国際線のCO2排出量はなぜ気候変動問題の盲点なのか
今日は暑いですね。東京は20℃とのことです。2月中旬とは思えません。また、昨日、「支笏湖氷濤まつり 高温で氷像解け中止」と発表されました。北海道で2月中旬に氷像が解けることは元道民としては信じられません。このような異常な状況を鑑みると気候変動問題に本気で取り組むことが必要なのではないでしょうか。しかも、効果的に取り組むことが欠かせません。
今までも、飛行機の荷物の削減がいかにCO2削減に効果的かということを何度も取り上げてきました。実際、国際線を利用し、日本を往復すると平均138kgのCO2排出量(20kgの荷物を削減した場合)となります。これはニューヨーク、シンガポール、台北からの往復の平均です。日本人平均の28日分にもなります(日本人の排出量は1日当たり4.9kg)飛行機のCO2排出量はICAO(国際民間航空機関)のCarbon Emissions Calculator (ICEC)で誰でも計算できます。なお、旅客のCO2排出量は612kgですが、旅客は飛行機に搭乗しなければ、旅行できないため、仕方ないことだと私は思います。
ちなみに、環境省によると1日当たり削減量はソーラーパネル設置が3.5kg、電気自動車が1.3kgです。如何に、国際線のCO2排出量が多いかご理解いただけると思います。
しかし、各国政府もマスコミも国際線のCO2排出量についてほとんど取り上げません。これは、国際線はどこの国にも属さず、国のCO2削減目標からは除外されているためだと考えられます。環境省のレポートの(注)には以下のような文章があります。「国際バンカー油は国際航空及び外航海運のための燃料のこと。バンカー油の燃焼に伴う CO2 排出量は、世界全体の温室効果ガス排出量の約 4%を占める。しかし国にどう割り当てるかの方法が難しいため、現在のところ、バンカー油からの CO2排出は各国の温室効果ガス削減目標の対象から除外されている」。ちなみに、世界全体の排出量に占める日本の割合は約3%です。
ただ、誰でも分かるように、気候変動問題は国単位の問題ではなく、地球全体の問題です。国の削減目標に拘り、もっと効果的な国際線の荷物削減によるCO2削減策を無視し続けるなら、気候変動抑制は無理でしょう。やったふりではなく、科学的に証明された効果が大きいCO2削減策に、ラクに簡単に取り組めることにもっと注目すべきではないでしょうか。もっとこの事実を多くの方々に知って欲しいと思います。