され、セッションはオーダーメイドの儀式となります。
- 東京でしかできない体験 – 日本の芸術の最高学府である東京藝術大学と、文化鑑賞のための巨大な市場、その両方を擁する東京独自の生態系は、最高レベルの音楽家たちを惹きつけ、その集中度は他に類を見ません。これにより、他の都市では実現不可能な、再現性のある卓越した水準を保証することができるのです。

メディアとラグジュアリー旅行業界のパートナーにとっての重要性
ラグジュアリー旅行業界の視点
- 超プレミアム商品 – 最高の音楽家によるプレミアム価格、貸し切りによる限られた参加者数、希少な文化的知的財産。
- 円滑なロジスティクス – 会場は都心である神楽坂にあり、ラグジュアリーホテルからわずか20〜30分。また、プライベートクライアントのためにホテルの宴会場やスイートでの出張演奏も可能です。
- 完璧な顧客フィット – 経営層向けの特別な癒しの時間、超富裕層の家族旅行、ミュージシャン、そしてありきたりのスパメニューではなく希少性を求める文化的ウェルネスの探求者に最適です。
メディアの視点
- 新カテゴリーというストーリー – 江戸音楽を通じた「文化的伝統音楽による癒し」という、世界的に通用するウェルネスの新しいトレンド。
- エビデンスに基づいた物語 – GWI、ヴァーチュオーソ、観光庁などのデータに裏付けられています。すぐに使用可能なビジュアル素材(音楽家、楽器、会場)も用意されており、非常に記事化しやすい(エディトリアル・フレンドリーな)内容です。
音楽家たちの紹介
- 岡村慎太郎 – 三味線・箏 東京藝術大学卒業。2024年芸術選奨文部科学大臣賞受賞。宮内庁での御前演奏、宮城道雄記念コンクール第一位、国立劇場への頻繁な出演で知られる。江戸の演目を代表する解釈者の一人。
- 岡村愛 – 三味線・箏 宮城道雄記念コンクール入賞。東京藝術大学卒業。上野奏楽堂にて皇后陛下の御前で演奏し、ハノイでのASEMフェスティバルでは日本を代表。レコーディングやNHKの放送を通じて伝統と革新を融合させている。
- 岡村秀太郎 – 三味線・箏・胡弓 東京藝術大学卒業。岡山県高校生邦楽コンクールで受賞。YouTubeチャンネル登録者数37万人超の「TRiECHOES」の音楽監督を務め、箏をEDMやビジュアルと融合させ、世界の聴衆に届けている。
- 木場大輔 – 胡弓の革新者 日本でも数少ない胡弓の専門家の一人。この擦弦楽器を再創造することで知られ、NHKワールドでの放送や、エミー賞を18部門受賞したドラマ『SHOGUN』への参加で注目を集める。紀尾井ホールでのリサイタルは、彼の伝統と現代性の融合を際立たせている。
補足データと市場インサイト
伝統文化は「日本旅行」に最高の満足度を生む(観光庁)
相関分析(2017–2019年、2023–2024年;105,330人対象、20カ国):
- +0.82:伝統文化体験(「大変満足」した旅行との最も高い相関)
- +0.81:日常的な日本の生活
- +0.81:美術館・博物館
- –0.38:ショッピング
体験したアクティビティ割合と日本旅行「大変満足」の回答割合との相関係数

出所:観光庁「インバウンド消費動向調査(2017, 18, 19, 23, 24年)」
伝統文化体験への参加:日本での文化体験は今や欧米市場では主流となっています(スペイン83%、英国82%、ドイツ81%、米国73%)。2019年以降、文化への深い没入体験への需要は高まる一方、温泉(–6.9ポイント)や旅館(–5.7ポイント)への関心は低下しました。
日本の歴史・伝統文化を体験したインバウンド旅行者の割合(2024年)

MICE(*)へのインパクト:海外からのMICE参加者の72.9%が、日本の開催都市に伝統文化体験を期待しています(観光庁、2023年)。
(*) MICEとは、Meeting(会議)、Incentive travel(報奨・研修旅行)、Convention(国際会議)、Exhibition/Event(展示会・イベント)の頭文字を組み合わせた造語で、ビジネスイベントの総称
MICE開催地で期待される体験コンテンツ(2023年)

出所:観光庁「MICE総消費額等調査事業報告書(2023年)」
「江戸音楽」がウェルネスツーリズムとなる各種事例
- 世界的な需要 – 前述のグローバル・ウェルネス・インスティチュートのデータが示す通り、ウェルネスツーリズムは数兆ドル規模の世界のウェルネス経済の中でも特に急成長している分野です。この強力な市場トレンドは、ユニークなウェルネス旅行体験に対する、旺盛で拡大し続ける世界的な需要を裏付けています。
- 旅行者の意識 – Booking.comの調査(2021〜24年)では、旅行を通じて「心と体をリフレッシュしたい」という一貫した需要が示されています。また、AMEX(2021年)は、ラグジュアリー層における「健康とウェルネスによる高揚感」を強調しています。
- ユーザー検索に見る証拠 – YouTubeのデータ(VidIQ)は、「江戸音楽」が伝統音楽関連の用語(スコア24〜34)と強く結びつくと同時に、ウェルネス意図の用語(スコア6〜8)とも関連があることを示しています。これは、江戸音楽とウェルネスに関する人々の認識との間に、明確な関連性があることを示唆しています。
- 都市型ウェルネスの利点 – 1週間にわたるヨガやスパのリトリートとは異なり、江戸音楽による瞑想は60〜120分という短時間で深いインパクトを提供します。これは、忙しい経営層、MICE、そして富裕層の個人旅行者(FIT)にとって理想的です。

トラベルプランナー向けプログラム概要
- 形式: 江戸時代の楽曲による瞑想的な演奏鑑賞と、指導付きの楽器体験
- 場所: 神楽坂の歴史ある料亭、またはご要望に応じてラグジュアリーホテルの会場
- 定員: 1〜30名様
- 言語: 英語、日本語
- 所要時間: 音楽体験:60分/お食事を含む全体:2時間
- 主な利用シーン: VIPの旅行、インセンティブ旅行
- 価格と予約: お問い合わせください

結論:日本のラグジュアリー・ウェルネスツーリズムの新たな章
今回の江戸伝統音楽による体験ツアーは単なる演奏会ではありません。それは、東京で生まれた文化的ウェルネスツーリズムという新しいカテゴリーです。江戸の音色が持つ内省的な力と、親密な空間での演奏、そして専門家による指導が一体となることで、この体験は旅行者に、時代を超え、かつ革新的な、唯一無二の体験を提供します。
旅行業界にとって、これはエリート層の期待と都心でのロジスティクスに完璧に合致した、プレミアムな価値を持つ、エクスクルーシブで超限定的な商品です。メディアにとって、これは日本のウェルネスの提供価値を、文化、音、そしてアクセシビリティという観点から再定義する、データに裏付けられた物語を提供します。
本質的に、これは日本の伝統を、心身を回復させるウェルネスツーリズムとして再創造する試みです。伝統音楽とウェルネスツーリズムの融合を通じて、私たちは真のラグジュアリートラベルの証である「期待を超える(Beyond Expectations)」という精神を体現することを目指します。
👉「江戸伝統音楽」がウェルネスツーリズムによる詳細は『A New Luxury Meditation Retreat Experience in Japan with Edo Traditional Japanese Music』をご覧ください。
👉 私たちの理念をより深く知るには、ブログ記事『ラグジュアリー=期待を超える体験(英語ブログ)』をご覧ください。
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