11月の日本旅程4日目(福岡県2日目)
(11月18日 木曜日)
目次
1、宗像大社「辺津宮」
4日目の朝に、博多駅から宗像大社「辺津宮(へつぐう)」へ行きました。私が使った公共交通機関は以下の通りです。
博多駅8:07発 鹿児島本線 快速門司港行 東郷駅8:36着 運賃570円
東郷駅前8:56発 1 神湊波止場行バス 宗像大社前9:05着 運賃240円
宗像大社「辺津宮」は宗像大社前のバス停から徒歩1分です。
宗像大社は「日本書紀」「続日本書紀」などにも記されている日本最古の神社の一つです。日本各地に7,000以上ある宗像神社、厳島神社、宗像三女神を祀る神社の総本社です。
宗像は日本最初の国際港でした。朝鮮半島、中国までの港として、4世紀後半〜9世紀末の約500年間、古代日本の外交・通商・国防の役割を担っていました。こうしたことから、2017年に「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群として宗像大社などが世界遺産に登録されました。
また、宗像大社「辺津宮」の本殿、拝殿は国の重要文化財に指定されています。本殿は1578年、拝殿は1590年に建てられました。
他の多くの神社と異なり、宗像大社「辺津宮」の拝殿は握舎(あくしゃ:仮小屋のこと)が建てられたため正面から見られません。このことがとても残念です。
本殿の周辺には大小の末社が22社あり、121の神様が祀られています。宗像大社は「神郡(しんぐん)」と定められた全国8社の一つでした。九州で唯一の「神郡」である宗像大社「辺津宮」内に集合奉祀したものがこの末社群です。ずらりと並んだ末社群の存在は圧巻で宗像大社の社格の高さを表しています。
宗像大社「辺津宮」の本殿、拝殿から少し歩いた場所に、第二宮(沖津宮分社)、第三宮(中津宮分社)があります。遠く離れた沖津宮(沖ノ島)、中津宮(大島)に行けない人々のために、辺津宮周辺でも沖津宮、中津宮を参拝できるようにしたとても親切な分社です。第二宮、第三宮の社殿は同じ形をしています。
2、宗像大社「高宮祭場」
第二宮、第三宮から徒歩3分ほどの場所に「高宮祭場(たかみやさいじょう)」があります。「高宮祭場」は市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)の降臨の地とされる古代祭場です。自然崇拝に基づく古代祭場が残っている場所は日本全国でも数か所しかありません。宗像大社の境内でも最も神聖な場所の一つとされています。
私の訪問時には「高宮祭場」に他に誰もいませんでした。そのため、古代祭場の厳かな雰囲気を満喫することができました。私が宗像大社で最も感銘を受けた場所は「高宮祭場」でした。古代の人々が自然を畏怖し、健康や安全を祈った場所で古代の人々を想像するのはとても楽しいものでした。
毎年10月3日(秋季大祭の最終日)に神奈備祭(夜神楽の悠久舞)が「高宮祭場」で舞われます。悠久舞は2005年に630年ぶりに復活した行事です。なお、10月1日の秋季大祭は御神璽が乗せられた2隻の御座船を何百隻という漁船で取り囲む荘厳な海上神幸みあれ祭が始まりです。秋季大祭の時期に宗像大社を再訪し、みあれ祭と神奈備祭を見学したいものです。
3、宗像大社「神宝館」
宗像大社の神宝館(しんぽうかん)は沖ノ島神の国宝8万点を中心に、宗像大社に伝承されてきた重要文化財などが収蔵展示されています。国宝を中心にと書きましたが、展示されていた品々はほぼ全てが国宝でした。こんなに多くの国宝を一度に見たのは初めての経験で、本当に圧倒されました。
古代の人々の高い技術力を集積した国宝の品々が素晴らしかったです。この素晴らしい品々は全て写真撮影可能でした。神宝館を見学するだけでも、福岡県に行く価値があると思えるほどでした。
日本全国の多くの神社仏閣に神宝館のような宝物館があります。ただし、宝物館に展示されている品々の多くは市町村の宝ほどのもので、学術的、芸術的価値が乏しいものも少なくありません。しかし、神宝館に展示されている品々はほぼすべてが学術的にも芸術的価値も超一級品の国宝であり、別格の宝物館です。是非、皆様に神宝館を見学していただきたいと思います。
