11月の日本旅程5日目(福岡県3日目)
(11月19日 金曜日)
目次
1、香椎宮(かしいぐう)
長崎・福岡旅行の5日目はまず朝に香椎宮(かしいぐう)に行きました。私が利用した電車は以下の通りです。
博多駅8:10発 JR鹿児島本線 門司港行 香椎駅8:22着 運賃230円
香椎駅から香椎宮まで徒歩15分程度です。香椎線に香椎神宮駅があり、香椎神宮駅からは徒歩5分程度です。香椎線は30分に一本程度の運行本数です。
香椎宮のホームページには香椎宮の起源は西暦200年に神功皇后が祠を建て、仲哀天皇の神霊を祀給うたことが起源とあります。現在の本殿は1801年に再建されたもので、「香椎造(かしいづくり)」と称される日本唯一の建築様式です。本殿は国の重要文化財です。
楼門は1903年の再建となる立派な門です。雰囲気が禅宗の仏教寺院の楼門のように感じました。
2、門司港駅
香椎宮から門司港に向かいました。私が利用した電車は以下の通りです。
香椎駅9:28発 JR特急ソニック11号 大分行 小倉駅10:07着
小倉駅10:20発 JR鹿児島本線 門司港行 門司港10:34着
合計運賃1,830円(特急料金含む)
私が乗ったJR特急ソニック11号は「白いソニック」でした。「白いソニック」は特急「かもめ」に使用される車両の885系です。
ただ、私のイメージするソニックは多く運行している「青いソニック」の883系です。次の写真は博多駅に停車していた「青いソニック」です。「白いソニック」は曲線を多用した車両でスマートなイメージ、「青いソニック」は直線を多用した車両で武骨なイメージです。自由席はかなり混んでいて、空席はほとんどありませんでした。
門司港駅は鉄道路線の末端となる正真正銘のターミナル駅です。海外の駅では大都市に多いターミナル駅ですが、日本の場合は大都市になればなるほど正真正銘のターミナル駅は少ないという特徴があるかと思います。
門司港駅の駅舎は駅舎は国の重要文化財に指定されています。国の重要文化財指定の駅舎は当駅と東京駅丸の内駅舎のみです。1914年に現在の門司港駅舎が完成しました。何度見ても素敵な駅舎です。
11月25日からのクラシックカーラリーのスタート地点が門司港駅(ゴールは神戸)ということで、クラッシックカーが駅舎の中に展示していました。
門司港の各観光スポットは1995年に「門司港レトロ」としてグランドオープンしました。各観光スポットの距離が近く、徒歩での観光が可能です。私は散歩しながら、歴史的建造物を回ってきました。
3、門司郵船ビル(日本郵船門司支店)
門司港駅の目の前にあるビルが「門司郵船ビル」です。1927年に建設されました。デザインはアール・デコ様式で実用性が高いビルでした。
4、旧門司三井倶楽部
門司郵船ビルの隣に立つビルが旧門司三井倶楽部です。1921年に三井物産株式会社門司支店が建設した接客施設です。建設当時は山側の谷町に建てられていましたが、1990年にJR門司港駅前に移築されました。国の重要文化財です。
5、旧JR九州第一庁舎(旧三井物産門司支店)
JR九州第一庁舎(旧三井物産門司支店)は三井物産の三代目の門司支店として、1937年に建設されました。私は正面よりも側面の階段側のほうが好きです。
6、北九州銀行門司支店(旧横浜正金銀行門司支店)
横浜正金銀行は外国為替の取り扱いを専門としていた特殊な銀行でした。門司には日本銀行の支店もあり、西日本の金融の中心地であったことが伺えます。現在は北九州銀行門司支店として使用されています。
7、栄町銀天街
栄町銀天街は全長約300mのアーケード商店街です。観光客向けというよりは地元住民のための商店街です。レトロ感があり商店を覗きながら散歩するにはちょうどいい商店街です。ただ、残念ながら日本の大多数の商店街のように、閉店した店も多かったです。
8、旧門司税関庁舎
旧門司税関庁舎は1912年、焼失した門司税関の2代目の庁舎として建設されました。前身の門司長崎税関出張所は1885年に設置されました。この税関出張所設置に尽力したのがNHK朝ドラ「あさが来た」のヒロインあさのモデル広岡浅子です。広岡浅子は筑豊にあった自社炭鉱から遠い長崎港ではなく、より近い門司港から石炭輸出を目指しました。
9、大連友好記念館
1979年に北九州市と大連市が友好都市を提携しました。大連友好記念館は友好都市締結15周年を記念し、ロシア帝国が1902年に大連市に建築した鉄道汽船会社の建物を複製し建築されました。
10、門司港レトロ展望室
