「神楽坂まつり2024」で阿波踊りを踊った芸者の美しさ。隠すことで引き立つ魅力
阿波踊りが始まる
「神楽坂まつり2024」3日目(2024年7月26日)に、阿波おどり大会が行われました。国会議員、新宿区長、新宿区議会議員も主賓席で阿波踊りを鑑賞しました。本日が最終日です。3日目同様、阿波おどり大会が行われます。主催者発表では15万人が「神楽坂まつり2024」に参加する見込みのようです。
神楽坂と阿波踊りは400年前からの御縁
神楽坂で阿波おどり大会が行われるようになった理由は神楽坂の起点である江戸城の「牛込御門」が1636年に阿波徳島藩の藩主・蜂須賀忠英によって築かれたことの御縁です。約400年前の御縁により、1972年から盛大な阿波おどり大会が神楽坂で行われるようになったのです。阿波おどりは女性が独特の長い編み笠を被り、顔が見えそうで見えない状態で踊ることが特徴です。
阿波踊りは芸者文化により出来上がった
徳島には1930年代には芸者(芸妓)が200人超と京都以上の規模を誇っていたそうです。顔の一部を隠すことにより、観客の想像力を掻き立て、より色気や魅力を引き出すという「阿波踊り」は芸者文化により確立したのです(出所:「津田塾大学紀要」小林敦子)。独特の色気を持つ「阿波踊り」が東京屈指の花柳界である神楽坂に似合うのはそうした背景があります。
芸者が「神楽坂踊り2024」で阿波踊りを踊った
COVID-19での大会中止もあり、今回の「神楽坂まつり2024」は50回記念大会となります。50回大会を記念して、「神楽坂まつり2024」では神楽坂芸者(眞由美さん、㐂よ乃さん)も阿波踊りを踊りました。
㐂よ乃さんは立方(おどり手)も地方(唄や三味線の演奏)もできる神楽坂芸者の中で一番の売れっ子芸者です。しかし、㐂よ乃さんや眞由美さんの踊りが主賓席の前に来た際も、「芸者が登場しました」、「芸者が躍っています」というようなアナウンスはなく、ほとんど誰にも気づかれずに踊っていました。
「神楽坂」だからこそのカッコよさ
これが粋な街「神楽坂」だからこそのカッコよさ、なのです。阿波踊りもそうですが、隠すことで増す魅力なのです。自分を知っている人だけに気づいてほしい、という想い、なのです。このカッコよさは「粋」という日本語で表現できます。「粋」は侘び侘びとも通じます。石庭や禅寺、座禅、茶道、華道などに興味がある人はこの「粋」を理解できると思います。
昔から、神楽坂は「粋」な街と言われます。石畳の路地もそうですが、街の魅力は「知っている人だけに気づいてほしい」ということです。
あなたはこのカッコよさを理解できますか?