神宝館の3階では、アーティスト芹野直子さんのジュート麻の作品が展示されていました。これらの現代アートも素晴らしいものでした。
拝観料:一般800 円、高校生・大学生500 円、小学生・中学生400 円
4、宗像大社「沖津宮遙拝所」(大島)
宗像大社「辺津宮」から神湊(こうのみなと)港にバスで移動し、船で大島に行きました。大昔に神様が行き来したと想像できる神湊という名前がとてもいいです。私が利用したバスと船は以下の通りです。
宗像大社前10:20発 1-2 光陽台六丁目行 神湊波止場10:36着 運賃210円
神湊港11:15発 旅客船「しおかぜ」 大島港11:30着 運賃570円
私が乗船した日は天気が良く、とても綺麗な景色を船上から見ることができました。
大島港に到着後、大島フェリーターミナルにある大島観光売店・案内所で電動アシスト付き自転車を借りました。料金は1日800円でした。大島を一周する観光バス「みあれ号&グランシマール号」もあります。一日乗車券は800円です。40分~70分間隔で一日7便運航しています。
昼食を食べて、沖津宮遙拝所(おきつぐうようはいしょ)へ自転車で向かいました。途中に、小島の前に鳥居が立っている「夢の小夜島」がありました。
「夢の小夜島」から自転車で5分ほどで沖津宮遙拝所に到着しました。沖津宮遙拝所は渡島できない沖ノ島を遥拝(遥か遠くから拝むこと)するため、大島の北側に設けられました。
天気が良かったので、沖津宮遙拝所周辺の海がとても綺麗でした。
次に、沖津宮遙拝所から自転車で15分ほどの距離の御嶽山展望台に行きました。標高224mの御嶽山山頂にある展望台で、電動アシスト自転車でも展望台まで坂道を登るのに疲れました。
御嶽山展望台の横には御嶽神社があります。この神社でも7~9世紀の古代祭祀跡が見つかっています。
御嶽山展望台のあと、自転車で5分ほどの距離にある風車展望所・砲台跡に行きました。砲台は1936年に建設されたものです。風車展望所・砲台跡から見える海もとても綺麗でした。近くに、カナディアンキャンプ大島牧場があり、馬が飼われています。また、風車展望所・砲台跡には日露戦争の慰霊碑があります。大島沖の玄界灘における日露海戦が行われ、5,000人近くの兵士の命が奪われました。
5、宗像大社「中津宮」(大島)
風車展望所・砲台跡から宗像大社「中津宮(なかつぐう)」に向かう途中で大島灯台に寄りました。風車展望所・砲台跡から自転車で5分ほどの距離にあります。大島灯台は1926年に運用開始された歴史ある灯台です。灯台からの景色もとても美しかったです。
大島灯台から宗像大社「中津宮」まで自転車で15分ほどかかりました。中津宮の本殿は1566年に建造されました。
辺津宮と違い、中津宮の拝殿の前に握舎(あくしゃ)はなく、正面から見ることができます。とても趣がある素敵な拝殿と本殿です。
中津宮から大島フェリーターミナルに向かったのですが、出航まで時間があったので、「夢の小夜島」がある「かんす海水浴場」に行きました。「かんす(干洲)」とは干潮時に現れる砂州のことです。昼食後に見えなかった干洲を午後には見られました。
宗像大社「辺津宮」と大島は建造物、古代祭場、神宝館の国宝の数々、大島の綺麗な景色などすべてが素晴らしかったです。私は今まで福岡県には数多く訪問しましたが、博多中心の観光が中心でした。今回の宗像市の訪問で福岡県の新しい魅力を発見することができました。
大島フェリーターミナルから神湊港に行き、東郷駅を経由して博多駅に戻りました。私が利用した公共交通機関は以下の通りです。
大島14:40発 旅客船「しおかぜ」 神湊港14:55着 運賃570円
神湊波止場15:07発 1 JR東郷駅行 東郷駅15:26着 運賃370円
東郷駅15:34発 JR鹿児島本線区間快速 鳥栖行 博多駅16:05着 運賃570円
(注:文中に掲載している交通機関の出発・到着時間や運賃、入場料、食事の料金などはBLOG執筆時のものです。今後変更する可能性がありますので、旅行に行く際にご自身でご確認ください。)