門司港レトロ展望室は日本を代表する建築家の1人であった黒川紀章氏が設計した高層マンション『レトロハイマート』の31階にあります。展望室は高さ103mにあり、関門海峡、関門橋が綺麗に見えます。なお、関門橋は橋長1,068メートルの吊橋です。関門橋の下関側橋脚のふもとの海は源平合戦の壇ノ浦の戦い(1185年)の舞台でした。
門司港レトロ展望室ではクラフトビール「MOJIKO BEER」を飲めます。関門海峡を見ながら、クラフトビールを飲むのは最高でした。私が飲んだ「MOJIKO BEER」ヴァイツェンは全国地ビール品質審査会の最優秀賞を2回受賞しました。美味しいビールでした。
入場料 : 大人300円、小中学生150円
11、旧大阪商船ビル
旧大阪商船ビルは大阪商船の門司支店として、1917年に建設されました。建物の角にある八角形の塔が特徴です。国の有形文化財に登録されています。旧大阪商船ビル2階に福岡県北九州市出身のわたせせいぞう氏のギャラリーがあります。
12、ホーム・リンガ商会、ブルーウィングもじ
ホーム・リンガ商会の建物は1962年に建てられました。前身の会社は江戸時代の最後の年である慶応4(1868)年にイギリス人の貿易商フレデリック・リンガーがエドワード・Z・ホームとともに設立したホーム・リンガー商会です。
フレデリック・リンガーはトーマス・グラバーの後に長崎で指導的役割を果たし、長崎の貿易と産業の発展に貢献しました。1868年に建てられたリンガーの旧邸は国の重要文化財です。現在は長崎市のグラバー園に保存されています。なお、長崎ちゃんぽんの「リンガーハット」のリンガーはフレデリック・リンガーの名前にあやかったものです。
ホーム・リンガ商会は英国風というよりも米国風、特に、西海岸の建物の印象を私は受けました。薄いピンク色によりそう感じるのかもしれません。赤いレンガ色が印象的な旧大阪商船ビルのすぐ近くに立っているので、ホーム・リンガ商会の薄いピンク色がますます目立ちます。門司港レトロの中でも印象に残った建物です。
ホーム・リンガ商会のすぐ近くには「ブルーウィングもじ」があります。歩行者専用のはね橋となります。1時間に1回、60度の角度に跳ね上がります。関門橋がよく見える気持ちの良い場所です。
13、門司電気通信レトロ館
門司電気通信レトロ館は1924年に逓信省門司郵便局電話課庁舎として建設されました。門司で最初の鉄筋コンクリートの建物でした。交差点を挟んで見ると曲面がある綺麗なビルに見えます。しかし、直線的な部分だけを撮影するとディストピア映画に出てくるビルに見えるのは私だけでしょうか。
14、三宜楼(さんきろう)
三宜楼は1931年に建てられた木造3階建ての元料亭です。往時は門司港料亭トップ3の一角として栄えました。出光興産の創業者である出光佐三氏や俳人高浜虚子など数々の著名人が訪れました。一階で三宜楼茶寮として営業もしていましたが、COVID-19の影響により、 2021年8月11日~2022年3月31日まで休業中です。
内部は無料で見学できます。ボランティアの方に非常に丁寧な解説をして頂き、勉強になりました。すべて異なる意匠の欄間や窓が素晴らしかったです。上った人は出世すると言われる「出世階段」や当時使用されていた電話室と電話機もあります。皆様に三宜楼の内部を見学することを強くお勧めしたいです。
15、清滝界隈
三宜楼の近くにある「清滝界隈」は細い路地裏があり散歩に最適です。木造家屋やレンガ造りの家屋などが残っており、趣のある町並みとなっています。ただし、とても狭いエリアなので、10分ほどあれば一周できます。
16、岩田家住宅
岩田家は1899年から門司港地区で酒類の販売を行ってきました。現存する建物は1922年に店舗(酒屋)兼住宅として移転新築されたものです。北九州市の有形文化財に指定されています。
17、博多駅のイルミネーション
門司港駅から博多駅に戻り、夕食を食べました。私が利用した電車は以下の通りです。
門司港駅15:41発 JR鹿児島本線区間快速 大牟田行 小倉駅15:54着
小倉駅16:15発 JR新幹線のぞみ29号 博多行 博多駅16:30着
合計運賃:2,370円(特急料金込み)
夕食後、博多駅でのイルミネーションが綺麗でした。週末(金曜日)ということもあり、人出が多かったです。
(注:文中に掲載している交通機関の出発・到着時間や運賃、入場料、食事の料金などはBLOG執筆時のものです。今後変更する可能性がありますので、旅行に行く際にご自身でご確認ください。)