神楽坂商店街の魅力を紹介するシリーズ第2回は、老舗陶器店「陶柿園」の二代目 代表取締役、舘林順生(たてばやし のぶたか)さんへのインタビューです。九州・長崎県波佐見町の窯元から神楽坂に来られ、多くの変化に柔軟に、また果敢に対応し続けてきた順生さんのストーリーをお届けします。
陶柿園の創業と歴史
順生さんご夫婦が後継者として神楽坂に移り住んだのは1977年。当時、縁もゆかりもない地での生活に不安を感じたそうですが商店会仲間とのつながりが大きな助けになったといいます。「長崎弁が聞きづらいかもしれませんが…」と笑う順生さんの語り口にはユーモアが溢れる一方、数々の苦難を潜り抜けてきたという自信を感じました。
波佐見焼との深いつながり
陶柿園の和食器の品揃えの約7割を占めるのが、順生さんのルーツである波佐見焼です。江戸時代後期創業の窯元「一龍陶苑」の三男として生まれた順生さんは、地元、波佐見町に今でも深く関わっています。例えば、波佐見焼を全国区に押し上げた西海陶器の会長 児玉盛介さんと幼馴染で今でも仲良くしているといいます。 また、波佐見町長を24年務めた一瀬政太氏は順生さんの実兄です。順生さんの祖父も波佐見町の町長を務めたそうです。
時代の変化に合わせた取り組み
この危機に対応できたのは、順生さんと奥様が陶磁器のメーカー、問屋、小売り(百貨店)で培った経験があったからです。さらに、陶器だけでなくガラス製品の取り扱いを始めたことも大きな変化でした。ガラス問屋最大手(当時)だったカメイガラス(KAMEI GLASS)が1997年に廃業し、放出された薩摩切子の在庫を順生さんが大量に仕入れ、販売したのです。このことにより、薩摩切子や江戸切子の取り扱いを通じて、商品ラインナップの多様化に成功。江戸切子の品揃えはトップクラスとなりました。「江戸切子は日本の工芸品として海外での知名度も高く、お土産として購入されることが多いです」と語る順生さん。時代のニーズに応じた柔軟な対応と決断力が、順生さんが率いる陶柿園の強みといえます。
変化と努力を続ける理由
外国人にも人気の商品
「変化」を続ける陶柿園
店舗情報: 陶柿園
ホームページ: toushien.net 神楽坂・陶柿園で検索できます
住所:東京都新宿区神楽坂2-12
営業時間:火~土 10:00-19:00 / 日・祝 12:00-18:00
定休日:月曜日 注:月曜日が祭日の場合火曜日が休みになります。
神楽坂へのアクセス